勇「う、うーん…」 ムクリ
パ「やっと起きたの?随分と長く寝てたようね。妬ましいわ」
勇「パルスィ…?」
目を覚ましたあたしは、今まで何が起きていたかの記憶があいまいだった。覚えているのは麟という人間に敗北したあたしは、殴り飛ばされた後に気絶してしまい、その後どうなったかが分かっていなかった。
「姐さん、やっと起きたかい!」
「あんた達の戦いがあまりにも激しすぎて、地底の一部が崩壊してそれにあんたと麟っていう人間が巻き込まれたんだよ!!」
勇「そうだったのかい…」
そうだ…麟の本気を引き出す為にわざと怒らせるような発言を繰り返していたら、麟が本気で怒ってあたしと互角、いや…あたし以上の力で、鬼であるこのあたしを負かしたんだったな…後で謝らないといけないな。
勇「それで…麟はどこだい?」
「ああ、姐さんを橋姫様に渡した後、ずっとあそこで仁王立ちしているんだ」
「何してるんだかねえ?」
麟「…」
彼は遠くで立ち尽くし、目を閉じ何かを感じ取ろうとしている。
スタスタ
勇「…麟?」
麟「…!かあっ!」 バッ…!!
ガタガタガタ…
勇「麟!?大丈夫かい!?」 ダッ‼
麟「くぅぅっ…だあぁぁっ!!」グォォッ!! バチバチ…
勇「ッ!?」 バッ‼
勇儀は麟の変化に気づき、急いで離れる。
麟「かぁぁぁぁぁっ…!」 ゴゴゴゴゴゴ…
ガタガタガタ‼
ヤ「え!?な、何この揺れ!?」
キ「さっきより激しくない!?」
パ「勇儀!どうなってるの!?」
勇「麟に言ってくれ!?あいつのパワーがどんどん上がっているんだ!」
パ「はぁ!?」
麟「ぬぅぅぅぁぁぁぁ…!」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
ボコォッ‼
・麟のパワーで地面がへこむ
パ「麟!それ以上は危険だからやめなさい!」
麟「でやぁぁぁぁぁぁっ!!」 グオォォォォォォォォォッ!!
勇「麟!!」
麟「はあぁぁぁぁぁっ!!」 カァッ‼
キ・ヤ「「ま、まぶしい!!」
パ「な、何なのよあの光は…!?」
勇「麟…!!」
その時、地底全体がたった一人の人間の力によって一瞬だけ照らされた…
文「萃香さんに聞いて麟さんを追ってみて、地底に来てみましたが…星熊勇儀との決闘に勝利という特ダネに、さらに新しい特ダネスクープがもう一枚!!」 パシャパシャ‼
麟の覚醒した力は幻想郷全体にまで感じ取られた。
~博麗神社~
オォォォォォォォォォォォッ…
霊「(ピクッ)…!?この力は…」
萃「恐らくは麟の力だねぇ…ただの人間にしてはすごい力だねぇ…」
霊「地底にいるはずなのにここまで!?」
~魔理沙の家~
オォォォォォォォォォォォッ…
魔「な、なんかとてつもない力を感じないか?アリス」
ア「まさかと思うけど…この感じは、弾幕修行の時に感じた麟の力?」
魔「まさか!?あいつは今、地底にいるって霊夢は言ってたぜ!?」
ア「だとしたら…彼の力が、地底から飛び出て地上にいても感じられるということ…!?」
~紅魔館~
オォォォォォォォォォォォッ…
レ「何かしら…この激しく燃え盛るような力は…」
パチェ「レミィも感じた?恐らくこの力の正体は…」
フ「お兄様ね!?」
咲「これが彼の力だと言うんですか!?パチュリー様!」
パチェ「フランと戦っている時もその片鱗は出ていたわ」
美「うっそぉ…あんなのと妹様達は戦ってたんですか…?」
こ「パチュリー様のロイヤルフレアを蹴飛ばしたり、掴んで投げ飛ばせるのも頷けますね」
~マヨヒガ~
オォォォォォォォォォォォォォォッ…
紫「これが…麟の本当の力なのかしら?…ふふふっ」
藍「彼は本当に何者なのでしょうか…?」
紫「さぁ…?幻想入りしたことによって何かしらの力を得るとは知っているけれど、彼の場合は例外すぎるわね。下手をすれば幻想郷のバランスが狂うかもしれないわ」
藍「では…いつかは始末せよと?」
紫「いいえ、力をどう使うかは彼次第…もし道を間違えたら、その時はやるしかないでしょう。でも、今は見守るだけにしておきましょう」
藍「はっ!」
紫「麟…私は信じているわ…その力を正しい事に使う事を…」
~地底(旧都)~
麟「はぁぁぁぁぁ…!」
ブ…ン
ズァオ…!!
バチバチ…
麟が力を開放した時の見た目にこそ大きな変化は無かったが、あたしが戦っていた時とは違い火花や電気が彼の周りでバチバチと音を立てているのが分かった。それにあれが麟の本気なのだと確信もした。
勇「どうやら、あたしはとんでもない人間と戦っていたのかもねぇ…」
パル「あんたよりも化け物じゃない…妬まし…くは無いわね…むしろ恐ろしいわ」
ヤ「キスメ、あの時首を取ろうとしなくてよかったね…」
キ「ほんとにそうだよ…私の首が飛んじゃうよ」
麟「…勇儀」
勇「は、はい!?」
麟「…ありがとう」 フウッ…
勇「ありがとう?なんでだい…あたしはお前の大切な物を傷付ける事を言ってしまったんだよ?」
麟「それのおかげで俺は自分の眠ってる力を解き放つことが出来たんだ。それに、もう気にしてないよ…」
勇「あんた…本気で言ってるのかい?」
麟「鬼は嘘が嫌いなんだっけ?だから俺は勇儀には嘘はついていないよ。全部、本心をちゃんと伝えているんだよ?だから…ありがとう」 ニコッ
勇「えっ…(ズキュン‼)じゃ、じゃあさ麟」 モジモジ
麟「ん~?どした勇儀」
本心を伝え、嘘偽りではないとハッキリと勇儀に伝えたら…何故か勇儀がモジモジし始めていた。
勇「あんたはあたしに勝っただろう?」
麟「うん」
勇「どうだい?あたしと結婚して地底の元締めをやるってのは」
麟「…は?」
キ・ヤ「「え!?」」
パ「勇儀が人間と!?妬ましい…!」 パルパルパル…
「おい!聞いたか!?姐さんが人間に求婚したぞ!!」
「宴会の準備をしろ!!それに赤飯も炊いてこい!!姐さんに男が出来たぞ!!!」
「よっしゃ!さけもありったけかき集めてこい!」
勇儀のとんでもない一言で地底が大騒ぎ状態になってしまった…
麟「待て待て!まだ返事してないし、状況が整理整頓できてないんだけど!?」
勇「ほら、どうなんだい麟♡早く答えておくれよ♡」 グイグイ
麟「…はぁぁぁぁぁ!?」
文「あやや!またまた特ダネスクープ!今回の見出しは『華月麟、鬼に勝利し地底の元締めに!?』で決まりですねぇ!!」 パシャパシャ
俺は星熊勇儀との決闘には勝てた、それはいいんだが…逆に勝ってしまったことで紅魔館並に新しい面倒ごとを作ってしまった気がした。