華月麟の幻想記   作:華月麟

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稗田の屋敷

~稗田家の屋敷~

 

 

コンコンッ

 

小鈴「す、すいませ~ん」

 

ガララッ

 

『あら小鈴さん、それに…そちらの子供は?』

 

扉を叩くと、中から稗田家の使用人が出迎えてくれた。

 

小鈴「こ、この子が阿求さんにどうしても会いたいって聞かなくて…」

 

麟「阿求お姉ちゃんは~?」

 

稗田家の使用人に麟が小さくなったと言っても、信用してくれないというオチしか見えないので、仕方なく阿求に会いたがっている子供のフリをしている麟。

 

『阿求様は自室で幻想郷縁起を執筆しておられます、すぐにお呼びいたしますのでお上がりください』

 

小鈴「あ、ありがとうございます」

 

麟「わ~い♪」

(なんでこんな子供役をやらなくちゃならないんだ…。羞恥心で自爆が出来そうだよ…)

 

 

 

 

~居間~

 

 

カコーンッ

 

『お茶と茶菓子でございます。すぐに阿求様をお呼びいたしますのでごゆっくりとおくつろぎください』

 

小鈴「あ、ありがとうございます」

 

サササッ

 

お茶と茶菓子を出してくれた使用人は、足早に阿求を呼びに行った。

 

小鈴「…はぁぁぁぁぁぁっ、相変わらず仰々しいお屋敷ねここは…。毎回来る度に心臓が止まるんじゃないかってヒヤヒヤするわ…」

 

麟「お茶菓子うま~♪」 パクパクデスワ!!

 

小鈴「…(汗)」

 

麟は呑気に茶菓子を食べながらのんびりとしている。

 

小鈴「それはそうと、さっきの演技…とてもかわいかったですよ?」 ニヤニヤ

 

麟「ブフッ…やめてくれ、そこを掘り下げるのは…」

 

小鈴「阿求お姉ちゃんは~?ですって…可愛い♪」

 

麟「しょうがないだろ?この屋敷の使用人に『色々あって小さくなっちゃった☆』なんて言ったところで信じてくれないだろ?」

 

小鈴「ま、まぁ…私達みたいなそういうのに慣れっこの人以外は信用しないでしょうね…」

 

麟「あはは…」

 

俺達は、阿求が来るまでそんな雑談をしばらく小鈴と交わしていた。

 

 

~数分後~

 

 

ガララ

 

阿「まったく…人が幻想郷縁起を執筆している最中だというのに」

 

彼女の名前は稗田阿求(ひえだのあきゅう)この屋敷の主である。

 

執筆を中断した阿求が、居間へとやって来た。幻想郷縁起という記録を執筆中だったのに、それ作業をストップさせられた事にご立腹のようだ。

 

小鈴「あ、阿求さん、やほ~♪」

 

阿「やほ~♪じゃないわよ!急に屋敷に来るなんて何用よ!?(チラッ)…あら?小鈴、貴女の隣に座っているその子供は…」

 

麟「ん?」 モグモグ

 

阿「その特徴的な耳飾りに首飾り…もしかして、麟さん!?」

 

麟「せいか~い♪」

 

小鈴「へ!?そんな少量の情報だけで麟さんだって分かるの!?」

 

阿「だって麟さんが身についている装飾品は人里でも人一倍目立つのよ?そりゃ一目見れば分かるわよ」

 

小鈴「す、凄いなぁ阿求さんは…。私ですら一目見ても分からなかったのに…」

 

麟「さすがは阿求、俺の記録もしているのは伊達じゃないね」

 

阿「はい♪それで、今回は何用で屋敷に来たのですか?」

 

麟「俺がここに来る理由…阿求なら言わずとも分かるでしょ?」 キランッ

 

阿「(ピキーンッ)つまり…その姿の記録も書かせてもらえるという事ですね?」

 

麟「うん!話が早くて助かる」

 

俺と阿求の初めての出会いは幻想入りしてまだ間もない頃の時だった…。

 

 

 

 

~十何年前の時~

 

 

ガララッ

 

紫「阿求、阿求はいるかしら?」

 

 

スタスタ

 

阿「おはようございます八雲紫様。本日はどのようなご用件でこの屋敷へ?」

 

紫「幻想郷に新しい子がやって来たから、その子の記録もこれからはお願いしたくて来たのよ」

 

阿「幻想郷に新しい子…ですか…。それは一体どのような子なのですか?」

 

紫「麟、阿求にご挨拶なさい?」

 

麟(幻想入りしたての頃)

「(ヒョコッ)…は、初めまして」

 

阿「あら可愛い子(ニコッ)初めまして、貴方のお名前は?」

 

麟「か、華月…麟です…」

 

阿「私の名前は稗田阿求、よろしくね♪」

 

麟「よ、よろしくお願いします…」

 

 

 

 

 

 

 

 

阿「なんだか、あの時の出会いを思い出しますね…」

 

麟「懐かしいなぁ、俺が初めてこの屋敷に来た時の話だろ?」

 

阿「ええ…あの初々しい感じがとてもかわいかったですよ…」

 

小鈴「いいなぁ…私もその時の麟さんを見てみたかったなぁ…」

 

麟「…別に今見れてるんだからいいだろ…。(ボソッ)…それはそうと、この姿に関する記録をお願いしても良いかな阿求」

 

阿「お任せください!」

 

そう言うと、阿求は執筆道具を用意した。

 

麟「じゃあ話すぞ?あれはだな…」

 

俺は、今の姿になってしまうまでの経緯を事細かに話し出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~執筆完了!~

 

 

麟「というわけで今に至るわけだ」

 

阿「ふぅ…以上ですか?」

 

麟「以上です」

 

小鈴「す、すごい…麟さんの記録だけでこんなに分厚いのが出来ちゃうの…?(ズシィ…)お、重っ…!?」

 

阿「うふふ♪麟さんの話を聞いたり記録したりするのは相変わらず退屈しませんね」

 

麟「そいつはどうも。…でも、今回の内容だけは正直〖黒歴史〗並に最悪だけどね」

 

阿「あはは…それは災難ですね…」

 

小鈴「(ペラッペラッ)へぇ…麟さんって色んな姿になれるんですね」

 

麟「あれ?小鈴は俺の変身形態ってみた事無いんだっけ」

 

小鈴「いつもは阿求さんからの口頭説明でしか聞いた事無いので…見た事無いですね」

 

麟「なら、今度身体が元に戻ったら見せてやるよ」

 

小鈴「本当ですか!?やったぁ!」

 

阿「わ、私も見たいです!」

 

麟「もちろん、阿求にも見せるよ」

 

阿「やったぁ♪」

 

 

こうして俺は阿求の屋敷での用事も無事に終わらせることが出来た。

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