華月麟の幻想記   作:華月麟

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お久しぶりです、師匠!

~守矢神社前階段~

 

 

椛「着きました。後はこの階段を上っていけば、守矢神社はすぐそこですよ♪」

 

 

デェェェェェェェェェンッ!!

 

依姫の前に立ちふさがるは、数十段以上もある長い長い階段である。

 

 

依「…博麗神社もそうでしたが、神社という建物の手前には必ずこのような階段があるのですか?」

 

椛「う~ん…命蓮寺というお寺の前にもこんな感じの階段はあると思うので、当たり前なんじゃないですか?でも例外もあると思いますけど」

 

依「足腰を鍛えるのには十分ですが…あの山道を登った後にこの階段を登るとなると…気が引けますね…」

 

椛「あはは…。でも、噂によると河童の皆さんが協力して"ろーぷうぇー"というものを守矢神社に設置するらしいですよ?」

 

依「ろーぷうぇー…?なんですかそれ」

 

椛「なんでも一度に沢山の参拝客を上へ運んだり、下へ降ろしたり出来る画期的な乗り物らしいですよ?今はその工事が難航して四苦八苦状態らしいですけど」

 

依「そのろーぷうぇーとやらが出来てからここには来たかったですね…」

 

椛「あはは…私からは頑張ってとしか言えませんね…」

 

依「(顔パンパンッ!)ここでひるんでいては師匠にお会いする事は出来ない!師匠に会う為に、なんとしてでもこの階段を登り切らなくては…!」

 

スタスタ

 

そう言って覚悟を決めると、依姫は長い神社までの階段を登り始めた。

 

椛「お気をつけて~!」 フリフリ

 

依「案内ありがとうございました~!」

 

 

 

 

 

 

~鳥居下~

 

 

ザッ…!!

 

依「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…なんとか登り切れたわ…」

 

ようやく地獄の階段を登り切り鳥居の下まで到着したがが、既に依姫は満身創痍状態である。

 

依「あ、後もう少しで師匠に会える…頑張るのよ私…!」

 

スタスタ…

 

守矢神社に行けば師匠に会える!その情報だけを糧にして、依姫は気合で残りの守矢神社までの道のりを歩きだした。

 

 

 

 

 

 

~守矢神社~

 

 

サッサッサッ

 

早「ふふふ~ん♪」

 

早苗は今日もご機嫌なご様子、鼻歌を歌いながら境内の掃除をしていたが…

 

ヒュゥゥゥゥ…

 

早「(ブルブルブル…!!)うぅぅっ…寒いぃぃぃっ…!」

 

まだまだ冬の季節真っ最中の幻想郷。守矢神社は妖怪の山の頂上に位置する場所に建っている建物なので、ここで吹く風は極寒そのものである。

 

 

スタ…スタ…スタ…

 

 

早「うん…?」

 

風音と共に弱々しい足音まで混ざって聞こえてきた。

 

依「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

もちろん皆様はお分かりでしたよね?足音の正体は、地獄の階段を登り切って満身創痍状態の綿月依姫さんでした。

 

早「よ、依姫さん!?」

 

まさかの来客に驚きが隠せない早苗。さすがに月の賢者が守矢神社にまで足を運んでいるのは驚きを隠せないよな。

 

依「ひ、久しぶりね…早苗…(ポックリ)」 チ~ン

・昇天開始

 

早「わーっ!?依姫さぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

 

遂に体力の限界が訪れた依姫は昇天を開始した。

 

 

 

 

 

 

~数分後~

 

 

依「(ゴクッゴクゴクッ…)っはぁ~…生き返ったわ」

 

早「そ、それは何よりです…」

 

あと一秒でも遅ければ、依姫は三途の川を渡っていたであろう。

 

早「そ、それにしても、依姫さんが守矢神社に来るなんて珍しいですね?一体、何用でここまで来られたんですか?」

 

依「霊夢が『あんたの師匠なら守矢神社に居る』って言ったものだから、師匠に会う為に守屋神社まで来たというわけよ」

 

早「そ、それはわざわざここまでご足労いただきありがとうございます」

 

依「それで…師匠は今どちらに?」

 

早「麟さんですか?麟さんは今、湖の方に居ますよ。そこまで案内しますね!」

 

依「わざわざ申し訳ない…」

 

早「いえいえ、困っている人が居たら助ける!これも巫女としての務めですから」

 

依「そ、そう」

 

そして2人は、麟が居る湖の方へと移動した。

 

 

 

~湖~

 

 

カチーンッ

・一面凍っている湖

 

依「おお…!この寒さで湖も全体的に凍っているのね」

 

早「ここは山の頂上に位置する湖ですので、毎年毎年ここはこうなるんですよ」

 

依「この面積の湖が凍る…やはり今は相当寒いのね…。で、肝心の師匠はどこに?」

 

早「えっと、麟さんならこの湖に刺さっている御柱のてっぺんに居ると思いますよ」

 

依「…え?この凄まじい質量の柱のてっぺんに…!?それまたどうして…!」

 

早「なんか守矢神社に朝早く来て『御柱のてっぺんで精神統一してくる』って言ってましたよ」

 

依「さ、流石は師匠…私の予想斜め上を行く御方だ…!私はてっきりここに遊びに来ていたのだと思ったわ。で、師匠はどの柱の上に?」 キョロキョロ

 

早「えっとぉ…(キョロキョロ)…あ、見つけた!」

 

依「え!?どこどこ!?」

 

早「あの柱の上です!」 ビシッ!!

 

早苗が指を差した御柱のてっぺんには

 

 

ヒュゥゥゥゥ…

 

 

麟「…」

 

 

冷たい風が吹きつける中、一切のブレを起こさないで瞑想する麟の姿が確認出来た。

 

依「こ、この冷たい風が吹きつける中で瞑想をしてる…!?しかもなんとも美しい姿勢で…。一体どのくらい程の時間をあの場所で過ごしているのよ…」

 

早「えっと…軽く見積もっても3時間くらい…?」

 

依「さ、3時間もあの場所で…!?」

 

早「あはは・・麟さんって寒さにめっぽう強いんですかね?よくは知りませんが」

 

依「と、とりあえず師匠には申し訳ないけれど…私が来たことをご報告しなければ!(スー…)おーーーーーい、師匠ーーー!!!」

 

 

 

<師匠ーーーー…!

 

 

 

麟「うん…?なんだか久しぶりに聞く声が…(チラッ)って、依姫…!?」

 

依姫の大きな呼び声に反応した麟は、早苗と依姫が一緒に居る光景を視界に入れた。

 

 

依「師匠ーーー!約束通り地上に来ましたよーーー!!!」

 

 

麟「(スー…)すぐそっちに行くから待っててーーー!!」

 

 

<すぐ行くから待ってて―…!

 

 

依「はーーーい!」

 

何この山彦で会話するやり取り光景…おもろ。

 

 

 

 

 

~久しぶり!~

 

 

ヒュゥゥゥゥ…スタッ

 

麟「よう依姫、久しぶり!」

【挿絵表示】

 

 

依「お、お久しぶりです…?」 キョトン

 

麟「ん?どした、そんな不思議そうな目で俺を見て」

 

依「い、いえ!髪を下ろした状態の師匠がなんだか新鮮だなって…」

 

早「そう言われてみると…麟さんの髪を下ろした姿を見るのはなんだかんだで初めてかも!?」

 

麟「え、そうか?」

 

 

依・早「「そうです!」」

 

 

麟「ま、まぁ…普段は紙を縛ってるから無理も無いか…アハハ。それで?依姫はどうして地上に居るんだ?」

 

依「はい!師匠との約束を果たす為に来ました!」

 

麟「約束?…ああ、『一緒に修行する』って約束した時の話か」

 

依「はい!」

 

麟「律儀なやっちゃねぇ…。でも、久しぶりに依姫の顔が見れてちょっと嬉しいかな」

 

依「はい私もうれし「と言いたいところなんだけど」…え?」

 

 

麟「…依姫、今回お前が月に来る時って1人で来たのか?」

 

 

早「…え?急に何を聞いて…」

 

依「は、はい、博麗神社にまでお姉様に送ってもらった時は1人で来ましたよ…?でも、妖怪の山に来るまでは霊夢、守矢神社の階段前までは椛さんから案内してもらいましね…」

 

麟「と言う事は…今感じている気はその2人のどれでもない…」

 

依「え!?それってどういう意味で…」

 

麟「…どうやら、月から地上へ来るまでの間、ずっとお前の後を付けている者が居たらしいな…」

 

依「えっ…!?」

 

早「月から地上にまで、後を付けていた……!?」

 

 

ザッ!!

 

?「その通りよ!」

 

 

依・早(ビクゥッ!?)

 

麟「誰だ!」

 

 

遂に、依姫をストーカーしていた犯人が姿を現した!




月に季節という概念はあるのかしら
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