?「依姫様!貴女のような御方が、何故下賤な人間を師匠に選んだのですか!?」
依「サ、サグメ様!?」
麟「…誰だあいつ?」
依「私と同じ、月の民の1人です…」
麟「…へぇ?」
容姿は銀髪で右だけ生えてる翼が特徴的だな。…蜃気楼の鳥形態にそっくりだな?
麟「で?月の民のあんたが何しにここへ来た…?少なくとも友好的な雰囲気は感じられないようだが…」
サ『(スッ カキカキ)依姫様をたぶらかした罪深き人間!お前はこの私が始末してやる!』
早「…え?」
サグメと呼ばれる女性は突然口頭で話す事をやめ、筆記による会話をし始めたのだ。
麟「…ちょっと待ってね?えっと…依姫さん?」
依「は、はい!」
麟「なんかあの人が突然、口頭で話すのをやめて筆記会話をし始めてるんだけど…何故?」
依「ああ…それはあの方の能力が原因なんですよ…」
早「能力が原因?えっと、サグメさんでしたっけ?」
サ(コクリ)
早「失礼ですが…貴女の能力を聞いてもいいですか…?」
サ『(カキカキ)私の能力は〖口に出すと事態を逆転させる程度の能力〗だ』
麟「事態が逆転…つまりは物事を反転させられるってわけか!」
まるで正邪のような能力をしているな…。
依「そうなんですが…彼女の能力には難点がありまして…」
麟・早「「難点??」」
依「サグメ様本人が、事象の当事者に対してその事象について語らなければいけない。
逆転する事象は選べない。都合の悪いことも良いことも同時に反転する。
すでに起きたことを書き変えられるわけではなく、あくまで〖運命の車輪〗≒〖流れ〗を変えることしか出来ない。
言った事と正反対の事が起きる能力ではない。
あくまで事象に対して〖語ること〗が運命反転のトリガーであり、どんな内容を言ったかは関係無い。
と言った具合でしょうか…?」
麟「ごめん、チョットナニイッテルノカワカラン」
早「(プシュ~…)えっと…なんでしたっけ?」
あまりにも難しい内容だった為、依姫の説明してくれた内容が一ミリも入ってこなかった…。
依「えっと…もっと簡単に表現するなら…あ!ではこれならどうですか?
サグメ様の能力は単なる〖噂話の具体化〗ではなく〖作り話と判っている内容が具現化する〗という本質を持っていて、〖こうなるかもしれない〗という信憑性のあるもの以上に、都市伝説の様な明らかなフィクションこそ実体化し得るという能力。
どうですか?多少は分かりやすくなったとは思いますが…」
麟「う~ん…つまりは信憑性のある作り話が具現化するって事なのかな…?やっぱり天邪鬼に近いものを感じるぞ?」
早「えっとぉ…まだ分からないんですが…」
麟「要は幻想郷に居る妖怪と同じだよ。妖怪ってのは、人間達の噂によって具現化した存在でもあるからね」
早「なるほど…つまりは作り話で生まれた妖怪が、あの人の手にかかれば現実のものになる…的な感じですかね?」
麟「まあ、そんなもんだろうな」
依「ええ、大体はそんな解釈で良いですよ。しかし…本当の問題は〖能力自体をサグメ様が制御出来ない〗という所にあるんですよ…」
麟「ええ…?てことはサグメさんが軽はずみに喋ってたら何かが起こる可能性があるって事なのか!?」
依「はい、だからサグメ様は基本的に筆記で会話を交わすんです…」
こいつは…フランやこいし、さとりのように努力すれば力を制御出来るとかの問題でもないのか…?いずれにせよ、下手に喋らせれば厄介な事になるな…。
サ「…」 ジーッ
早「り、麟さん…あの人が貴方の事を凄い剣幕で睨んでますよ…?」
麟「えー…俺、何かやっちゃったかな?えと…サグメさんだっけ?何しにここへ来たのか説明してもらおうか?」
サ『(カキカキ)お前は依姫様を…いや…綿月姉妹をたぶらかし、月と地上に友好関係を築こうとした…そうだろう?』
麟「…それがどうした」
サ『(カキカキ)穢れの象徴である地上との友好関係なんて言語道断!綿月姉妹をたぶらかした罪…貴様の命とこの地上に生きる全ての命で償わせてやる!』
早「…なんですって!?」
依「サグメ様!?そんな事はしてはいけません!今の民達はそんな事を望んではいません!」
サ「まだ分からないのですか!?全ては貴女が悪いのです依姫様!貴女がその人間を師匠にするなど前代未聞!今までの月の民達の思想を180°反転させてしまうような事なのですよ!!?」
・感情が昂ぶり言葉を発す
依「そ、それは…。…それでもこの方は私の師匠です!誰が何と言おうと、私の師匠です!!」
麟「…依姫」
サ「くっ…ならば今こそ地上の生命浄化計画をこの手で始動させるのみ!!」
麟「…(ピクッ)生命浄化計画だと?」
サ「「地上は穢れの象徴!依姫様が手を下さぬと言うのなら…この私が、稀神サグメが直接手を下すまでだ!!!」」 ギャウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!
依「おやめください!第三次月面戦争を再び起こすつもりですか!?」
サ「依姫様が分かってくれないと言うのなら…こうするしかないのですよ!」
グググッ…!!
「「貴様の思い通りにさせるかぁっ!!」」
早・依・サ
「「「!?」」」
ズァオッ‼ ギャウゥゥゥゥゥッ!!! バチバチ…
麟「フルパワー!!」
サ「なっ…!?」
ビッ!!
サ「き、消え…!?」
ビッ…!!
サ「…はっ!?」
麟「…」 グググッ…
既に麟はサグメの懐に潜り込み、拳を心臓部にマークしていた。
依「サグメ様、避けてください!!」
サ「っ…!?」
麟「でやぁっ!!」 グワッ…!!
・拳ではなく、脚で攻撃
バギィッ…!!!
サ「ごあぁぁぁぁっ…!?」
麟はサグメの注意力を自分の拳に注視させ、隙が生まれた瞬間に腹部へ蹴りを叩き込んだのだ。
麟「はぁっ!!」 ドゴォッ!!
サ「ぐあぁぁああぁぁっ!?」 ギュンッ!!
そのままサグメは湖の方向へと蹴り飛ばされた。
麟(ドウッ!!)
麟は、逃がすまい!とサグメを追跡。
依「師匠、やめてください!彼女を殺してはいけません!」
依姫は必死に静止するが…
麟「先に宣戦布告したのはあいつだ!だが安心しろ、殺しはしない!!」 ギュァーンッ…!!
麟は殺意だけは否定した。
依「ま、マズい…このままではサグメ様が…!」
早「急いで追いかけましょう!」 ドウッ!!
依「え、ええ…!」 ドウッ!!
2人は急いでこの不毛な争いと止める為に湖へ。
果たして間に合うか!?