華月麟の幻想記   作:華月麟

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義兄としての誓い

麟「早速で悪いんだけどさ、こいしがどうやってその能力を手に入れたのかこいし自身の口で説明してほしいんだ」

 

急な無茶ぶりを頼んでしまった。

 

こ「いいよ~」

 

さ「なっ!?こいし、無理に答えなくていいのよ?」

 

こ「麟が知りたがってるんだから教えてあげないと」

 

麟「すまないなこいし」

 

こ「それじゃあねぇ…」

 

 

~少女、説明中~

 

 

こ「…て感じかな」

 

麟「なるほどな…」

(つまり、能力のせいで周りから嫌われることを知り、サードアイを閉じて能力を封印し、同時に自身の心も閉ざしてしまい、感情も薄くなった。挙句の果てに能力により無意識で行動できるようになったこいしは、あちこちをフラフラと放浪するだけの妖怪となり、夢も希望もない毎日を繰り返している。ということか…)

 

さ「覚妖怪は皆から嫌われるんです…能力ゆえに」

 

麟「なるほどな… お前もフランにそっくりだよ立ち位置が」

 

こ「フランって誰?」

 

麟「俺の義理の妹みたいな存在だ。あいつも昔はずっと1人で生きてたんだよここに来るまで。今のお前はフランにそっくりだよ…昔のな」

 

こ「へ~」

 

麟「こいしはこのままでいいのか?このままじゃ、いつか誰にも認知されなくなって、本当に消えてしまうかもしれないんだぞ?」

 

こ「その時はその時じゃない?別に消えたって誰も見つけてくれないじゃん」

 

さ「そんな事無いわ!私だってこいしを見つけようと努力してるわ!」

 

こ「いっつも仕事と読書ばかりで構ってくれなかったじゃん」

 

さ「そ、それは…」

 

麟「はい、姉妹喧嘩はそこまで。それじゃこいし、俺が必ず見つけてやると言ったらどうする?」

 

さ・こ

「「え?」」

 

俺でも訳の分からない事を言っているのは分かってる。でも、こいしの心を少しでも開かせる為にはこれ以上の最良の案は無いと踏んだ。

 

こ「何言ってるの?お兄さんが私を見つける?ナンデ?何の為に?」

 

麟「これ以上さとりもこいしも泣かせない為…かな?」

 

と、多分納得できないであろう返答をした。

 

こ「よくわかんない…お兄さんが得することなんてないじゃん、なのに…」

 

麟「俺は2人が泣く顔を見なくて済む、さとりはこいしの心配を少しはしなくて済む、そしてこいしは自分を見つけてくれる人が出来る…これなら皆、得をするだろ?」

 

こ「貴方に私達の事情なんて関係ないじゃん!部外者のくせに口を出すの!?」

 

さ「こいし!やめなさい!」

 

俺はこいしの反論にひるむことなく

 

麟「…ならなんで泣いているんだこいし?」

 

こ「え?」 ポタポタ…

 

こいしは大粒の涙を流していた…無意識のうちに

 

麟「本当はお前だって思っているはずだ…誰にも見つけてもらえないまま死ぬのが怖い、私に気付いて、私を見つけてって… そうだろ?」

 

こ「ううう…そうだよ…怖いよ!皆、私に気付いてくれない!話しかけたり、身体を揺さぶっても反応は無い!だからと言ってサードアイを開けたら、また聞きたくもない皆の心の声が聞こえてくる!だったらサードアイを閉じて今の能力の方がいいもん!」

 

さ「こいし…」

 

こ「お姉ちゃんもお燐もお空も忙しいからって全然構ってくれない!!」

 

お空「うにゅ…」 

お燐「こいし様…」

 

こ「だったらこの能力で消えてしまった方が楽だもん!」

 

…やっとこいしの本音を聞けた。それなら…

 

麟「だったら俺が必ず探し出してやる」

 

こ「…ふぇ?」

 

さ「り、麟さん?」

 

麟「だったら…お前がどこに行こうと必ず見つけ出してここに、お前の家に連れ戻してやる!」

 

こ「嘘だ…そんな事できっこないよ…」

 

麟「いや、必ず見つけてやる!」

 

こ「何でそう簡単に言い切れるのさ!?」

 

麟「フランとも似たような約束したからだ」

 

こ「はぁ…?何よ約束って…」

 

麟「あいつも独りぼっちだった…だから会える時は必ず会いに行くって約束してあげたんんだ…。こいしも同じだ!お前が無意識のうちにどこかへ行ってしまったら必ず連れ戻すと約束する!」

 

こ「本当に…?本当にどこに居ても見つけてくれる…?」

 

こいしの声は震えていた…きっとまだ信用してもらえていないんだろう…

だったら…俺が言うべきことは…

 

麟「お前がどこに居ようと…必ず探し出して見つけてやる!俺はお前を映し出すレンズだ…これでもダメか?」

 

俺は自分なりの覚悟を言った。

 

 

こ「ううん…じゃあさ、もしまた消えたらさ…絶対に見つけてよね?『お兄ちゃん』?」 ギュ~

 

 

麟「おうよ!必ず見つけて…ん?今なんて言った?」

 

こ「え?お兄ちゃん」

 

さ「こいし!?」

 

お燐「あれまぁ~…でもかっこよかったなぁ、さっきの麟…」

 

お空「うにゅ~こいし様が笑顔になって何よりだねぇ」

 

さ「こいし!今日初めましての相手をお兄ちゃん呼ばわりはダメよ?!」

 

こ「なんでよ~?だって私の為に真剣に怒ってくれたんだよ?私にとってはお兄ちゃんみたいなものだよぉ!」 ギュウ~

 

さ「す、すいません…一回こう言うと聞かなくて…」

 

麟「アハハ…フランにほんとにそっくりだよ…そういうところも。あ、別にさとりも同じように呼んでくれても構わないよ」 ニマニマ♪

 

さ「わ、私は呼びませんよ!///」

 

こ「ほんとは呼びたいくせに~♪私みたいに甘えたいくせに~♪」

 

さ「こ、こいし!///」

 

こ「きゃ~♪お兄ちゃん助けて~お姉ちゃんに怒られる~♪」

 

麟「こらさとり!妹には優しくしなさい!それともっと構ってあげなさい!」

 

さ「ウッ…分かりました…」

 

お燐「さとり様が負けた!?」

 

お空「うにゅ?」

 

 

まさか地霊殿まで来て、紅魔館と同じような出来事に巻き込まれるとは思ってもみなかったけど…また自分やフランと同じような孤独に生きていた子を助けることが出来たから良しとしよう。

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