華月麟の幻想記   作:華月麟

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月を裏切った玉兎達

サ「お、お前達…こんな所で何をしているの!?」

 

清蘭「そ、それはこちらのセリフですよ…!?」

 

鈴瑚「どうしてお二方がこちらにおられるのですか…!?」

 

 

とりあえず、2人の玉兎紹介と行こう。

 

まずは、浅葱色(あさぎきろ)のおさげが特徴的な玉兎から。彼女の名前は清蘭(せいらん)、イーグルラヴィ所属の尖兵である。

 

次にロンドのボブカットで茶色いハンチング帽を被っている玉兎が鈴瑚(りんご)。彼女も清蘭と同じイーグルラヴィ所属の玉兎ではあるが清蘭とは違い、情報管理という閑職を担っている。

 

 

麟「…え、どういう状況?」

 

麟は現在の状況から置いてきぼりにされ、チンプンカンプン状態。

 

依「あ…師匠には教えていませんでしたね…。この玉兎達は〖イーグルラヴィ〗という地上の調査部隊所属の者なのです…」

 

麟「つまりはこいつらは団子を売りながら地上調査をしてるって事か?」

 

依「恐らくは…」

 

麟「凄いな…」

 

まさか地上を調査するために月からそんな部隊が送られているとは思わなんだ…。

 

鈴瑚「え?地上の調査?あはは!そんなもん、私達はやってませんよ!」

 

麟「へ?」

 

清蘭「私達はただ純粋にお団子を人里の皆さんに売っているだけですよ!」

 

麟「そ、そうなのか?」

 

2人の玉兎から意外な発言が飛んできた。どういうこっちゃ?

 

鈴瑚「もう私達は月の玉兎なんかじゃない、地上の妖怪兎ですよ!」

 

依「な…!?」

 

清蘭「それに月なんかよりこっちの方が楽しいですからね!」

 

サ「なに…!?」

 

そして更に意外な発言も飛んできた。〖自分達はもう月の関係者ではない〗とハッキリ宣言したのだ。…しかも月の賢者が2人も居る前で。

 

依「お、お前達…自分が何を言っているか分かってるのか!?」

 

サ「それに…イーグルラヴィを離反すると言うのか…!?」

 

2人の賢者は玉兎達の発言に戸惑いを隠せなかった。それもそのはず、地上を調査するはずの玉兎達がその調査部隊を離反し、尚且つ月からも離反して地上の妖怪達の一員になるとまで宣言してしまったからだ。

 

麟「2人共…月を離反するのは構わないが、月の都に未練は無いのか?」

 

鈴瑚「未練?はんっ…別に今の私達には月へ対する未練なんてこれっぽちもないですよ?」

 

清蘭「ふんっ…私達をこき使うだけ使って、更にはぞんざいな扱いをするだけの場所が月の都…。そんな場所なんかに今更未練なんて…あるわけないじゃないですか」

 

2人は月を鼻で笑いながら、自分達が如何に酷い扱いを受けて来たかを話した。

 

麟「はぁ…今まで月の民達が玉兎達を駒のように扱ってきたのが原因なんだろうな…。そりゃ月の玉兎達の数がだんだん減少しているわけだ…」

 

清蘭「ええ、私達は毎日毎日辛い訓練や過酷な任務をこなしているというのに大して賃金は高くないし、日々の食事はマズいし…」

 

鈴瑚「おまけに我々玉兎達を常に格下扱い。そして貴方がさっき言ってくれたように、我々を捨て駒扱い、そんな場所なんかに誰が戻りたいんですかね?」

 

もはや言いたい放題の玉兎達。

 

依・サ「「…」」

 

月の賢者の2人にはどうやら心当たりしかないようで、うつむいてしまっていた。

 

麟「まあ…これを機にしっかりと反省して、玉兎達の待遇を改善する事を強くおすすめするよ。このままだと本当に月から玉兎達が逃げ出すぞ?」

 

依「うっ…それだけは絶対に避けなくては…」

 

サ「月に戻ったら、早急に玉兎達の待遇改善をしなくては…」

 

どうやら2人は今現状の問題点をしっかりと受け止めたようだ。

 

 

麟「…あ、今更だけど自己紹介が遅れたな。俺は麟、華月麟だ」

 

清蘭「私の名前は清蘭です!」

 

鈴瑚「私は鈴瑚、どうぞこれからよろしく」

 

麟「ああ、これからよろしく。…!(ピコーンッ!!)そうだ、お前ら2人に少しだけ言いたい事がある」

 

清蘭・鈴瑚「「言いたい事?」」 キョトン

 

 

 

 

 

「幻想郷へようこそ、2人共。歓迎するよ」

 

 

 

 

 

清蘭「…!(ニコッ)ありがとうございます!」 ペコリ

 

鈴瑚「にししっ♪悪い気はしないね?♪」 ニパッ!!

 

 

麟に歓迎の言葉を贈られた2人は満面の笑みを見せた。

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