華月麟の幻想記   作:華月麟

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出会ってはいけない者同士と緩衝材・2

オォォォォォォォォォォォォッ…

 

 

純「…綿月依姫」

 

依「純狐!今すぐ師匠を離せ!さもなくば(チャキッ)実力を行使させてもらう!」

 

依姫は新調した刀を構え、臨戦態勢へ。

 

麟「げぇっ!?刀ぁ!?」

 

依「師匠!すぐにお助けいたしますので!」

 

依姫は戦う気満々である。

 

ヘ「純狐…どうするつもり?」

 

純「決まっているでしょう…?」

 

ヘ「あら、そうなの?」

 

純「ええ…」

 

麟(ゴクリ…)

 

麟はその言葉に息をのんだ…。

 

 

純「そこの玉兎2人、おすすめのお団子はあるかしら?」

 

 

清蘭「え?」

 

鈴瑚「あ?」

 

サ「ん?」

 

依「へ?」

 

 

麟・へ

「「(ズコーッ!!)そこは普通に買い物をするんかい!!!」」

 

 

純「え?だってここに来た理由はお団子が目的よ?」

 

麟「いや…そうなんだろうけどさぁ…」

 

へ「凄い形相で月の民を睨むからてっきり戦うのかと…」

 

純「ここは人里…。関係の無い者達を巻き込んではいけません」

 

ごもっともらしい理由だけどさぁ…。

 

麟「というわけらしいので、2人も落ち着いてくれ…」

 

依・サ「「ええ…?」」

 

2人はてっきりここで戦うものだとばかり思っていたのに、純狐本人は闘争の意志は無いと言うので驚愕と混乱をしていた。

 

 

~お団子購入!~

 

 

清蘭「ま、毎度ありがとうございました!」

 

鈴瑚「ま、またごひいきに!」

 

 

 

麟「ふぅ…無事に団子が買えて良かった…」

 

純「ごめんなさい息子よ…。私のせいでお騒がせしてしまったようで…」

 

麟「ほんとだよ!?俺は貴女の過去を知っているから、2人と鉢合わせた時はもう終わったと思ったんだからね!?」

 

 

<プンスカブーブー!!

 

 

純(シュン…)

 

愛しの息子にガチ説教をされてしょぼーん純狐が出来上がってしまった。

 

サ「…えっと」

 

依「これは一体どういう事か説明をしてほしいわ…」

 

月の賢者はまだ現状を理解しきれていないご様子。

 

へ「(モグモグ)見ての通りよ。純狐と麟ちゃんは知り合いよいうか義理息子みたいな?「義理息子なんかじゃないわ、本当の息子よ!」…だそうよ」

 

サ「は、はぁ…」 モグモグ

 

依「ま、まぁ…敵対意思が無いのであればそれで良いのだが…」 モグモグ

 

ピ「お団子美味しい~♪」 モグモグ

 

麟「あ、みたらし団子うま!」 モグモグ

 

せっかく買った団子が硬くなってしまうので、皆で一緒に食べる事とした。

 

 

純「本当にお騒がせして申し訳なかったわ、綿月依姫」 ストン

・依姫の隣に座る

 

依「い、いえ…しかし気になるのは…今まで月に恨みを抱いていた貴女が、どうして私達を見ても殺そうとしなかったのかだけ聞かせてほしいわ」

 

純「ふっ…理由は簡単、我が息子と約束したからよ」

 

依「師匠との約束…?」

 

純「『恨みを捨てて、今を面白おかしく生きろ』と言われたのよ」

 

依「師匠が…貴女に?」

 

スタスタ

 

麟「俺、んな事言ってたっけ?」

 

純「あら息子よ、どうしたの?」

 

麟「ん?ちょいと母親の膝でも借りようかと」

 

純「(ズキューン!!♡)かもーん!!!♡」 ポンポン

 

純狐は麟に『膝に座りなさい』と催促。

 

麟「(ポフンッ)にしし♪」

 

純「このままお持ち帰りしたいわ(ギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ)ダメかしら?」

 

麟「この後も用事があるのでダメっすねぇ」

 

純「なら今のうちに堪能しないと…」 ギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ

 

依「…(汗)」

 

依姫はあっけにとられていた。今まで月の都を何度も襲撃していたあの恐ろしい純狐が、今では麟の虜になっており、尚且つ麟には頭が上がらない様子だったからだ。

 

麟「依姫、良い事を教えてやる。よく聞け」

 

依「は、はい…!」

 

 

麟「誰にでも純狐さんやサグメみたいに変われるチャンスは必ず存在する。お前が今の月の民達や玉兎達に頭を抱えるのも分かるが…でもいつかは自分の考えを皆が理解してくれて、地上と月が共に歩める日がやって来る、俺はそう思うね」

 

 

依「師匠…」

 

麟「もちろん、中にはその思想を拒絶する奴もいるさ…そん時は最終手段〖実力で分からせる〗だな」

 

依「はい!」

 

純「あらあら…息子は綿月依姫と随分親しい仲なのね?」

 

麟「そりゃ…依姫は俺の弟子だからね」

 

純「あら…地上人を嫌っていた依姫が地上の民を師匠に選んだとは、どういう風の吹き回しかしら?」

 

依「…私は月で師匠に負けました…。そこで私は理解したのです…地上には私の想像をはるかに超える人間が居るのだと。それを学ぶために弟子にさせてもらったのです」

 

麟「俺なんかから学ぶことってあると思う?」

 

純「う~ん…慈愛と慈悲?」

 

麟「…俺に慈愛と慈悲なんてあるか?」

 

依「サグメ様を救ってくださったのが良い例になりませんかね?」

 

麟「…なるほど?」

 

ピ「(トテトテ)ねえねえ兄ちゃん!」

 

麟「ん?どしたピース」

 

ピ「一緒にやってほしい事があるの!」

 

麟「いいよ?純狐さん、そろそろ失礼」

 

純「はいはい♪」

 

麟「(スタッ)それで?何をしたいの」

 

ピ「あのねあのね!♪」

 

クラウンピースは楽しそうに麟とやりたい事について話し出した。

 

 

<キャッキャッ♪

 

 

依「…ふふっ」

 

純「あら依姫、息子達を見て笑うなんてどうしたの?」

 

依「師匠は…本当にお優しい方だなと思って…」

 

純「そう…。でも息子は一度だけ、闇に呑まれてしまった事があるわ」

 

依「し、師匠が…!?」

 

純「私の純化エネルギーが、息子の闇を引き出してしまったの…。そのせいで、息子は1週間も昏睡状態に陥ってしまった…」

 

依「師匠が1週間も…」

 

純「全ては…私が息子を連れて帰りたい、そんな一心で事を起こしてしまったのが悪いの…。でも、眠りから覚めた息子は私 りつつも、優しくこう言ってくれたわ

 

『どれだけ手を伸ばした所で、失ったモノは取り戻せやしない。一度失ったモノは帰っては来ない。でも、これからを楽しく生き続けていたら何かしらを手に入れる事は出来るだろう』

 

とね。その言葉で私は…貴女達や月への恨みを捨てる事が出来たのよ」

 

依「そ、そう…」

 

純「まあ、結局何が言いたいかと言うと、貴女が息子を師匠に選んだのは間違いではない。という事よ」

 

依「…!」

 

純「きっと息子は、貴女をより良い方へと導いてくれるわ。彼なりのやり方で」

 

依「ええ…そうね…!私はただ師匠を信じて、その背中に着いて行くのみ!」

 

純「相変わらず…生真面目ねぇ…」

 

 

 

 

 

 

 

ピ「ご主人様、やっても良いですか?」

 

ヘ「いつでもやって頂戴!」

 

ピ「兄ちゃんは?」

 

麟「ピースに合わせるから、ピースは気にせずやりな♪」

 

ピ「じゃ、じゃあいくよ~?せーの…」

 

 

 

 

麟・ピ

「「イッツ・ルナティックターイム!!」」 バァァァァァァァァァァァンッ…!!

・サタデーナイトポーズ

 

 

 

 

イェェェェェェェェェェェェェェェェェェイッ!!!

 

 

 

 

ヘ「良いわよぉ!!(パシャパシャ!!)そのままポーズをキープして頂戴!」

 

純「息子よぉぉぉぉぉぉっ!!」 パシャパシャ!!

 

 

 

サ「…なんなんだこの寒気が止まらない光景は」

 

依「あはは…」

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