華月麟の幻想記   作:華月麟

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麟のお悩み相談教室・12

カランッ…カランッ…カランッ…カランッ…

 

麟「うん…?」

 

鬼2人の見送りも済ませ、今日のお悩み相談教室を開校したのだが…また聞き覚えのある下駄音がして来た…。え、まさかのカムバックじゃないよね?あとこの幻想郷で下駄を履いてる妖怪って誰が居たっけ!?

 

小傘「(チラッ)あ、あのぉ…」

 

麟「あ?(チラッ)なんだ小傘か」 ホッ…

 

鳥居の後ろに隠れながら小傘が俺に呼びかけて来た。よかったぁ…鬼じゃなかったよ。

 

小傘「わ、わちきの悩みを相談してくれないかな…?」 カランッカランッ

 

麟「もちろん構わないよ。さあさ、上がりな」

 

 

~相談開始!~

 

 

小傘(ソワソワ…)

 

麟「…」

 

改めて思ったけど、本来は人間を守るべき立ち位置の俺が妖怪の悩みを聞いてやるのって…良いんかなぁ…?まあ、人里に迷惑がかからなければヨシかな?

 

麟「…で、悩みってのは何かな小傘」

 

小傘「こんな事を麟さんに相談するのもどうかと思うんだけどさ…」

 

麟「うんうん」

 

小傘「わちき…唐笠お化けだっていうのに、全然人里の皆が驚いてくれないの!!」

 

麟「うんうん。…うん?今、なんつった?」

 

小傘「だから、人里の皆が全然驚いてくれないの!驚かしても皆から『小傘ちゃんおはよう』とか軽い挨拶をされる始末なんだよ!」

 

麟「…それは、単純に小傘が人を驚かすのが下手くそなんじゃね?」

 

小傘「がーん!」

 

麟「その様子だと…逆に人里の皆からは可愛い女の子扱いなのか?」

 

小傘「そ、そんな感じです…」

 

何この相談おもろ。

妖怪が人間を驚かしても驚いてくれないから、人間である俺に相談してくるとか前代未聞…。はたまたは本末転倒じゃね?

 

小傘「真面目にどうしよう!?」

 

麟「どうしようと言われてもなぁ…。皆を驚かして無反応なら、どうしようもないんじゃない?ていうか、別にちゃんと飯を食えば腹は満たされるんだろ?それでよくね?」

 

小傘「確かに普通ににご飯を食べればお腹は膨れるけど…。わちきは唐笠お化けだから、人を驚かせてお腹を満たしたいの!」

 

麟「その発言は聞き捨てならないな…。人間に危害を加えたら俺が始末するけど良いの?」

 

小傘「あわわわわっ!?お、驚かすって言っても危害は一切加えてないからね!?」

 

麟「当たり前だろ…。人間には危害を加えないのがこの世界のルールなんだから」

 

小傘「そ、それでもたまには人間を驚かしてお腹を満たしたいっ…!」

 

麟「う、う~ん…(汗)」

 

こ、このお悩みは解決しても良い案件なのか凄く迷いますねぇ!?下手にアドバイスして、小傘のせいで被害が!なんて事案に発展すれば各方面に迷惑がかかる!どうしたものか…

 

小傘「お願いします!人間にも麟さんにも迷惑はかけないって約束するから!」

 

麟「…今の言葉、信用しても良いのか?」

 

小傘「は、はいっ!この際、唐笠お化けとしてのプライドを捨ててもいいです!」

 

麟「お、お前はそれでいいのか!?妖怪としてのプライドを捨てても良いのか!?」

 

小傘「プライドでお腹は満たされません!」

 

覚悟ガンギマリぃ!

こ、これだけ強い意志で覚悟を決めているなら…俺もそれに応えるしかない!

 

麟「じゃ、じゃあさ、小傘の得意分野って何かある?」

 

小傘「わちきの得意分野?」

 

麟「ああ。小傘の得意な事を逆に利用すれば、皆を驚かせられるかも」

 

小傘「ん~…。あ!わちき、"鍛冶"が得意だよ!」

 

麟「"家事"かぁ…。やっぱり料理が得意なのか?」

 

小傘「料理…?あ、そっちの"家事"じゃなくて、鋼鉄を扱う方の"鍛冶"なんだけど…」

 

麟「あ、そっちの"鍛冶"か、そっかそっか…。…え!?そっちの鍛冶!?」

 

小傘「あ、なんかお腹が膨れた」

 

家事じゃんなくて鍛冶!この見た目で鍛冶が得意とかギャップの差が激しすぎやしませんかね!?

 

麟「ぎゃ、逆になんで鍛冶が得意なのにそれで生計を立てないんだ…?!」

 

小傘「や、やっぱり唐笠お化けとしてのプライドが邪魔をしてるからかな…?」

 

麟「多分、そのプライドを捨てた方が腹は満たされそうだよ?」

 

小傘「否定出来ない…」

 

麟「あ、包丁研ぎも得意なら、それを人里で実際に披露すればいいんじゃない?」

 

小傘「え、包丁研ぎ?確かに得意だけど…それを披露したところでみんな驚いてくれるかな…?」

 

麟「サビッサビの包丁を皆の前で復活させたら…滅茶苦茶驚きそうだけど」

 

小傘「そっか!その手があったのか!」

 

何で人を驚かせるかは、その妖怪の想像力次第ってとこかな?

 

小傘「あとは何かないかな…皆を驚かせる方法」

 

麟「う~ん…あとはいつもの小傘を封印?」

 

小傘「どゆこと…?」

 

麟「いつもはきっと騒がしいくらいに元気だろ?小傘って」

 

小傘「なんか失礼な言い方だなぁ…。事実だけど」

 

事実ならいいじゃねぇか…。

 

麟「…で、いつもの騒がしい小傘を封印して、クールで大人な小傘を披露するのもありかも?」

 

小傘「ええ…?大人なわちきって何さ…」

 

麟「例えるなら幽香さんみたいな?」

 

小傘「幽香さん!わちきのあこがれだよ!」

 

麟「え、そうなの?」

 

小傘「姿を見せただけで場の空気を変えてしまうあのオーラ…わちきの目指すべき人物像はあの人なんだ!」

 

麟「…あれは驚きよりも絶望を与えるオーラだと思うけどなぁ」

 

小傘「でも、あれぐらい凄い妖怪にわちきはなりたい!」

 

麟「…なんか方向性が関わってるような気がするけど、まあいいか」

 

小傘「(ガタッ!!)こうしちゃいられない!早速弟子入りと、鍛冶の腕を鍛えなきゃ!」

 

麟「慌てずにゆっくりとやっていけよ?」

 

小傘「うん!ありがとう麟さん!なんだかわちき…自信が沸いてきた!」

 

麟「そっか、それならよかったよ」

 

小傘「早速行動開始だ~!」 バビュゥンッ!!!

 

麟「またいつでも相談しに来な~!」

 

 

また相談者が嵐のように去って行ったけど…根本的な悩みは解決できたんだからいいでしょう?

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