華月麟の幻想記   作:華月麟

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すやぁ…


地霊殿でおやすみ

飯も食べたし、汗も流してサッパリ!

となればやることはただひとつ!それは…寝ることだ。なんか紅魔館より疲れた気がするのはきっと気のせいだ。

 

スタスタ

 

麟「~♪」 ルンルン♪

 

俺はさとりに用意してもらった部屋へと向かった。

 

~麟の寝室~

 

ガチャッ

 

寝室のドアを開けると…

 

こ「あ、お兄ちゃ〜ん!」 ムギュウ!

 

こいしがスタンバっていた。

あれ?紅魔館のデジャヴを感じるよ?

 

麟「…どうせ、俺と一緒に寝たいんだろ?」 ナデナデ

 

こ「なんで分かったの!?まさか…私の心が読めるの?!」

 

麟「いや、ただの勘」

 

というか、寝室に居るって事はそれ以外ないやんけ。

 

こ「すご〜い♪あ、一緒に寝てもいい?」

 

麟「こいしが一緒に寝たいなら構わないよ」

 

こ「わーい!」

 

ということで、俺はこいしと一緒にGood nightする事になった。

 

でもただ寝るだけではつまらないので、少し話をしてから寝る事にした。

 

 

~約10分後~

 

 

麟「さあ、もう寝ような?こいし」 ナデナデ

 

こ「はーい…おやすみぃ…」 ギュウ…

 

麟「おやすみ…」

 

こいしは、俺の右腕に抱き着いたまま眠りについた。

 

こ「すう…すう…」

 

麟「…」 ナデナデ

 

一方、俺も寝ようとしたのだが…少し目が冴えて寝れなかった。理由としてはこいしとさとりの事を考えていたからだ。

 

麟(さとりの能力は心を読む…こいしにもその能力はあった…。でも能力を捨てた結果、別の能力が覚醒した。もしだ…もしそれが出来るというのならさとりにだって出来るんじゃないのか?…もちろん捨てるんじゃなくて、任意で相手の心を覗く…こいしも自分の意思で無意識を操り、自分の意思で無意識を解除する事は…無理なのか?)

 

さ「…無理でしょうね」

 

麟「ッ!?」 ビクッ

 

いつの間にか、隣にさとりが寝ていた。

下手に声を出すとこいしを起こしてしまうので、小さな声で

 

さ「あ…驚かせたみたいですみません」

 

麟「…どの辺くらいで俺の隣に来たの?」

 

さ「能力が覚醒…辺りです」

 

麟「…結構最初ね?」

 

一言寄越してくれれば良かったのに…

 

麟「俺は思ったんだ。こいしの能力もさとりの能力も訓練をすれば多少は自分の意思で発動出来るんじゃないかって」

 

さ「無理ですよ、私もそう思いましたが出来なかったので」

 

麟「それはやり方の問題だ。さとりの場合は人の多い所で訓練、こいしの場合はまずはコミュニケーションだな」

 

さ「こいしはともかく…私が訓練するメリットはどこにあるんですか?」

 

麟「心を読む力を制御出来ればさ…もっと他人との関わりを増やせないかなって」 ナデナデ

 

さ「…貴方はどうしてそこまでしてくれようとするのですか?」

(赤の他人の手のはずなのに…凄く落ち着く…)

 

麟「俺も昔はひとりぼっちだった…ってのが理由かな」

 

さ「え…?」

 

麟「俺の過去をお前に教えてあげる、いつか知られるよりは自分から教えた方が自分的にも楽だしね」

 

さ「は、はい…」

 

俺は…思い出したくもない悪夢をさとりに隠さず話した。

 

 

 

 

麟「…という事だ。今の俺が居るのは皆のおかげだよ」

 

さ「貴方も…辛い過去を持ってるんですね…」

 

麟「だからだ」

 

さ「え?」

 

麟「だからこそ、俺と似たような悲しみとかを持っている奴と出会うと手を差し伸べたくなるんだ…たとえそれが偽善と言われようとも」

(それが正しいかは分からない…。正しさなんて人のモノサシによって変わるのだから)

 

さ「…それで相手が傷ついたらどうするんですか?」

 

麟「精一杯償うさ、俺のせいならば」

 

さ「そうですか…」

(この人の言葉に嘘は無い…純粋に助けようとしてくれている…私もこいしも。なら私はこの人に賭けてみてもいいのかな…)

 

麟「無理にとは言わない、でもやってみて損は無いと思うってだけだよ。…それじゃおやすみ」

 

目をつぶり、寝ようとした…

 

さ「…みます」

 

麟「…ん?」

 

さとりが小さな声で何かを言った。

 

さ「私、やってみます。貴方の言う訓練を。心を読む力を制御して…私はもっと広い世界を見たいです」

 

さとりは震えながらも、自分の覚悟を話してくれた。

 

麟「…こいしよりも、遥かに辛いかもしれないよ?それでもいいのか?」

 

さ「貴方やこいし…それにお燐にお空だって居ます。辛くなったら助けを求めますよ。私だって一応妖怪なんで」

 

麟「人間みたいな事言うね…?」

 

さ「貴方の何かしらが移ったかな?なんて…♪」

 

麟「そうか…。よし!明日にでも勇儀に相談してみるよ」

 

さ「星熊勇儀…?何故、彼女に?」

 

麟「あいつにお前とこいしの特訓の講師をやってもらおうと思ってね。それに…俺のお願いなら断らないし、あいつ」

 

さ「大丈夫でしょうか…私達は変われますか?」 プルプル…

 

さとりの手は、恐怖で震えていた…。

 

さとりの恐怖を少しでも和らげてやりたい一心で、俺はさとりの手を握りしめた。

 

麟「(ギュウ…)大丈夫、何かあったら博麗神社においで?俺はそこで待ってるから。後、勇儀にはちゃんと説明はする。何があってもいいようにね」

 

さ「信じてます…」

 

麟「もし、宴会とか開く時が来たら教えてくれ。すぐにでも駆け付けてやる。そして近況報告的なのを聞かせてもらうよ」

 

さ「そんなもの開かなくても…貴方ならいつでも歓迎しますよ。麟さ…ううん…」

 

 

「「兄さん」」

 

 

麟「そりゃ凄く嬉しいね…って今『兄さん』って言ったか?」

 

さ「ふふっ…こいしが貴方を〖兄〗として慕う気持ちが私にも分かりました。貴方は、私達姉妹の兄的存在ですね♪」

 

麟「てことは俺は3人の義妹がいる訳だ」

 

さ「さ、3人?」

 

麟「フラン、こいし…そしてさとり…お前だ」

 

さ「兄さんは不思議な人ですよ…初対面のはずなのに初対面な気がしない…」

 

麟「俺なりの取り柄なんでね」 ドヤッ

 

さ「これからも私達、姉妹共々よろしくお願いします」

 

麟「困った事があったらいつでも相談に乗るよ。…乗れる範囲内でしか乗れないけど」

 

さ「ふふっ♪はい♪…それとこいし、貴女起きてるでしょ?」

 

麟「え?」

 

 

こ「ギクッ!?」

 

 

麟「…マジか?」

 

うっわ恥ずかし…どこから聞かれてたんだ?

 

さ「…どこから起きてたのかしら?」

 

こ「…ス、スピー」

 

 

さ「こいし?(冷たーい声)」

 

 

こ「え、えっと…特訓がなんたらとか…」

 

だいぶ序盤じゃねえかこのやろう。

 

麟「こいしも、これからその無意識の能力を制御出来るように…皆に感知してもらえるように特訓して欲しいな」

 

こ「ふふっ♪能力を上手く使えれば、お兄ちゃんを驚かせたり出来るかな?」

 

麟「その前に見つけてやるから無理だろ」

 

こ「むぅ…♪」

 

不貞腐れてるけど、どこか嬉しそうだなこいしも。

 

麟「さあ、寝るよ2人共。明日から早いからな、2人は勇儀と特訓。俺は博麗神社へご帰宅だ」

 

さ「え…明日帰っちゃうんですか?兄さん…」 ギュウ…

 

帰って欲しくなさそうにさとりが強く抱き締め…

 

こ「もっとここに居てよ…」 ギュウ…

 

それに呼応するかのようにこいしも強く…

 

麟「俺が居たら特訓にならないだろ。ていうか本当は勇儀の用事済ませたら帰る予定だったんだから」

 

さ・こ「「えー…」」

 

スカーレット姉妹そっくり過ぎるぞ古明地姉妹も。

 

麟「また遊びに来てやるから心配すんな」

 

こ「約束だよ?お兄ちゃん」

 

さ「約束ですからね…兄さん」

 

麟「約束するって…さぁ寝た寝た!」 ワシャワシャ

 

こ「きゃーっ♪…えへへ、おやすみぃ!」

 

さ「おやすみなさい…兄さん♪」

 

2人はゆっくりと眠りについた。

 

さ・こ「「すぅ…すぅ…」」

 

麟(異変が起きなければ、紅魔館も地霊殿もいつでも行けるんだけどな…幻想郷はそんなに優しくは無さそうな気がするんだ…)

「考えてたって意味無いもんな…寝よう」

 

 

俺もゆっくりと眠りについた…

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