リリーホワイト
「はーるでーすよー!」 ピューン‼
魔「待て―!」 ビューン‼
麟「どこまで行くんだ!?」 ガウッ‼
リリーホワイトを見つけた俺達は彼女の後をずっと追っていた。
彼女の能力〖春を告げる能力〗はその名の通り春を伝えてくれる能力だ。魔理沙の考えでは、リリーホワイトが春を探知して彼女の向かう方向へ自分たちも行けば冥界への入り口が見つかるという考えだった。
…本当に見つかるのか?
魔「リリー!今、幻想郷では春は訪れてないんだぜ?それなのに、どうしてお前はそんなに活発に動けるんだ?」
リリー「そんなの簡単だよ!だって、あそこで春を感じるんだもん!」 ビシッ!
麟「あそこ…?ってなんなんだよ…あれは!?」
リリーの指をさした方向には…
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
雲に大きなくぼみが出来ていた。よく見るとくぼみの先は真っ暗で何も見えない。
そしてさらに目を凝らして、よく見ると桃色のエネルギーのようなものが、くぼみの先へと吸い上げられていた。
麟「あれが…冥界への入り口…なのか?」 ゴクリ…
魔「そうだぜ、恐らくあの先が冥界だぜ!」
そうと決まれば、行くしかない!
麟「よし行くか!」 ギャウッ‼
魔「ま、待てって!」 ギュンッ‼
~冥界の入り口付近~
~♪
・楽器の音が聞こえてくる
キキィィィッ‼
麟「待て。何か聞こえないか?」
冥界へ進もうとしたその時、どこからともなく音楽が聞こえて来た。それのおかげで思わず足を止めてしまった。
魔「ん?ああ、この音は多分あいつらだな」
麟「あいつら?」
?「「「初めまして~!」」」
入り口付近で3人の知らない声が聞こえて来た。
声の方へ目を向けると…
3人共、三角錐状の、返しのある帽子。三角錐の頂点に飾り付き。
白いシャツのようなものの上にベスト状の衣装のような構造の服。ベストは襟と肩部分にフリル付きでスカートを履いている。
見た目は似ているが色は3人とも違っていた。
右から説明すると
ヴァイオリンの方は黒+赤+黄
トランペットの方は薄桃+青+水
キーボードの方が赤+緑+茶
といった感じだった。
麟「誰?」
魔「紹介しよう、プリズムリバー三姉妹だ。右から長女のルナサ。次女のメルラン。三女のリリカだ!」
3人「「「初めまして、プリズムリバー三姉妹です!!」
麟「へぇ…見た感じ、演奏をしてくれる妖精みたいなものかな?」
魔「う~ん…霊夢曰くポルターガイストらしいぜ?でも私達人間には無害で、なんなら演奏の要請をしたら、宴会とかで演奏をしてくれるんだぜ!」
へぇ…人間に無害なポルターガイストって存在するんだな。楽器から生まれたポルターガイストだとしたら、持ち主から相当大切にされたんだな。
麟「それで、君達は何でここに居るんだ?」
ルナ「冥界で宴を開くから演奏してほしいって」
メル「冥界の従者さんに」
リリカ「お呼ばれしちゃいました!」
…これで確信に変わった。幻想郷の春は全て冥界へ奪われているんだ。
この吸い上げられているエネルギーも全部そうなのだろう。
麟「悪いけど、その宴は中止だ」
リリカ「え?なんで~?せっかくお呼ばれしたのに。」
麟「…こっちはこの幻想郷に生きる者達の生命がかかってんだ!!」 ビリビリ…‼
俺はつい、怒鳴ってしまった。あんな事を知ったら落ち着いてなんていられないからな。
麟「はっ…す、すまない…」
メル「もしかして異変なんですか?この宴って…」
魔「そうだ。私達はその異変を解決しに来たんだぜ」
ルナ「そんなぁ…せっかくここまで来たのに」
しょんぼりするのも無理はない。せっかく演奏しに来たのに中止なのだから。
麟「その代わり、この異変が解決したら桜が見れる場所で宴会をすると思うから、そこで思う存分演奏をしてくれないかな?」
リリカ「やったぁ!」
メル「そういうことなら分かりました!」
ルナ「もう一度戻って演奏の練習をしないと!」
ピュ~ン
3人は上機嫌でどこかへ去ってしまった。
麟「ふふ…素直な子達だね。俺より先輩だろうけど…」
魔「それはそうと、さっきの麟はすごく怖かったぜ?」
麟「当たり前だろ、西行妖が満開になったら皆が死ぬ。それを阻止しないとだからな」
魔「それもそうだな…!それじゃ行きますか!」
麟「ああ…!よし…スゥー…ハァー」
俺はまず深呼吸をして緊張をほぐした。
そしてお決まりの一言…
麟「華月麟…行きます!!」 ガウッ‼ ギュンッ‼
魔「お!それいいな!じゃあ私も、霧雨魔理沙…行くぜ!!」 ギュンッ‼
必ず春は返してもらう…待っていろ!