華月麟の幻想記   作:華月麟

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掛かってしまった慧音先生

スタッ

 

麟「さて…そろそろ俺も祭りの屋台飯でも「酒を持ってこ~い!!」…んあ?」

 

 

ザワザワ

 

 

萃「おい狸、この面白そうな飲み比べは私と勇儀も参加しちゃダメなのかい?」

 

マミゾウ

「ふっふっふ…これはわしと仙人様だけの勝負!お主はその瓢箪を貸してくれればいいんじゃよ」

 

萃「えー…」

 

勇「つまらないねぇ…」

 

華「無駄話はそこまでにして、早く呑みましょう?」

 

マミ「そうじゃな!とりあえず…かんぱーい!」

 

 

チンッ

 

ゴクゴク…

 

 

華「ぷはっ…結構イケるわね?」

 

マミ「美味いんじゃが…これはしばらく呑み続けたら飽きてくる味じゃな…」

 

勇「ぶーっ!!!あっはっは!だってよ?萃香」

 

萃「私の酒にいちゃもんつけんな狸!!」

 

華「大丈夫ですよ、そう言うと思って私も酒を用意しています」 

 

ドスンッ!!

 

そう言うと、華扇はどこからともなくある壺を取り出した。

 

マミ「なんじゃその壺は?」

 

華「"道寿"の壺です、こちらもお酒が無限に湧く秘宝ですよ」

 

マミ「ま~た無限に湧くのか…」

 

華「まあまあ、そう言わずに飲んでみなさいよ(ドバドバ)はい」

 

マミ「む…(ゴクゴク…)こ、これは…!?」

 

華「美味しいでしょう?」

 

マミ「こいつはスルスル呑めてしまうのぉ♪瓢箪に飽きたらこっちを飲むとしよう♪」

 

勇「だってさ?萃香」

 

萃「誠に遺憾である…」

 

 

 

経緯は不明だが、マミゾウと華扇によるどちらが酒に強いか大会が始まっていた。

 

 

麟「…楽しそうだけど、後始末が大変そうな勝負だな」

 

主にマーライオンされた後。

 

 

スタスタ

 

 

妹「よう、麟!」

 

慧「や、やあ麟」

 

麟「お、妹紅に慧音さんも来たか。楽しんでる?」

 

妹「それなりにな♪」

 

慧「わ、私もだ…」 サァーッ…

・顔が青ざめている

 

麟「け、慧音さん?なんか顔が青ざめてるけど、体調がすぐれないのか?」

 

妹「ほ、本当だ!?大丈夫か慧音…!」

 

慧「あ、ああ…気にするな…」 フラフラ

 

しかし、慧音は立つのもやっとなのだろうか?ふらついていた。

 

 

ポタッ…ポタッ…

 

 

麟(ん…?何かが滴る音が…)

「(チラッ)…け、慧音さん!?その血だまりはなんだよ!?」

 

妹「血だまり…?(チラッ)おう…!?本当だ!?」

 

慧音の足元には若干の血だまりが出来て上がっていた。

 

慧「き、気にするな…」

 

麟「…ちょいと失礼するよ!!」 ガシッ!!

 

バサァッ!!

 

慧「きゃあ!?///な、何をするんだ麟!?///」

 

妹「うお~!?///大胆な奴!!///」

 

麟は若干の躊躇いをしつつも、慧音のスカートをめくって血だまりの正体を確認した。

 

麟「な、なんだこの痛々しい傷は…!?」

 

確認をすると、慧音の足には何かに襲われて出来たような傷が存在していた。

 

麟「慧音!この傷はなんだ!?」

 

慧「あ、ああ…ここに来る途中、クマに襲われそうになっていた生徒がいてな…その子を救う時に…」

 

麟「なんでこんなお怪我を負った状態で祭りに来た!?」

 

慧「妹紅が楽しみにしていたから…」

 

麟「バカ野郎!?こんな傷を負っておきながらそっちを優先する奴がいるか!?くそっ…!おい妹紅!」

 

妹「は、はいっ!?」

 

麟「今すぐ永琳さんを呼んで来い!おそらくは七夕祭りに参加しているはずだからすぐに見つかるはずだ!俺は神社の中で待ってると伝えろ!」

 

妹「わ、分かった!」 ダッ!!

 

 

「「あうん!あうんは居るか!!!」」

 

 

皆『!?』 ビクッ!!

 

麟が祭りの最中に大声を出すので、参加者全員が驚いてしまった。

 

あ「は、はい!あうんはここにいます!」 ヒョコッ

 

麟「急患だ!今すぐお湯やら応急処置用の救急道具を用意しろ!」

 

あ「わ、分かりました!」 ダッ!!

 

麟「慧音、少し我慢しろよ!」 

 

ダキッ!!

 

慧「え、ええっ!?///」

 

おんぶなんてしている余裕も無いので、麟は慧音をお姫様抱っこ。

 

麟「(ダッダッダッ!!)どけどけどけぇ!急患が通るぞ!」

 

慧「うわぁぁぁぁっ!?///」

 

そのまま全速力で慧音を神社の中へと運び込んだ。

 

 

シーーーーーーーンッ…

 

 

麟が居なくなったことにより、会場は静寂に包まれていた。

 

紫「な、何だったのかしら…?」

 

隠「さ、さあな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~応急処置開始!~

 

 

バッ!!

 

麟は急いで傷の具合を確認

 

あ「うっ…!」 ザッ…

 

その凄惨な傷を見て、あうんは自然と後退りしていた。

 

麟「(サワサワ)痛むか…?」

 

慧「[ズキッ!!]うっ…!」

 

麟「やっぱりな…しかも最悪な事に膿んでやがる…早急な対処をしないとな」 バッ!!

 

麟は永琳を待たずに応急処置を始めようとしていた。

 

あ「永琳さんを待たなくていいんですか…!?」

 

麟「一刻の猶予も無い、さっさと始める!」

 

ビシャッ!!

 

麟は布をお湯で濡らし

 

麟「慧音、今から傷を綺麗にしていく、痛いだろうが我慢してくれよ?」

 

慧「あ、ああ…」

 

ポンポン…

 

なるべく痛みを感じさせないように傷の掃除から始めた。

 

慧「[ズキッ!!]うぁっ…!!」 ビクンッ

 

麟「あうん、何かタオルを持ってきて慧音に噛ませてやってくれ」

 

あ「(ゴソゴソ)こ、これで良いですか?」

 

麟「ああ、それを慧音に噛ませてやれ」 ポンポン

 

あ「け、慧音さんこれを…」

 

慧「(ガブッ!!)んーーーーーーーっ…!!!」

 

どうやら相当の激痛が走っているようだ。

 

麟「よし…掃除は完了、後はこの膿をなんとか…(ピコンッ)あうん、水と何か器を」

 

あ「は、はい!」 ドタドタ

 

あうんは水と器の用意へ

 

ドタドタ

 

あ「も、持ってきました!」

 

麟「ありがと。よし慧音、今から傷口から膿を摘出する…いいな?」

 

慧(コクコク)

 

麟「よし…」 スッ…

・メスを用意

 

 

ピッ…!!

 

 

慧音の傷に切り込みを入れる、すると…

 

 

ドロリ…

 

 

膿が傷口からドロリと溢れ出てきた。しかし、そこまで刺激臭等はしないのでまだ手遅れではなさそうだ。

 

 

あ「うわ…す、凄いですね…?」

 

麟「こっからかなりショッキングな事するから、目を瞑っといた方が良いかもよ」 スッ

 

麟は傷口に顔を近づけると

 

慧「…?」

 

 

カプッ…チュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

 

 

あ「…え?!」

 

慧「ん!?」

 

 

麟(チュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…)

 

 

なんと麟は自分の口を使って膿を吸い出し始めていた。

 

 

慧「(パッ)り、麟!?何をしているんだ!?」

 

麟「っん、ぺっ…!!何って、膿を吸い出ししてる」

 

 

チュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

 

 

慧「だ、だからってそんな…!?」

 

麟「ぺっ…!今はこうでもしないといけないんだよ」 

 

 

チュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

 

 

麟は慧音を無視しながら膿を吸い出していく

 

 

ガララ!!

 

 

永「麟、慧音!待たせて申し訳…って何をしているの麟!?」

 

 

遅れて永琳も到着したが、麟の奇行に驚愕していた。

 

麟「ぷっ…!あ、永琳さん、やっと来てくれたか」

 

永「な、何をしているのよ貴方は!?」

 

麟「見ての通り、膿を吸い出し中」

 

永「そ、そう…協力感謝するわ…後は任せて口をゆすぎなさい…」

 

麟「おう。あ、膿はあらから吸い出したからもう大丈夫だとは思うよ」

 

永「…ありがとう」

 

麟(スタスタ)

 

 

麟は永琳にそう言うと、やるべき事はやったので口をゆすぎに台所へ。

 

 

 

 

 

~処置完了!~

 

 

永「ふう…これでもう大丈夫よ」

 

慧「お、お手数をかけてしまったようだな…永琳、麟」

 

麟「気にすんな♪」

 

30分以上にものぼる慧音の応急処置は、無事に成功したようだ。痛みを和らげるように、右足には強めに圧迫して巻きつけた包帯があった。

 

永「それにしても…膿を直接吸い出すなんて方法、どこで習ったのよ…?」

 

麟「あれだよ、一か所に血が溜まったのを吸い出す為に蛭(ヒル)を使って吸い出すっていうやり方の治療方法を読んだから実践しただけ」

 

慧「そ、そんな方法があったのか…!?」

 

永「確かにその方法は存在するけど…それを人間がやるなんて前代未聞よ!?」

 

麟「足が壊死して切り落とすか否かの瀬戸際だったんだ、手段は選ばないさ」

 

永「た、頼もしいわね…」

 

相変わらず、どこでそんな知識を身に付けて来るのやら…。

 

麟「で、慧音さん?気分はどうかな?」

 

慧「ああ、麟と永琳のおかげですっかり楽になったよ…あうんもありがとうな?」

 

あ「私は麟さんのお手伝いをしただけですよ♪」

 

麟「今日1日、ここでゆっくり休みな?すぐに動くとあれだし…」

 

慧「そうさせてもらうよ…ところで麟」

 

麟「ん?」

 

慧「そ、その…せ、責任は取ってくれるんだろうな?///」

 

麟「責任?なんの」

 

慧「い、いくら傷を治す為に必要な行動だったとはいえ、私のスカートをめくり、人前で姫様抱っこ、挙句の果てには足に吸い付く…!///」

 

麟「いや…どれもこれも慧音さんの為だが?」

 

慧「うるさい!///この私に恥をかかせた責任を取って私と付き合え!///あわよくば私と結婚しろ!!///」

 

麟「はぁ!?」

 

どうやら大いに掛かっているようです。

 

妹「(ヒョコッ)おっと慧音、それはさせないぞ?」

 

慧「も、妹紅!?」

 

妹「(ダキッ)こいつは私が貰うんだからな」

 

妹紅は麟を抱き寄せて挑発するような発言を慧音へ送った。

 

麟「おい、火に油を…」

 

慧「ふっ…それは宣戦布告と捉えていいのだな…?」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

麟(あー…面倒な事になりそう…)

 

妹「ああ♪そのつもりだ」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

永「ふふふ♪麟は本当に人気者ね?」

 

あ「流石です!」

 

麟「見てないで助けて~…」

 

 

妹・慧「「ふふふふふふ…」」 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…バチバチィッ…!!

 

 

慧音を助けたというのに、何故か新たな戦争の火種が出来てしまったのは何故だろうか…?

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