華月麟の幻想記   作:華月麟

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野鉄砲

霊「はぁ…」 ドヨ~ン…

 

華「…(汗)」

 

霊「また被害が出ちゃった…山の中で鉄砲を使う奴なんて山童以外に考えられないのに…」

 

麟「誤認の可能性は?」

 

霊「まさかぁ…?でも…もしそうだとしたら人同士で傷付けあってる、私の出る幕じゃなくなるわよ」

 

麟「それもそうか…」

 

それからというもの、犯人は見つからずに被害だけが拡大している現状であった。

 

ドタドタドタ!!

 

魔「おいおい大変だぞ!また撃たれちまったって!」

 

魔理沙が慌ただしく3人の元へ

 

霊「んなもん分かってるわよ、里の人達からひっきりなしにそれを突っつかれるんだから…」

 

魔「ちげーよ!今度は山童が撃たれちまったんだよ!」

 

麟「なにぃ!?」

 

魔「サバイバルゲームに参加していた山童の1人がゲームの最中に撃たれたらしくて、あいつらも今はゲームを中断して大騒ぎだぜ!」

 

霊「そんなぁ…山童だって妖怪よ?でもこうなると犯人の見当がつかないわね…」

 

華「…!ああ…」

 

麟「華扇、何か分かったか?」

 

華「…ちょっと思い当たる節がありますね。霊夢、被害者の居場所を教えてはくれないかしら?」

 

霊「え?良いけど…」

 

 

 

 

 

 

~人里~

 

 

スタスタ

 

麟「なんで急に被害者の家に?」

 

華「どんな傷を負っているのかを確認したいのですよ」

 

麟「なるほどな」

 

被害者の住所を霊夢から教えてもらった華扇達は、被害者が実際にどんな傷を負っているのかを確認すべく、被害者の家へと向かっていた。

 

 

 

 

 

 

 

~阿求の屋敷~

 

 

華「霊夢の教えてくれた住所だと…ここね」

 

麟「…マジか」

 

霊夢から教えてもらった住所は…まさかの阿求の屋敷であった。

 

麟「まさか阿求ん家の者がやられるとはな…」

 

華「あら、ここの家主とお知り合いで?」

 

麟「俺が幻想入りしたての頃からな」

 

華「へぇ…長い付き合いなのですね」

 

麟「まあな」 スッ…

 

 

コンコンッ

 

 

麟「ごめんくださいな~」

 

 

ガチャ…

 

 

『はい、どちら様でしょうか?』

 

麟「ども、お久しぶりです」

 

『あら、華月様!お久しゅうございます(ペコリ)そちらの方は…』

 

華「初めまして、茨木華扇です。(ペコリ)今回、こちらの者が銃に撃たれたと聞きまして…」

 

『え、ええ…現在は安静にしておられますが…何か?』

 

麟「少し、傷を見せて欲しいんだ」

 

『傷を?』

 

麟「今回の事件には、どんな傷を負ったのかを確認しないと話が始まらなくて…」

 

『かしこまりました、どうぞおあがりください』

 

麟「お邪魔しあ~す」

 

華「お邪魔しました」

 

従者の許可を得て、麟達は被害者の元へ

 

 

 

『てててて…き、傷を見せればいいんですね…?』

 

麟「ああ、少し見せてくれないか?」

 

『わ、分かりました…』

 

 

シュルシュル…

 

 

華「こ、これは…!」

 

被害者の首元辺りに出来ていた傷は、銃弾で出来た傷というよりかは…

 

麟「…こいつは咬傷だな、銃弾じゃない」

 

何かに噛まれたような傷跡が出来ていた。

 

華「本当に銃声を聞いたのですか?」

 

『ほ、本当です…!この傷が出来る直前に銃声を聞いたのです…!』

 

麟「とは言ってもなぁ…銃弾だったらぽっかり穴が開いていてもおかしくはない。…でもこの傷はどう見ても噛みつかれたような痕だ…となると」

 

華「…銃声を鳴らせる存在。…あ、そういう事ね」

 

麟「華扇、その感じだと…」

 

華「ええ、多分あれで間違いないですね」

 

麟「なんか分かったってわけか…よし、見せてくれてありがとう。この事件は必ず解決する」

 

『よ、よろしくお願いいたします…!』 ペコリ

 

 

スタスタ

 

阿「何か分かったようですね、麟さん」

 

 

麟「お、久しぶり阿求」

 

阿「えっと、そちらの方は…」

 

華「初めまして、茨木華扇です」

 

阿「初めまして(ペコリ)それで…どうですか麟さん?この事件は解決出来そうですか…?」

 

麟「ああ、華扇が何か分かったっぽいからすぐにでも解決できるだろうぜ」

 

阿「よかった…どうかよろしくお願いいたします華扇様」

 

華「ええ、任せて頂戴」

 

麟「あ、そうだった(ゴソゴソ スッ)これ、永琳さんから貰った塗り薬、この人に塗ってあげな」

 

阿「何から何までありがとうございます…」

 

麟「あとはよろしくな阿求」 スッ…

 

 

ポンポン…

・頭を優しく叩く

 

 

阿「は、はい…///」

 

華「…ナンパしてないで早く行きますよ」

 

麟「ナンパなんてしてねぇわ!んじゃ、またな阿求」 フリフリ

 

阿「ま、またいつでもどうぞ♪///」 フリフリ

 

今回の事件を解決すべく、阿求の屋敷を後にした2人はまたまた山へ。…あと何回、山へ行くのやら。

 

 

 

 

 

 

~山奥~

 

 

華「はぁ…やっぱり貴方達の仕業だったのね…?」

 

麟「こ、これがあの銃声の正体なのか…!?」

 

華「ええ、そうです」

 

銃声の正体は…

 

 

狸達

(プルプル)

 

 

若干年老いている狸達だった。

 

麟「まさか狸が犯人だったなんて…」

 

華「彼等は妖怪〖野鉄砲(のでっぽう)〗。見た目こそ狸に見えますが、実は狸に似た妖怪なのです」

 

麟「あ、狸じゃないのね!?」

 

華「ええ。で、野鉄砲というものはですね…このマミという動物が野鉄砲に変化して、出会い頭目つぶしを鉄砲のように発射して攻撃する妖怪なのです」

 

麟「へぇ?でもなんで野鉄砲なんて妖怪に変化してしまったんだ?」

 

野鉄砲

『ポンキュウ…』

 

野鉄砲達は、動物の言葉が分かる華扇に事の経緯を説明。

 

華「…ああ、山童のサバイバルゲームに触発されて自分達も野鉄砲になってしまったと。で、山童達が楽しそうにサバイバルゲームをしていたから、つい自分達も攻撃を…」

 

野鉄砲達

(コクコク ペコペコ)

 

野鉄砲達は申し訳なさそうに頭を下げた。なかなかに賢い妖怪だ。

 

麟「山童の余計な行いがこいつらの闘争心を搔き立ててしまった…ってわけだ。…でもそれはそれ、これはこれだ。人間を攻撃してしまったからにはそれ相応の罰を与えなくてはならない」

 

野鉄砲達

(プルプル…)

 

華「ちょっと…!そこまで怯えさせなくても…」

 

麟「事実は事実だ。でも今回の件、主な原因は山童にある…あいつらに責任は取らせよう」

 

華「…つまり?」

 

麟「山童達が銃を撃ってしまった事にしてしまおう」

 

華「なるほど…そうすればこの子達も退治されずに済みますね」

 

麟「でも、被害者達にはちゃんと詫びの品を…」

 

 

「ちょっと待った~!」

 

 

麟「…おん?」

 

 

マミ「「とおっ!」」 シュタッ!

 

 

麟「マ、マミゾウさん!?」

 

どこからともなくマミゾウ登場!何しに来た?どこまで聞いていた?

 

華「げっ…何しに来たのよ敗北者」

 

マミ「敗北者じゃと…?取り消さんかい今の言葉ァっ!!」

 

麟・華「「いや、負けたのは事実でしょ」」

 

マミ「shut up!!」

 

麟「で?マジで何しに来たのさ」

 

マミ「なぁに♪偶然ここを通りかかったら面白そうな話をしているからのぉ?」

 

華「…茶化しに来たのなら帰ってもらえるかしら敗北者」

 

マミ「その不名誉な名前でわしを呼ぶな!っと話がそれたのぉ…この野鉄砲とやらの責任、わしが取ろうではないか」

 

麟「…はぁ!?なんでマミゾウさんが!?」

 

マミ「こやつらの見た目はわしら狸とそっくりじゃろう?だからわしの監督不行きという事にすれば、山童共もこやつらも何の被害は受けんじゃろうて」

 

華「あら、随分と気前が良いのね」

 

マミ「わしも同胞が退治されるのは見とうないからの…。どうじゃ麟と華扇、悪くない話じゃろ?」

 

華「…まあ私は動物達が退治されなければそれでいいけど」

 

麟「俺も、悪くは無いけど…山童にもそれなりの責任は取らせないとじゃん…?」

 

華「じゃあこうすればいいのでは?マミゾウが今回の責任を取ってくれるから、事の発端を起こした要因でもある山童達はマミゾウにお礼の品を用意させる、というのでどうでしょう」

 

麟「うん…それが一番だな。じゃあマミゾウさん、頼める?」

 

マミ「任せておくんじゃ!」

 

麟「でも、マミゾウさんに貸しを作りっぱなしは嫌だから何かお礼させてよ」

 

マミ「それは、なんでも良いのかの?」

 

麟「おうさ!」

 

マミ「じゃあ…明日の夜、わしと一杯付き合ってもらおうかのぉ♡」

 

麟「うん!いいよ!」

 

マミ「よし決まりじゃ!さあ野鉄砲達よ、わしについて来い!あの太陽に向かって走るんじゃァ!!」 ドタドタドタ!!

 

野鉄砲達

『キュウ~!!!』 ドドドドドドドドド!!!

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドド…

 

 

華「…最後まで騒々しい奴ね」

 

麟「ははっ♪」

 

 

こうして今回の銃声事件は、マミゾウが野鉄砲達に代わって責任を肩代わりするという形で幕を閉じたのだが…

 

 

霊「ぐぬぬぬぅ…!!」 イライライラァ…

 

麟「…(汗)」

 

霊「なによマミゾウの奴!『今回の件、わしの監督不行きのせいで迷惑をかけた!』って!子分達の躾くらいちゃんとしなさいっての!まったくもう…あー無駄骨だったぁ!!!」 グデーン!

 

麟「ははは…お疲れ様、霊夢」

 

 

色々と一杯食わされた霊夢は、はらわたが煮えくり返っていた。

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