華月麟の幻想記   作:華月麟

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邪龍

保護した白蛇を飼育する為に地霊殿に住み着いてから、約2週間が経過していた。

 

 

白蛇(ツヤツヤ)

 

麟「…この2週間足らずで、随分と美人になったな?」

 

お燐「なんか日に日に艶が良くなっているねぇ」

 

新鮮なネズミを毎日のように捕食していた影響なのだろうか?白蛇に身体は、見惚れてしまうくらいに美しい艶が発生していた。

 

白蛇『シャーッ♪』

 

麟「それもこれも、お燐が毎日新鮮なネズミを捕獲してくれてるからだな」 ナデナデ

 

お燐「うにゃあ…♡」 トロ~ン♡

 

さ「お燐がネズミを捕獲し続けているおかげで、旧都でのネズミ被害は格段に減りましたね」

 

麟「それもこれも、この白蛇が食ってくれてるおかげでもあるな」

 

白蛇『シャーッ』

 

麟「あ、そうだ(ゴソゴソ スッ)これ、お前にやるよ白蛇」

 

キラキラ…

 

麟は何かを思い出したかのように胸ポケットをまさぐり、キラキラとした何かを取り出した。

 

白蛇『…!』

 

お空「何それ綺麗!」

 

こ「お兄ちゃん、それ何?」

 

麟「この前退治した龍の核か肝?」

 

さ・お燐「「龍!?」」

 

こ「地上でなんかあったの?」

 

麟「人里に被害をもたらした龍を退治したら手に入った」

 

こ「なんかあったんだね…」

 

麟「白蛇、食うか?」 ス…

 

白蛇(バクッ!! ゴクン…)

 

白蛇は麟から龍の核?肝?を差し出されると、食い気味に捕食、すぐに飲み込んだ。

 

麟「そんなに食いたかったのか…」

 

白蛇(カッ!!!)

 

5人『!?』

 

キィィィィィィィン…!!

 

突然、龍の核を捕食した直後に白蛇が光り始めた。

 

麟「眩しっ!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~博麗神社~

 

 

オォォォォォォォォォォォォッ…!!

 

 

霊「(ピクッ)何…!?この邪気は…!」

 

華(まさか…!?)

「霊夢、今すぐ地底に行きますよ!」 ダッ!!

 

霊「やっぱり地底からこの邪気は放たれているのね!?ええ、すぐに行きましょう!」 ダッ!!

 

 

ギュアァーンッ…!!

 

 

霊夢と華扇は地底から漏れ出た邪気をすぐさま察知、全速力で地底へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オォォォォォォォォォォォォッ…!!!

 

 

 

?『くっくっく…ご苦労だったぞ?小僧』

 

麟「…え?」

 

龍の核を捕食した白蛇が急に輝き出したと思いきや、その光が収まると吸血鬼のような翼を生やした黒蛇が現れたのだ。

 

?『くっくっく…この時を待ちわびていた…!これでわらわも"龍"の仲間入りだ!』 グオォォォォォォォォォッ…!!

 

さ「…!なるほど…最初からそれが目当てだったのね…!?」

 

こ「な、何か分かったの!?」

 

さ「今、あの蛇の心を読んだわ…!あいつは最初から、兄さんが持っていた龍の肝が目当てで兄さんに近づいたのよ!」

 

 

「「その通りよ!!」」

 

バンッ!!

 

 

5人『!?』

 

 

華「全て、彼が持っていた龍の肝が目当てでそいつは彼に近づいたのです!もっと早くこいつの正体に気づきべきでした…!」

 

?『ちっ…勘付くのが早いことだ…!』

 

霊「まさか白蛇だと思ってたあんたが龍だったなんて…!」

 

?『貴様の祖先、先代の巫女にわらわの力は奪われた…しかし好都合だった、全盛期の力を取り戻す為のカギを…この小僧は隠し持っていてくれた!そしてわらわは…遂に龍へと進化出来たのだ!』

 

お燐「力を取り戻して、何をしようって言うんだい!博麗の巫女に復讐でもする気かい!?」

 

?『別に復讐なんてくだらない事には興味ない。ただ私は龍へと進化したかっただけだ』

 

麟「…」

 

麟は先ほどから無言状態が続いていた。

 

お空「お、お兄さん?」 ツンツン…

 

麟「…だ」

 

お空「だ?」

 

 

麟「「蛇足感パネェ~…」」

 

 

皆『…はぁ?』

 

ようやく口を開いたかと思ったら一言『蛇足感パネェ~』である。…ふざけてるのかな?

 

霊「あんた…何言ってるの…?」

 

麟「えっと…華扇?」

 

華「な、何でしょうか?」

 

麟「こいつの本名というか…本当の種族はなんなんだ?」

 

華「えっと…確か〖じゃ龍〗という種族ですよ?」

 

麟「えっと…じゃ龍の〖じゃ〗ってどんな漢字で書くの?」

 

華「邪悪の〖邪〗ですが…?」

 

麟「じゃ、邪悪の〖邪〗!?蛇の〖蛇〗ではなくて!?」

 

こ「お、お兄ちゃん…?なんでそんな事に驚いてるの?もっと驚くところ…あるよね?」

 

 

麟「だ、だって…あんな姿、誰がどう見ても〖蛇に悪魔の羽根を、ただくっつけただけ〗じゃん!!」

 

 

邪龍『(ガーン!!)なっ…!?』

 

6人『ブッフォッ!!w』

 

麟は邪龍に対して、思った事をそのままぶつけてしまった。そしてその発言は邪龍にとってかなりショックだったらしく…

 

邪龍『こ、小僧…わらわの姿は美しくないのか…?』

 

麟「白蛇形態の方が美人だった!!」 ズバァッ!!

 

邪龍『かっ…!?』 ガーン!!!

 

う~ん、なかなかに火の玉ストレートの追い打ち…効果は抜群だ!

 

霊「クスクス…と、とにかくお前はここで退治をしてやるわ!」

 

邪龍『えっ!?何も悪い事をしていないのに退治されるのか!?』

 

さ「そりゃあ…博麗の巫女を出動させてしまうくらいの邪気を放っていたら…」

 

お燐「問答無用で退治されるよねっていうか…」

 

邪龍『酷い話だな…』

 

麟「オッホン…まあ霊夢、この子は別に悪い事してないんだから退治しなくてもよくね?」

 

邪龍『小僧…!』 パァァ…!

 

霊「で、でも…地上でも感知出来るくらいの邪気よ?「今は感じる?」…言われてみれば、微塵も感じないわね」

 

華「まさか…退治しないつもりですか!?」

 

霊「だって、よくよく考えてみたらさ…実害が出てないじゃない」

 

華「貴女…正気ですか!?」

 

霊「実害が出ない限り、私は退治しませ~ん」

 

華「はあ…」

 

 

 

麟「…だってよ?」

 

邪龍『喜んでいいのだろうか…?』

 

麟「まあ、喜んでいいんじゃないかな?」

 

邪龍『そ、そうか…。それにしても…ようやく龍の仲間入りを果たしたのだ、元の住処である"雲の上"でのんびり過ごそうじゃないか』

 

麟「お、もう行っちまうのか。じゃな~」

 

邪龍『…もう少し別れを惜しんでもいいんじゃないかい?』

 

麟「そう?別にお前がどこに住もうと俺はどうでもいいし」

 

邪龍『な、なんかお主…辛辣じゃないか?』

 

麟「この2週間、ずっと騙されてたんだからねぇ…?」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

麟は内心、怒り心頭だったようだ。

 

邪龍『(ビクゥ!?)だ、騙して悪かった…!ここまで世話してくれた褒美として、そなたに何か褒美を取らせたいのだが…何が欲しいか?』

 

麟「褒美~?う~ん…特になんも無いからさっさと行けよ」

 

邪龍『辛辣ゥ!?』 ガーン!!

 

麟「分かった分かった…何かお願い事を言えばいいんだろ?」

 

邪龍『た、頼むよぉ…このままバイバイは、流石のわらわも気が引けてしまう…!』

 

さっきまでの威勢はどこへやら、今の邪龍からはどこか情けないオーラしか感じられない…。

 

麟「俺の願いは…」

 

邪龍(ドキドキ…)

 

 

麟「お前がこれからなんの悪さもしないで、すくすくと成龍になれる事を願うよ」

 

 

邪龍『…そ、それがお主の願いなのか?』

 

麟「俺が2週間も世話してやったんだ、それくらいは望むよ」

 

邪龍『お主は聖人か…?な、名はなんと言う?』

 

麟「俺の名前は華月麟」

 

邪龍『麟殿、わらわが成龍になったら…必ずこのお礼をさせてもらう』

 

麟「う~ん…俺の予想じゃ、お前が成龍になる頃には死んでると思うよ」

 

邪龍『ふっふっふ…それではなるべく早めに成龍にならなければな』

 

麟「頑張れ~」

 

邪龍『次会う時は…お主はわらわの番にしてくれよう』 スッ…

 

 

chu♡

・頬にキス

 

6人『あーっ!?』

 

麟「…俺に務まるかな?」

 

邪龍『もちろんだ♪それでは麟殿、また会おうぞ…!』

 

 

ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ…!!!

 

 

霊「きゃあ…!?」

 

こ「す、凄い風…!?」

 

邪龍は麟にお礼のキスをすると、再会の約束を誓い…凄まじい強風を吹き荒らして雲の上へと向かって飛び立っていってしまった…。

 

華「邪悪が人間に惚れるなんて…聞いた事無いわよ…」

 

霊「あいつの天然タラシが龍にも効果あるなんてね」

 

 

 

麟「…」

 

さ「…兄さん?」

 

麟「あいつ…女だったんだぁ…」

 

 

 

6人『…ズコーッ!!!?』

 

 

 

麟「…ありゃ?」

 

…なんとも締まりの悪い終わり方である。

532話の白蛇を、諏訪子の蛇だと思った奴いるぅ!?

  • いねぇよなぁ!!
  • 思っちまったよ畜生がぁッ!
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