華月麟の幻想記   作:華月麟

544 / 1036
Merry Xmas!


そりゃそうよ

~人里~

 

 

ザワザワ…

 

『うわぁ…妖怪よ妖怪…』 ヒソヒソ

 

『なんで妖怪が平然と人里に…?』 ヒソヒソ

 

赤ん坊

『ぎゃあぁぁぁぁっ!!!(大泣)』

 

母親

『おお…よしよし』

 

 

麟「ほれ見ろ…」

 

ゴブリン

『…(汗)』

 

麟はホブゴブリンを連れて人里へ行くと…案の定の反応であった。人里のほとんどが『妖怪が人里に…!?』と小さな声で囁き、赤ん坊はホブゴブリンの姿を見て大泣きである。もう阿鼻叫喚、カオス状態だ…。

 

 

~博麗神社~

 

 

ザッザッザッ…

 

あ「あ!帰ってきましたよ!」

 

霊「さてさて、どんな結果…に?…あーね」

 

華「…言わんこっちゃない」

 

約2時間人里を練り歩き、博麗神社へ戻ってきたホブゴブリンは…

 

 

ゴブリン

(ズーンッ…)

 

麟「ご覧の通り」

 

 

もうこの世の終わりみたいな顔をしていた。ショック過ぎて言葉すら発せなさそうな状態である。

 

華「麟…その様子だと」

 

麟「もちろん大失敗!普段笑顔を見せてくれる赤ん坊ですら『おぎゃーっ!』って本気で泣いてたよ」

 

霊「この2時間で『人里に現れた妖怪を退治してくれ!』って人里からの要請が数十件も来たわよ!」

 

ゴブリン

『た、退治!?』

 

麟「紫さんは自信満々だったけど、どこからあんな自信が沸いたんだか?てか、あの人どこ行きやがった!?」

 

霊「麟にホブゴブリンを預けてそさくさと帰ってったわよ」

 

麟「…ぶっ殺す(ガチギレ)」 ゴゴゴゴゴォ…!!!

 

あ「ま、まぁまぁ…!」

 

自分から海外にホブゴブリンを連れてきたくせに、他人にホブゴブリンを預けて自分は姿をくらます。ふざけた賢者だ

 

 

<ヤロウブッコロシテヤラァァァァァァァァッ!!!

 

 

華「…」

 

一方、華扇は…

 

 

華『貴女は…どうしてそこまでして座敷わらしの後継を求めているのですか?』

 

紫『…その事、霊夢達のような人間にも仙人である貴女にも分からなくていい事だけれど…貴女にだけは"特別"に教えてあげる』

 

華『え…?』

 

紫『ふふっ♪座敷わらしはね…』

 

 

『『人間達を監視する者…いわゆる"スパイ"ってやつなのよ』』

 

 

華『は…!?』

 

紫『人間が1箇所に集まると…どんな良からぬ事を考えるか分からない。だからそういう人間が現れていないか監視してもらっているのよ』

 

華『ホブゴブリンは…その代わりだと…!?』

 

紫『ええそうよ?でも外の世界から『座敷わらしが欲しい』って依頼が来ちゃったのよ。こんなチャンスは滅多に無いし、そっちを優先させてもらったわ』

 

華『チャンス…?それってもしかして…(ハッ…!?)妖怪達最大の目的は…!』

 

 

ピト…

 

 

華『ムグッ?!』

 

紫『うふふ?♪』

 

紫は華扇の口を人差し指で優しく塞ぎ…

 

 

『『(ギロ…ッ)それ以上詮索すれば…貴女もただでは済まないわよ?』』

 

 

華『っ…!?』

 

普段からは想像もつかないほど、冷徹な視線を華扇に送って忠告をした。

 

紫『そもそも…幻想郷に全妖怪のお腹を満たす食料があると思って?』

 

華『な、何故私にそれを教えてくれるのですか…?』

 

紫『え?だって』

 

 

『『貴女だって"こっち側"の存在じゃない』』

 

 

華『…っ!?』

 

 

紫との衝撃的な会話を思い出し…思い悩んでいた。

 

霊「華扇…!華扇!」

 

華「(ビク!?)え…あっ…な、なに!?」

 

霊「私の話聞いてなかったの?このホブゴブリンをどうするかって話しよ!」

 

華「あ、あぁ…その話ね?」

 

霊「私はこのまま追い出すべきだ思うんだけど、華扇は?」

 

華「…そうね、人里の皆がホブゴブリンを恐れているなら、私もそれに賛成するわ」

 

ゴブリン

『(ガーンッ!)そ、そんな…!?』

 

あ「まぁ…」

 

麟「そうなるわな」

 

むしろそれ以外のオチは無いと言えるだろう。

 

ゴブリン

『せ、せっかく故郷を離れて異国の地に来たというのに…。ここには俺の居場所なんて無いのか…』

 

麟「…いや、そんな事無いさ。俺がお前の居場所を作る為になんとかしてみせる」

 

ゴブリン

『ほ、本当か…!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、外の世界にて行われた座敷わらしによる町おこしは…一時的な効果はあったにはあった。

 

しかし…外の世界の人々は本物の座敷わらしが出る事は全く望んでいなかったようで、結局のところ…座敷わらし達の仕事はほとんど無かったに等しいようだ。結局座敷わらし達も、高い給料が貰えると思っていたのに全く貰えずに幻想郷へと戻る羽目になってしまった。

 

そしてホブゴブリン騒動からしばらくすると…人里に再び座敷わらしが住み着くようになり、ホブゴブリンの事はすっかり忘れられてしまっていた。

 

…ホブゴブリンは人々から忘れ去られ、全滅してしまったのだろうか?

 

 

いや…実はそんな事は無かったのだ。

 

 

~紅魔館~

 

 

ゴブリン

『レミリアお嬢様、薪割りが終わりました』

 

レミィ「あら、もう終わったの?では…少し休憩したら咲夜のお手伝いをしてちょうだい」

 

ゴブリン

『はっ…!かしこまりました』

 

レミィ「咲夜、このゴブリンに貴女の仕事を教えてあげてちょうだい」

 

咲夜

「お嬢様、簡単なお掃除程度でも構いませんか?」

 

レミィ「ええ、まだ紅魔館に来て日も浅い…そのくらいがちょうどいいわね」

 

咲「分かりました…では行きますよ、"ゴブ"」

 

ゴブ

『はいっ!』

 

 

麟が紅魔館に『人手は欲しくないか?』とレミリアに問いかけたところ、レミリアは

 

 

レミィ『人手が欲しい?そんなもの欲しいに決まってるじゃない!妖精メイド達は咲夜みたいにテキパキ仕事が出来ないから、結局咲夜の負担が大きいのよ…』

 

 

と、むしろ寄越してくれるなら寄越せ!と言わんばかりの返答をしてくれたのだ。

 

ホブゴブリンはレミリアから『ゴブ』という名前を与えられ、今では紅魔館でテキパキとメイド長・咲夜から与えられたり教えられた仕事を丁寧にこなしている。

 

そして毎日の激しい業務が功を奏したのか、ゴブの容姿は中肉中背のオッサンから高身長のイケメンのような容姿へと生まれ変わった。おそらく、故郷では不摂生な生活をし続けていたが…幻想郷にやって来てから健康的な生活を繰り返している内に身体が進化したのだろう。

 

 

ゴブ

(麟さん…俺の新しい居場所を見つけてくれてありがとう…!)

 

 

 

ゴブは幻想郷での新しい居場所を見つけてくれた麟を、今では兄のように慕っている…。

 

一方、麟はというと?

 

 

麟「こんの…クソスキマ野郎!!」 ギリギリギリ…!!!

 

紫「麟さん…!(バシバシ!)それ以上絞められたら私の腕が逝っちゃうぅっ…!!」

 

麟「うっせぇ!関係の無い妖怪を巻き込むんじゃねえ!!」 バキィ!!

 

 

紫「あんぎゃあぁあぁぁあああぁっ!!!私の右腕がぁぁぁぁぁぁぁっ!!!?」

 

 

<アギャーッス…!!!

 

 

ゴブを苦しめた元凶の腕を破壊していた。




ゴブの容姿は、転スラのゴブリンをイメージしてくださいな。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。