華月麟の幻想記   作:華月麟

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白玉楼からの誘い

春雪異変解決の宴会が終わり1週間ほどが経ったある日。

 

妖「お久しぶりです麟様、霊夢様」 ペコリ

 

突然、白玉楼の主の使いが博麗神社へやってきた。

 

霊「あんた、幽々子んとこの従者よね?」

 

妖「魂魄妖夢と申します」

 

麟「あー、堅苦しいのは嫌いだから普通の敬語でいいよ。それと様呼びもやめてくれ、せめてさん付けか呼び捨てがいいな。霊夢もそう思うよな?」

 

霊「そうね、私も堅苦しいのは嫌いだわ」

 

妖「分かりました…麟さん、霊夢…これで良いですか?」

 

あ…敬語は直らないのね?しかも俺はさん付けかぁ…。

 

麟「うん、それでいいよ。で?冥界からここに来たって事は何かしら用があるんだろ?」

 

妖「はい、幽々子様が麟さんを白玉楼に招きたいと仰っていまして」

 

麟「俺を?」

 

うーん…この前渡したい物は全て幽々子さんに渡したから、もう二度と冥界に行く事は無いと思っていたが、まさか白玉楼からお誘いが来るとは。

 

霊「私はお呼びでは無いわけ?」ムッ

 

霊夢は自分が呼ばれていないことに不機嫌そうだった。アンタ異変解決に参加してねぇんだから、呼ばれるわけないやんけぇ!

 

妖「はい。その代わりにこれを…」 スッ

・高そうな茶菓子を手渡す

 

霊「お、美味しそう…(ジュルリ…)仕方ないわね!」 ニッコー!

 

麟「…(汗)」

 

またこいつ、物で買収されやがったぞ!?ほんとに霊夢は現金なヤツだよなぁ。こんな奴がいざとなったら頼りになるのが腹立つ。

 

麟「…で、具体的に俺を招いてどうするのよ魂魄妖夢くんや」

 

妖「一緒に食事をしたり、白玉楼に咲いている桜を見たり…と仰っていましたが…」

 

そんなもんわざわざ呼ぶほどとは思えないけど…。

 

麟「分かった。是非、白玉楼にお邪魔させてもらうよ」

 

妖「ありがとうございます!幽々子様もきっと喜びますよ!」

 

こうして俺は、また冥界へ行く事となった。

白玉楼ってどんな場所なのかな?

 

妖「それでは行きましょう」

 

麟「おう!霊夢、行ってきま〜す!」

 

霊「気をつけるのよ〜!?」

 

とりあえず、着替え等の準備をバッチリして冥界へと向かった。

 

 

 

 

 

 

~麟と妖夢が冥界へ向かってすぐのこと~

 

霊「…紫、居るんでしょ?」

 

 

紫「ええ…」 スタッ

 

 

霊「なんで、ずっとコソコソしながら聞いていたの?」

 

紫「霊夢、もしかしたら私達は冥界へ急いで行く事になるかもしれないわ…しかも今すぐにでも」

 

霊「はぁ?」

 

珍しく紫が焦ったような顔をしている…。そんなに麟が誘われたのが嫌だったのかしら?

 

紫「霊夢黄泉竈食(よもつへぐい)はって言葉を知っているかしら?」

 

霊「黄泉竈食…言葉だけは聞いた事あるわね」

 

 

※ここでプチ豆知識

〖黄泉竈食〗

例え生きたままあの世に行けても、黄泉のものを食べればそのまま黄泉の国の住人にされる。

 

 

霊「でも…意味までは知らないけど…」

 

紫「簡単に言えば『黄泉の国の食べ物を食す』って意味よ」

 

霊「それがどうかしたの?」

 

紫「異変解決以降、幽々子の様子が変だと思った時はあるかしら?」

 

霊(亡霊のお姫様が変だった時か…常に何考えているか分からない感じの雰囲気しか感じなかったけど…。…あっ)

「そう言えば、麟に抱きついて婚約するとか言ってたわね?」

 

紫「やはりね…彼女はもしかしたら麟に執着し始めているのかもしれないわ。…幻想郷が出来る前…つまり幽々子が生きていた時代の思い人と麟がそっくりだって言ってたもの…」

 

霊「まぁ、確かに生まれ変わりっぽい事も言ってたわね幽々子は。腕輪を持ってる、西行妖の歴史は知ってるとか色々あって。てか、この話と黄泉竈食がどう関係しているのよ?」

 

紫「幽々子は…麟を冥界の亡霊にさせる為に黄泉竈食をさせる可能性があるという事よ…!思い人に執着してしまったが為に…常に麟を傍に置いておきたいと考えているのよ!」

 

霊「ん?…イマイチ話が分からないわよ紫」

 

紫がここまで焦る理由がまだ私には分からない…。

 

紫「黄泉竈食は…生きた人間に黄泉の食べ物を食べさせ、殺し…黄泉の国の住人にするという行為なのよ!!生きた人間が冥界に無事、行けたとするわ…でも冥界の食物を食べたら、人間は死んでしまい冥界の住人になってしまうのよ!」

 

霊「は…?」

(つまり、(あいつ)を殺して永遠に冥界に居させるということ…!?)

 

紫「急いで向かうわよ!!!」

 

霊「ま、待ちなさい紫!!」

 

紫「霊夢…時間が無いのよ!?」

 

霊「分かってるわよ!それでも、もしかしたらまた冥界で戦闘が起こるかもしれない…。せめてもう1人連れていきましょう!?」

 

紫「大丈夫よ、とっておきがいるわ…。ねぇ?藍」

 

藍「はっ!紫様」

 

霊夢の背後から、八雲藍が現れる。

 

霊「いつの間に私の背後にいたの!?」

 

藍「ああ、いたぞ?」

 

霊「いつから後ろに居たか聞きたいけど、それどころではないものね」

 

藍「物分かりが良くて助かる、どこかの魔法使いと違って」

 

霊「魔理沙の事、馬鹿にしてるのかしら…?」

 

藍「そんなつもりは無いぞ?」

 

霊「あんた自身はそんなつもりは無いかもだけど…どうもさっきの言い方が腹立つわね…」

 

藍「事実を言ったまでに過ぎない…」

 

ゴゴゴゴゴゴォ…

・ケンカオーラ

 

紫「時間が無いのに喧嘩しないの!!」 ポカッ!!

 

藍・霊

「「いたっ!?」」

 

私と藍は紫に頭を叩かれて、今はそれどころでは無いことを思い出した。

 

紫「急ぐわよ!!」 ビュゥッ!!

 

藍「紫様、お待ちを!!」 ビュン!!

 

霊「ま、待ちなさいよ2人共!?」ドウッ!!

 

 

黄泉竈食…それだけは絶対に阻止してみせる!!

麟…無事でいて!!

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