麟「いてててて…」 ヒリヒリ
霊「もう!何華扇とイチャイチャしてるのよ!?」
華「いや…私は彼とイチャイチャしていたわけではないけれど…。そ、それはそうと…凄く煙たい香りがしていたのだけど、何かお料理中だったかしら…?」
霊「別に?料理ってほどじゃないわよ。麟、そっち持って」
麟「あいよ」 ガシッ
麟・霊
「「せーのっ」」
ザーッ!!
麟と霊夢は一緒に大きな寸胴鍋を持ち上げ、寸胴鍋の中に入っていた物を全て別の容器に入れ替えた。なかなかの量が入っていたらしく、2人でなければ持ち上げるのも一苦労だ。
華「ずいぶんと重そうだったけど、何を作っていたの?」
霊「ああ、これ?毎年、2月3日恒例の行事〖節分〗の為の豆を作ってたのよ」
華「(ピタッ…)セツブンノタメノマメ?」 カチーンッ
麟「なんでカタコトになってん?あ、もしかして知らないとか?」
霊「まっさか~?」
華「( ゚д゚)…」
霊「節分ってのは、豆を鬼にぶつけて鬼を退治するジェノサイドゲームよ」
麟「違うからね?節分はそんな物騒じゃないから。節分ってのは無病息災を祝う行事だから」
霊「そうとも言うわ…ね!!」 ブン!!
霊夢はいきなり、豆を華扇に思い切りぶん投げた。
華「きゃあ!?」 サッ!!
麟「え、そんなに拒絶する?」
華扇は凄まじい拒絶反応を見せて豆を避けた。
華「い、いきなり投げつけるから驚いたのよ!」
麟「それもそうか」
霊「あそうだ、今回は舞台の上で豆まきをしようかなって思ってるんだけど、私一人がやっても面白みに欠けるからさ、貴女も一緒に撒くの手伝ってくれないかしら華扇」
華「え!?私も!?」
霊「ダメかしら?」
華「出来る事なら参加したくないわね…」
霊「え~…けちんぼ!」
華「子供か。でも、なんだか食べ物を投げつけるのって…もったいなくないかしら…?」
麟「もったいないと言われればもったいないけど…」
霊「そういうイベントっていうのが沁みついているし…」
華「豆を撒かないで節分って出来ないのかしら?」
麟「う~ん…あ、そういや紅魔館では豆まきをしないで節分をしてるって言ってたっけな…」
霊「そうなの?」
麟「ちょいと咲夜呼んで来るわ」 スタスタ
霊「気を付けていってらっしゃい」
麟「いってきま~す」
バタン
麟は咲夜を博麗神社へと呼ぶ為に紅魔館へ向かった。豆まきをしない節分とはなんなのだろうか?
華「ホッ…」
(これで豆まきをしなくて済む…。豆が身体に当たったら水ぶくれ程度じゃ済まないのよ…!)
数分後…
咲夜
「呼ばれて飛び出て♪」
フラン
「ジャジャジャジャーン♪」
霊「…なんで?」
何故か咲夜だけではなく、フランまでトッピングされていた。
麟「あはは…フランが『私も博麗神社に行く!』って聞かなくて」
フ「えへへ~♪」 パタパタ♪
霊「まあ…迷惑かけなければそれでいいわ」
咲「それで?麟から聞いたけど、うちではどういう節分を過ごしているのか聞きたいんですって?」
霊「ええ、華扇が『食べ物を粗末にするなんてもったいない』って言うから」
華「ちょっと!?そんな事は行ってないわよ!?」
霊「似たようなものでしょ」
華「うっ…否定出来ない…」
咲「まあいいわ…で、話を戻すけれど…うちでは確かに豆まきはしていないわ」
霊「それはどうしてなの?」
咲「お嬢様と妹様は豆が大の苦手なの」
麟「え、そうなのかフラン!?」
フ「そうだよ~」
麟「でも、レミリアって納豆は食うよな?食べるのは大丈夫なんだ?」
咲「そうね、食べるのは2人共大丈夫よ」
華「へー、豆まきが苦手なんて不思議ねー(棒)」
麟「じゃあ…豆まきをしない代わりに何してるん?」
フ「ふっとい巻き寿司を鬼門?っていう方向へ向いて食べてるんだ~!」
霊「ふっとい巻き寿司…?」
麟「ああ!恵方巻の事か?」
咲「それよそれ、太巻きを食べて節分の日は過ごしているわ」
麟「…太いネギトロ巻き食いたい」
咲「良ければあとで作りましょうか?」
麟「あざーっす!」
フ「咲夜、私にも1本作ってくれる?」
咲「かしこまりました」
霊「太巻き食べて無病息災かぁ…それもありかしら?」
華「食べ物を粗末にするより、食を楽しむイベントの方が断然人は集まるし後々のイメージは良いと思うわね」
麟・霊「「それもそうかぁ」」
華「(ニヤリ…)そもそも貴方達、何故節分の日に豆を撒くようになったのか分かる?」
麟・霊・咲・フ
『いいえ全く』
華「節分の日は季節の変わり目で、不安定な時期は鬼が入って来るという言い伝えがあったの。豆を使ったのは、豆を〖魔目〗とも書いて魔を滅するに繋がるからなのよ」
フ「語呂合わせってやつね!?」
華「なーんて言われているけど、その話は後付けされた話なのよ」
咲「そうなのですか?」
華「そもそも、豆が魔目と書くなら…豆そのものが〖魔〗という事になってしまうでしょう?」
麟「…言われてみればそうか」
霊「じゃあ…私達はいつも豆を撒いているけど…実はそれは」
華「逆に家の中に魔をばら撒いている事になるわね」
麟・霊・咲・フ
『なーるほど?』
華「そもそも論、どうしてこんなフ誤解が生まれたのかというと…昔、鬼というのは外から来る存在だと錯覚したのが理由なのよ」
フ「え、鬼って外から来るんでしょ?」
華「違うわ。鬼は元々〖隠〗つまり『隠された』という意味から来ている物なの。鬼は本来人間の内部から現れる物なのよ。その証拠に、多くの鬼は元人間でしょ?」
麟「…萃香とか勇儀もそうなのかな?」
霊「さあ?」
華「節分の日における豆の役割は〖食べて鬼を体外へ追い出す事〗。体調を崩しやすい季節の変わり目だからこそ、節分というイベントは存在しているのよ」
麟「…なんか、自然と納得がいくな」
霊「私も…」
咲「確かに納得いくけれど…私には仙人様がただ単に豆料理を楽しみたいように聞こえましたわ?」
フ「私もそう聞こえた」
華「ち、違いますから!?ちゃんと本来の節分の意味を貴方達に教えただけです~!」
麟・霊
「「ふ~ん…」」
華「オッホン…と、とにかく…これで明日の節分イベントの日は豆を撒かないでどうするかという事は分かったでしょう?」
霊「そうね~。ねえ咲夜、ちょっと提案があるんだけれど」
咲「何かしら?」
霊「カクカクシカジカシカクイムーブ、コンテトレビアーンッ!!ダイ〇ツ」
咲「ああ…それはいい案かもしれないわね!」
霊「でしょう!?」
霊夢は咲夜と相談し、明日の節分イベントをどうするかという素晴らしい案が思いついたみたいだ。
麟「咲夜~」
フ「太巻きまだ~?」
華「貴方達は一度太巻きから離れなさい!(汗)」