華月麟の幻想記   作:華月麟

578 / 1036
Valentine's-Day(地底編その2)

~旧都の喫茶店~

 

 

パルスィに案内され、旧都の喫茶店で一休みしていた。ほぼ地上の喫茶店と大差ない店である。

 

麟「(ゴク)ふぅ…まさか旧都にこんな喫茶店があるなんてな」

 

キ「さとりん達が旧都の観光開発を少しずつ進めてるんだよ」

 

ヤ「少しでも地上の人に旧都の良さを知って欲しいからってね♪」

 

麟「さとりがねぇ…流石は俺の妹だな」

 

キ・ヤ・パル『…(汗)』

(妹バカが出てる…)

 

麟「でも…本来の旧都が無くなるのも嫌だな、程々にしとけって伝えとかないと」

 

パル「あら…貴方は今の旧都が好みなの?」

 

麟「古い物は壊すのではなく、残しておくもの…なんでもかんでも新しくするのは良くないよ」

 

パル「なるほどね…ふふっ」 ジーッ…

 

麟「な、なんだよそんなにこっち見て…」

 

パル「別に?貴方が妬ましくて堪らないなと思っただけよ♪」

 

麟「ほえ…?」

 

いつもいつも『妬ましい』という単語が会話の一部として出てくる為、パルスィの本心は分からずじまいかと思ったが…

 

ヤ「ねぇキスメ…もしかしなくてもパルちゃん…」 ヒソヒソ

 

キ「うん…麟さんの事、気に入っちゃったかもね…」 ヒソヒソ

 

おっと?水橋パルスィ、麟に惚れてしまったか?

 

 

カランカランッ…

 

 

店員

『いらっしゃいませ〜!』

 

 

勇「ようやく見つけたぞ麟♪」

 

萃「やほ〜♪」

 

 

麟「あ、勇儀に萃香」

 

ヤ「やほー勇儀姐♪」

 

キ「やほー萃香姐♪」

 

パル「ゲ…せっかくこの時間を楽しんでたのに…」 ボソ

 

星熊勇儀と伊吹萃香が喫茶店に来店、偶然だろうか?

 

勇「旧都の奴らから『麟とパルスィさんが喫茶店に!』って聞いたからすっ飛んできたよ♪」

 

偶然じゃなかったわ。

 

萃「しかし珍しいね、パルスィが麟を喫茶店に誘うだなんて」

 

パル「何…問題でもあるのかしら?」 ジッ…

 

萃「いんや別に?」

 

勇(なんかパルスィの奴…機嫌が悪そうだな?)

 

麟「にしてもちょうどいい、ハッピーバレンタイン」 スッ

 

勇・萃

「「お?」」

 

麟「2人のバレンタインチョコだよ」

 

勇「おお!わざわざあたし達の為にかい?」

 

萃「なんだか申し訳ないねぇ♪」

 

麟「ちゃーんと酒入りガトーショコラとウイスキーボンボンにしてあるから」

 

勇・萃

「「(クンクン…)こ、これは酒の匂い…!!!」」

 

パル「あんたらは犬か」

 

勇「そういうパルスィ達はもう貰ってるのかい?」

 

パル「ええ、既に貰っているわよ」

 

ヤ・キ

「「じゃーんっ!!♪」」

 

萃「…随分と凝った作りをしてるねぇ」

 

麟「ぴーす♪」

 

萃「可愛いねぇ♪」

 

パル「それで…?私はもう少し麟とお茶をしたいのだけれど、まだここに居るつもりかしら?」 ゴゴゴゴゴ…

 

勇「おやおや、そんなにオーラを放つなんで珍しいじゃないかパルスィ。何か気分を害する事でもしたかな?」

 

パル「あんたらがここに来た事が、それにあたるかしらね」

 

萃「おいおい、麟を独り占めしようとはいい度胸だ」

 

 

パル「ふふふふふ…」

 

勇・萃

「「ふふふふふ…」」

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

バチバチバチィッ…!!!

 

 

ヤ「な、なんか寒くない…!?」

 

キ「命を危機を感じます…!」

 

麟(ここの紅茶、美味いな?)

 

喫茶店内でおっぱじめられそうな大戦争、それに巻き込まれそうなキスメとヤマメ、そんな皆をガン無視して紅茶を楽しむ麟。カオス極まれり

 

麟「あ、そろそろ地霊殿行かないと…」

 

パル「(フゥ…)あら、もう行ってしまうの?」

 

麟「さとり達を待たせる訳には行かないんでね(ガタッ)紅茶ありがとう、美味かったよ♪」

 

パル「次は、暇な時に来てちょうだい。その時はお茶じゃなくてご飯を奢るわ♪」

 

麟「そうさせてもらいます♪んじゃこちそうさま」 ダッ!

 

勇「あ、麟!?」

 

麟はその場を颯爽と去り、妹達が待つ地霊殿へと向かった。

 

麟という火薬が無くなった事で

 

 

パル「はぁ…」

 

勇「行っちまったか…」

 

萃「さ〜て、麟のバレンタインチョコでも食うか♪」

 

キ・ヤ

「「ほっ…」」

 

 

一触即発状態だった火は、無事に鎮火された。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。