華月麟の幻想記   作:華月麟

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涅槃仏の正体

華「こ、これは思っていた数十倍は大きいわね…」

 

 

ドォォォォォォォォォォォォォン…!!

・バカでけぇ大仏

 

 

圧巻の大きさ。華扇は目の前に存在する涅槃仏(ねはんぶつ)に、ただただ言葉を失って眺めるばかり。

 

華「そ、それにしても…こんなに大きい大仏をどうやって作ったのかしら?命蓮寺の僧にこんな大きな涅槃仏を作れる技術が…?」 タタッ

 

華扇が縁側の人込みから抜け、大仏の側面に回ろうとした時

 

 

ジャリ…

 

 

一輪

「そこの貴女、それ以上神聖な大仏に近づかないで頂きたい。拝観はあそこの縁側でのみ、お願いします」

 

華「あ…」

 

あっさり、一輪に見つかって忠告を受けてしまった。

 

華「ご、ごめんなさい…あまりにも大きいものだから、つい見入ってしまって…」

 

一「まあ…それは仕方のない事ですが、それでもおやめいただきたい」

 

華「ええ、すみませんでした(ペコリ)それにしても随分と…というかかなり大きな仏像だけれど、どうやって作ったの?こんなサイズを作るとなると、去年のどこかで手を付け始めないとこんなサイズは作れないわよ?」

 

一「うっ…そ、それは…」 ダラダラ…

 

華「…?」

 

華扇から大仏の質問をされた一輪は、何故か顔に大汗をかき始めていた。

 

 

ヒョコッ

 

 

聖「内緒ですよ♪」

 

一「ひ、聖…」

 

そして一輪をフォローするかのように、タイミング良く聖白蓮が現れた。

 

聖「大仏はとても神聖なもの、多くは語られません♪」

 

華「そうよね、野暮な質問をしてごめんなさい」 ペコリ

 

聖「いえいえ、他の方達からもよく聞かれますので」

 

華「ふぅん…」 チラッ

 

華扇はとある方角へ視線を向けると

 

 

バサッ…バサッ…バサッ…

 

鷹『…』 ジーッ…

 

 

そこには華扇のペットである鷹が、涅槃仏を観察していた。どうやら、華扇も突如出現した巨大涅槃仏に違和感を抱き、予め自身のペットを命蓮寺へと飛ばしていたようだ。

 

 

鷹『…!』

 

 

そして鷹が涅槃仏を眺め続けていると…

 

 

モヤ…

・煙が漂う

 

 

大仏の周りに、薄い煙が立ち込めている事に気が付いた。

 

 

 

 

~博麗神社~

 

 

華「やれやれ♪」 スタスタ

 

霊「あら華扇、いらっしゃい」

 

華「いやぁ、命蓮寺の大仏は凄かったわよ~?」

 

麟「あんたも見に行ってたのか」

 

華「つい気になって。ついでに正体も分かったわ♪」

 

魔「おお!よく分かったな?人込みやら一輪の妨害やらで全く近寄れなかったのに」

 

華「私のペットを大仏の上に飛ばして見てもらってたのよ。そしたら面白い事が分かったわよ」

 

麟・霊・魔

『なになに!?気になる気になる!』 キラキラ

・圧倒的純粋な瞳

 

華(可愛いわね…)

「なんて事は無かったわ?あれは…」

 

 

「「命蓮寺にいる入道が、仏像の振りをして寝そべっているだけよ」」

 

 

麟・魔

「「入道が!?」」

 

霊「命蓮寺の入道って…ああ、雲山か」

 

麟「雲山?一輪のお供の?」

 

魔「あいつに変身能力なんてあったんだな」

 

まさかの、涅槃仏の正体は妖怪の〖雲山〗が涅槃仏に変身していたものだった。

 

麟「ああ…魔理沙が言ってた『全く近づけない』って意味が分かったわ」

 

魔「お、そうなのか?」

 

華「簡単な話よ。有難く拝んでいる大仏が妖怪だってバレたら、それこそ命蓮寺の信用にかかわる話じゃない」

 

魔「あ、そうか…バレたら一大事なのか」

 

霊「まあ、その時は私が退治するだけの話だけどね」

 

麟「それにしても凄い事考えたな、雲山を使うなんて」

 

霊「ええ。雲山なら、イベントさえ終われば元の姿に戻って即退散☆ってすればいいだけの話だものね」

 

麟「な~」

 

霊「(ピコンッ!)ふふふ…良い事思いついたわ♪」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

魔「…ぜってぇろくな事じゃ無さそうだ(汗)」

 

麟「同感」

 

霊夢は、命蓮寺のイベントでの悪だくみを立案。大体金儲けの話だが…

 

 

 

華「それにしても、涅槃…か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~華扇の屋敷~

 

 

華「かの聖者は十字架に張り付けられて死を迎えた、また別の聖者は沙羅双樹の木の下で…肉体を捨て去って煩悩から完全に解脱した聖者(ブッダ)と、奇跡の復活を起こしてまで生きるという事に執着した聖者(イエス・キリスト)…」

 

解脱(げだつ)=悩みや迷いなど煩悩の束縛から解き放たれて、自由の境地に到達した者

 

「「そこの貴女はどう解釈する?」

 

 

小町

「おやまあ…悪いねまたお邪魔して」 スタスタ

 

華「…何しに来たのかしら?」

 

小町

「え、サボりに来た」

 

華「サボりって…まあいいわ、死神の死生観から見て涅とは何なのか教えてくれないかしら?」

 

小町

「涅槃?そうだねぇ…あたいから言わせてもらうと」

 

 

「「ただの寿命」」

 

 

華「寿命?」

 

小町

「そう、生きてる内に煩悩を断ち切った人間だけに訪れる"安らかな死"だと思っているよ」

 

華「本当にそれだけかしら?都合の悪い事を隠してない?」

 

小町

「生きたまま寿命を超越しようだなんて思っているお前らよりかは…よっぽど扱いやすいと思うよ?」

 

華「うっ…」

 

小町

「そもそもそんな境地に達した奴に会った事ないから、正直よく分かんないさ」

 

華「そう…。それで結局、ブッダは釈迦如来となって今も天界に居ると思う?」

 

小町

「天界?いやぁどうだかなぁ…肉体は完全消滅したから難しいと思うけどねぇ」

 

華「どちらかと言うと神霊のような存在になってるのかしら?」

 

小町

「かもね。でも、仏舎利が残ってれば可能性は無きにしも非ずだね」

 

仏舎利(ぶつしゃり)=ブッダの骨

 

華「天人様になっても、肉体は重要…ね」

 

小町

「まあ、当たり前だね。でも、天人になりたいだなんて思うなよ?」 ブン…!

・鎌を振り下ろし

 

ピタ…

・華扇の"右腕"へ

 

華「え?」

 

 

 

 

 

小町

「もしなろうとだなんて思ったら、あたいが全力でお前を阻止するがな…」

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