~命蓮寺~
ザワザワ…
『噂には聞いていたが、本当にでかいなぁ…』
『こんなに大きな大仏…どうやって作ったのかしら?』
涅槃会イベントを開催している命蓮寺では連日、命蓮寺の裏にある大きな大仏を一目見ようと沢山の人が押し寄せる大盛況。
雲山
(ウトウト…)
ずっと涅槃仏を演じている雲山も、流石に眠気が襲ってきていた。
そして今日からの涅槃会イベントは一味違く…
霊夢
「いらっしゃいいらっしゃい!」
あうん
「涅槃仏を見ながらのやしょうまはいかがですかー!」
早苗
「謎のお団子、本当に謎だけど美味しいですよ〜!」
『おい見ろ!やしょうまだってよ』
『やしょうまってなんだ?』
『団子みたいらしいわね?』
『ちょうど腹が減ってたんだ、行こう行こう!』
ズラァァァァァァ…!!!
麟「聖さん、一輪、ほんっとうにこめんなさい!」 ペコリ
聖「あ、あはは…(汗)」
一輪
「やられた…(汗)」
涅槃仏の正体を知った霊夢が聖と一輪に『バラされたくなかったら、雲山の隣で商売させて』とヤグザもニッコリな手法で脅し、特等席でやしょうまの屋台を開いていた。それはもう…この手法にドン引きした麟は、精一杯の謝意も込めて2人に謝罪するくらいには酷い脅し方だったとか。
見物客も長時間並んで小腹が空いていたらしく、かなりの列がやしょうまの屋台に出来上がっていた。しかし、それを良く思わない奴も一定数は居るもので…
にとり
「おいおいおい!?なんで私らは本堂から離れた所で商売させるくせに、霊夢達はあんな特等席で屋台を開いてるんだ!」
にとりが憤慨して抗議をしに来ていた。
霊「ふふっ♪そ・れ・は…大仏が〜…」
一「わーっ!!」 ガバッ!
霊「[グググ…!!!]ムグゥ!?」
霊夢が特等席で屋台を開いている理由をガッツリ話そうとした瞬間、一輪が急いで口を塞いで阻止。おっと危ない
に「…?」
一「や、やしょうまは涅槃会に欠かせない食べ物で、霊夢に協力を仰いだんですよ…!」 アタフタ
に「ふーん…?」
麟「にとり」 スタスタ
に「あ、盟友!霊夢の奴があんなとこで商売してるの、ズルいと思わない!?」
麟「確かにズルいかもな…でも聞いた話だと、やしょうまっていうお団子は入滅の日によく食べる団子らしくてな、一輪と聖がどうしても霊夢に作って欲しいって頼んできたんだよ」
に「あの2人がねえ…?」
麟も大仏の正体がバレないように、何故特等席で屋台を開いているかの理由をそれっぽい嘘でにとりに話した。一輪のサポートといったところかな?
麟「ほれ、お前のやしょうまだよ」
スッ
・にとりそっくりのやしょうま
に「(トゥクン…♡)ま、まぁ…このやしょうまに免じて、これ以上は追及しないよ♪」 ルンルン♪
自分そっくりのやしょうまを受け取ったにとりは、分かりやすくルンルンな足取りで自分の屋台へ戻った。
麟「ふぅ…」
一「あんたねぇ…!?大仏の話は内緒っていう約束でしょうが!」 ヒソヒソ
霊「悪かったわよ…」
しかし、霊夢が大仏の正体をバラそうとしたのが仇となり…
『ね、ねぇ…なんかあの大仏様、なんか濡れてないかしら?』
『本当だ…!?さっきまで濡れてなかったような…?』
一輪・聖
「「!?」」 バッ!!
雲山
(ダラダラダラ…)
雲山が『自分の正体がバラされる!?』と不安になり、心が不安定になり始めていた。霊夢のせいで雲山が大汗をかき始めているのだ。
霊「…あ」
早「…あ!?」
あ「アウンッ!?」
一(や、やべーっ!?)
聖(マ、マズい…!?)
5人(このままじゃ、皆にバレる!?)
と、かなりマズい雰囲気なったその時
「「そぉれっ!!」」
バシャァッ!!
雲山
『!?』
皆『!?』
麟「ふぅ…すまない水蜜」
「いやいや、大仏様の掃除は1人でやり切れるものじゃないからね、私も手伝うよ。あと…下の名前で呼ばれるのは慣れないから、村紗って呼んでくれないか?///」
麟「了解♪あ、皆さんごめんなさい!?ちょっと大仏様の掃除をしようと思って水をかけてたんです〜!」
『なんだ…麟さん達が大仏を掃除する為に濡らしてたのか』
『なら納得だわ』
霊・早・あ・一・聖
『ふぅぅぅ…』
麟・村
「「ふぅ…」」
麟が雲山の汗を逆手に取り、村紗と一緒に大仏の掃除をするという風に見せる事で雲山の汗を流し、同時に見物客達の疑いの目も晴らしていた。
麟「雲山…霊夢にはキツく叱っておくから、安心しろ…」 ヒソヒソ
雲山
『…!』 コクリ
村「よし、さっさと掃除を終わらせよう!」
麟「あぁ、さっさと終わらせちまおう!」
ゴシゴシ
フキフキ
『『おぉ〜!』』 パチパチパチ!
大仏の掃除風景は一種の見世物になっており、こんな大きな大仏をいとも容易く掃除し続ける2人を見て、見物客達から拍手が巻き起こっていた。
スタスタ
麟「ふぅ〜…疲れた」
村「流石にあんなでかい大仏を洗うのは骨が折れるね」
一「2人共ありがどぉぉおおぉぉおぉぉ…!!」
麟・村
「「大泣きかよ…(汗)」」
聖「麟さん、村紗、ありがとうございます」 ペコリ
村「お礼は私じゃなくて麟に言ってやって?麟の機転がなかったらガチでバレてたし」
聖「麟さん…なんとお礼を言ったらいいのか…(チラッ)あ…」
あ・早
「「…(汗)」」
麟「てめぇはなんて事してくれてんだ…!」 ギリギリギリギリィ…!!!!
霊「(バシバシ!!)うごごごごg…!?わ、私が悪ござんしたから許じでぇ…!!」
霊夢にガチギレ状態の麟が、彼女の首を絞め上げていた。
麟「で、何の話してたっけ?」 ギリギリギリギリ…
霊「はなじでぇぇぇぇ…!!」
聖「えっと…雲山を助けてくれてありがとうございました」
麟「気にしないで♪全てはこの紅白巫女に責任を取らせるか…(ブォンッ…!!)らぁっ!!」
ダァンッ!!!
霊「ごっふぅっ…!?」
村「一本!」
トドメの一発に、なんとも美しいフォームの一本背負いを霊夢に決めてフィニッシュ!
麟「しっかし、なんでこんな事したんだ?バレたら一大事だぞ?」
一「…正直、命蓮寺の僧侶達は大仏を希望している者はいなかったわ…。でも、熱心な檀家の希望に折れて…雲山に頼んだの」
聖「私もそんな物に労力とお金は割きたくないと言ったのですか…一輪が『大仏くらいなら私と雲山に任せて』と言ってくれたので…」
麟「で、雲山に頼んだら案の定バレたと…な〜にやってんだか」
村「私も言ったはずだ、やめとけって」
一「すみませんでした…」
麟「まぁ…良い事もあるけどね」 ゴソゴソ
村「ん?」
麟「(スッ)ほれ、最高級の日本酒」
一「日本酒!?」 キラキラ
聖「ちょっと麟さん…命蓮寺はお酒禁止なのですよ?」
麟「雲山と一輪が身体張ってここまでしたんだ、今日くらいは一輪と雲山に飲ませてあげなよ?それに、折れた聖さんにも責任はあるんだから」
聖「ウッ!?(グサッ!!)そ、それもそうですね…」
一「聖…!」
聖「一輪、今日だけ特別に…雲山と味わいなさい♪」
一「やったーっ!」
早「麟さん、どこでそんな上等な日本酒を?」
麟「これ?神奈子さんから貰った『餞別だ』って」
早「神奈子様…一体どんな思惑で渡したんですか…!?」
麟「それは、知らぬが仏ってやつ」
霊「(ムクリ)あそうだ!博麗神社にも神像が欲しいから雲山を貸してほし…」
麟「(ガシッ!!)いい加減にせんか貴様ぁッ!!」 ブォンッ!!!!
バギィッ!!
霊「ギャーッス!!!!?」
早・村
「「一本!!」」
聖・一輪
「「やれやれ…(汗)」」
その後、無事に涅槃会イベントは終わったが…いつもは寡黙な雲山も流石に今回の件で心身共にヘトヘトになり
雲山
『涅槃は寝るヴァーナに限る…』
と、実際に言ったとか…言わなかったとか?真偽は定かではない。
~華扇の屋敷~
小町
「(パクッ モグモグ)う〜ん…なかなか美味いねぇ♪」
華「でしょう?(モグモグ)私も結構気に入ったわ♪」
小町
「にしても、やしょうまが仏舎利…ね」 モグモグ
華「やしょうまが、本来捨て去ったはずの仏陀の肉体の名残だと私は思っているわ」
小町
「つまりお釈迦様は完全に肉体を滅していない…かぁ」
華「色とりどりのやしょうまが仏舎利から生まれたという事を表しているのなら…お釈迦様は仏性よりも神聖を持っている事には違いないと思うのだけれどね」
小町
「なら…あたいも川を渡る亡霊にても聞いてみようかな」
華「何を聞くの?」
小町
(フッ…)
「「悟りを開けば本当に天界へ行けるのか…お釈迦様は今でも存在していると思うか…ってね」」