華月麟の幻想記   作:華月麟

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通用しない常識

声の正体は…

 

霊「西行寺幽々子…麟を返してもらうわよ!」

 

博麗神社に居るはずの霊夢が目の前にいた。しかも霊夢だけじゃない…紫さんと藍さんまで居た。

 

しかし…3人の顔はどこか険しい顔をしていた。

 

麟「あ、紫さんと藍さんお久しぶりです。」

 

紫「久しぶり、麟♪…幽々子、自分が何をしようとしているのか分かっているの?」

 

幽「あら、随分と早い到着ね?私の予定では、まだここには来ないと思っていたのに」

 

藍「幽々子様…貴女はなんて事をしようとしているのですか!?」

 

なんだなんだ?紫さん達は凄い剣幕で喋ってるし、幽々子さんはどこか不穏な感じがするし…。妖夢も何かしら知ってるのか?

 

妖「ゆ、紫様、これは一体?」

 

あ、妖夢も特に分かって無さそうだ。てことは幽々子さんだけが全てを知っているのか?

まぁ、そんな事はさておきだ…

 

麟「何してくれてんだよ霊夢。おかげでせっかく妖夢が作った料理が食べられないじゃん」

 

霊「うるさい能天気!貴方は料理を食べなければいいの!おとなしくしてて!!」

 

麟「えー…ほんとに何事なんだ…?」

 

紫「麟…幽々子が白玉楼に貴方を食事に誘ったのは、貴方を冥界の住人にする為なのよ」

 

冥界の住人にする為に俺を食事に…?

 

麟「でもどうやって俺をここの住人にするのさ?」

 

藍「黄泉竈食だ」

 

麟・妖

「「黄泉竈食…?」」

 

霊「麟が知らないのは当たり前のこととして…妖夢、どうしてあんたはしらばっくれるの?あんたも幽々子の計画を知っているんでしょ?」

 

妖「わ、私はただ幽々子様から麟さんを白玉楼に招くようにとしか聞いてませんよ!?だから今、この状況が理解出来ていなくて…」

 

紫「霊夢、あの様子だと彼女も利用されたのよ」

 

霊「ふん…!」

 

麟「…幽々子さん、どういう事なのか説明してもらえますか?」

 

全てを知ってるのは本人だけだ。でも信じたくない、彼女がそんな事を考えていただなんて…。

 

 

幽「…そうよ?私が麟をここに誘った理由は、黄泉竈食をさせて冥界の住人にさせる為よ」

 

 

麟「えっ…?」

 

嘘だ…幽々子さんがそんな事を考えていたのか!?なんで…何でそんな事を!?

 

麟「な、何でそんな事を!?」

 

幽「あの宴会の後、私は思い出したのよ。私には流翠という婚約者がいたけど、彼も西行妖の下で死んだ。けど、今回の異変で西行妖の誕生までの歴史、彼の持っていた腕輪、そしてあの遺言書!この3つで私は確信したの。麟、貴方は流翠さんの生まれ変わり、私ともう一度、一緒になる為にこの幻想郷にやって来た。だから私は画策したのよ、麟に冥界の食べ物を食べさせ、命を奪い、冥界の住人にして永遠に私と一緒にいさせるって」

 

妖「幽々子様…なんて事を!!?」

 

やっぱり…俺が感じていた不穏な雰囲気は嘘ではなかったのか…。俺が感じていたのはこの人の欲望だったのか…。

 

ん?でも待てよ?黄泉竈食ってたしか…

 

麟「黄泉竈食ってさ、死人の食べ物を生きた者が食べるんだろ?」

 

藍「そうだが…それがどうかしたのか?」

 

麟「いや、花見の時に団子食ってんだけど…」

 

藍「なっ…!?」

 

紫「め、冥界の食べ物を食べてしまったの!?」

 

麟「う、うん」

 

霊「一足遅かった…!?」

 

幽「うふふ♪そうよ?私は白玉楼でお花見をする時にお団子を麟に食べさせたわ?貴女達が私の計画を察知してここに来るのも分かっていたわ!だから、強力な結界に怨霊達を待ち構えさせていたのよ!時間稼ぎの為にね!貴女達が急いでここまで来たのは結局は無駄足だったのよ!あはははははっ!!」

 

妖「ひ、酷いですよ幽々子様!私の料理を麟さん殺しの為に利用したんですか!?」

 

幽「人殺し?違うわよ、もう一度婚約者と一緒になる為に連れ戻してもらっただけよ?」

 

妖「それでも…あんまりですよ!!」

 

幽々子さんの顔は異変の時よりも恐ろしいものを感じた。それはフランと初めて会った時に似たもの…狂気だ。

 

麟(てことは俺、もう死んでいるのか…?)

 

ん?だとしたら何で苦しまずに俺は普通でいられるんだ?

 

麟「な、なあ…黄泉竈食ってさ、食ったらすぐに反応が出るんじゃなかったっけ?」

 

幽「え…?」

 

霊「貴方…何を言って…」

 

麟「いやだからさ、黄泉竈食って生きてる人間が冥界の食べ物を食べたら、すぐに反応が出て死ぬんじゃないのか?それに…死んでたら今ここに俺は居なくて三途の川に流れてないのかなって」

 

藍「す、少し待て…調べてみる」 ペラッペラッペラッ

 

紫「もしかすれば…幽々子の計画は失敗?」

 

幽「そんな訳無いわ!?黄泉竈食を生きた者がすればその場で死に、亡霊となるのよ!?」

 

藍「あった…!なになに…?黄泉竈食をした人間は、食べた瞬間すぐに拒絶反応を起こし、死に至る。…と書かれています紫様」

 

紫「麟、貴方本当に食べたのよね?」

 

麟「う、うん…すんごく美味い団子を食ったよ」

 

霊「…ちょっとごめん!」 ピトッ

・麟の胸に耳を当てる

 

ドクンッ…ドクンッ…ドクンッ…

 

強い心臓の鼓動を感じる…

 

麟「ど、どうかな霊夢?」

 

霊「まさかと思うけど…貴方、黄泉竈食をしたのに生きてるの?!」

 

幽「そ、そんなはずは無いわ!?確かにお団子は食べさせたもの!!」 ピトッ

 

幽々子さんも慌てて俺の胸に耳を当てて心臓の音を聞く。

 

ドクンッ…ドクンッ…ドクンッ…

 

幽「う、嘘…生きてる…どうして?」

 

麟「え、えぇ…?」

 

 

さぁ、これまた厄介な事になってきたぞ?

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