ドガガガガガガガガガガガッ!!
麟「はぁ!」 グア…!
バギィッ!!!
華「が…っはぁっ…!!?」
ズザザァッ…!!
華(グググ…!)
麟「な、なんだ今の感覚…全く手応えを感じない…!?」
霊「気をつけて麟!私の夢想封印ですら、華扇の身体には傷1つ付けられなかったわ!」
麟「マジか!?」
天「…」
華「な、なかなかに重い一撃だ…!だがその程度で私は倒れん!」
麟「無駄にめんどくせぇ奴!?」
麟と華扇の攻防は激しさを増していたが…彼がいくら華扇に攻撃を与えても、華扇の身体は大した傷もダメージも負っていなかった。このままでは麟の体力が先に尽く可能性が大いにある。
華「ふ…ふはははは…!万事休すか…!?」
麟「ちっ…!?」
天「麟!そこに落ちている笹包みを漁ってみろ!」
麟「笹包み…!?(キョロキョロ)あ、あれか!」 ガシッ!
麟は天子の言う通り、傍に落ちていた笹包みを拾い上げた。
霊「あ、あれは華扇がくれたおにぎりの包み?あんなのを漁ってなんだって…」
天「まあ見てろって」
華「…」
麟「(ゴソゴソ…)この中何が入って…?[チクッ]いたっ…!?な、なんだ?」 ゴソゴソ…
包み紙の中から
キラッ…!
麟「こ、これは…!?」
童子
「(ビクッ!?)そ、それは…!?」
小さく鋭い金属の破片が出て来た。一見ただの金属片にしか見えないが、童子 基 華扇はその破片を見るや怯えるような表情を見せていた。
霊「な、何あの破片…?」
天「ほう…?」
童(ガクガク…)
麟(奴がこれを見て怯えている…?これが奴の弱点なのか…?)
童「そ、それは…」
「「妖刀鬼切丸の破片!!?何故それがそんなところにあるんだ!?」」
麟「!?」
霊「お、鬼切丸…?」
鬼切丸という聞き慣れない単語が茨木童子の口から放たれた。だがあの怯え方を見る限り、その鬼切丸という物が彼女の弱点である事は確かだ。
童「何故あんな物が…!?」 ガクガク…
麟「な、なあ天子…これは一体どういう事なんだ?」
天「奴はなかなかの策士だな」
麟「ど、どういう意味だ?」
天「それは妖刀〖鬼切丸〗という刀の破片でな、鬼切丸ってのはこの世で唯一鬼を殺せる刀なんだ」
霊「つまり華扇と童子の弱点って事…!?でも、なんでわざわざおにぎりの包み紙の中に仕込んであったの…?」
天「これは私なりの推測になるが…お前に右腕を切り落としてもらう為にわざと仕込んだんじゃないのか?」
霊「き、切り落とすって…あんな破片でどう右腕を斬れと!?」
天「おそらく、夢想封印に破片を混ぜて飛ばせば良かったんだろ。…結局お前は気づかずに戦闘を始めたから、全て水の泡だけど」
霊「あんなもん…空腹が限界って時に分かるかぁっ!!!」
天「うん…私がお前の立場でも同じ感想を言うと思う…」
麟「天子に同じく」
華扇は霊夢の為に、ちゃんと鬼退治用の準備をしていたというのに…それは全くの不発に終わってしまっていた。
<ブーブー!!
・文句の嵐
華「…ふっ」
(まったく…世話のかかる巫女だわ…。幻想郷に帰ったらもっと厳しい修行をつけてあげないと…)
自分の考えを汲み取れない霊夢に呆れ笑いをした華扇は、この戦いが終わったら霊夢に修行をつけないとなどと考えていたが…
華「うっ…」 グラ…
スウッ…
童子
「くっくっく…まさか本体に裏切られてしまうとはなぁ…!」
麟「(ピキーンッ)華扇の気が消えた…!?」
霊「えっ…!?」
天「もう一つの人格に精神を乗っ取られたか…!」
童「華扇め…最後の最後でこの私を裏切るか!いいだろう…貴様がそうするというのならば、これからは全て私が茨木華扇を支配し、博麗の巫女共々食らってやろうじゃないか!」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
自分自身に裏切られた事に憤慨した童子が華扇の精神も身体も支配、華扇の意識を完全に闇の奥底へと堕としてしまったのだ。
麟「…なあ天子」
天「なんだ?」
麟「奴の右腕を切り落としたら、その右腕はもう一度再封印できるのか?」
天「おそらくは可能だと思うぞ」
麟「霊夢、お前は動けそうか?」
霊「ご、ごめんなさい…さっきの夢想封印でほとんど力は…」
麟「そうか…なら俺がやるしかない」
天「お前がやるのか?夢想封印も使えないのに?」
麟「夢想封印が出来なくとも、可能性はまだ残されてるさ」
天「嘘ぉっ!?」
霊「ど、どんな方法が…!?」
麟「それは…」
「「鬼切丸を蘇らせる事だ!!」」