華月麟の幻想記   作:華月麟

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早苗の動向

早苗が隠岐奈に霊夢達と同等の生命エネルギーを与えられた翌日

 

 

~守矢神社~

 

 

オォォォォォォォォォォォォッ…

 

 

早「ぐぬぬ…!」

・瞑想中

 

 

早苗は少しでも暴れ狂う力を制御しようと、必死に瞑想を始めていた。しかし強大な力が瞑想の邪魔をし、あまり上手く瞑想が出来ているようには見受けられない。

 

神「…まったく、博麗神社から帰ってきたら、やけに早苗の霊力と神力が増大していると思ったら…摩多羅隠岐奈め、うちの早苗になんて事を…!」

 

諏「まあまあ、早苗が自分で懇願した事なんだから、部外者の私達があーだこーだ言う資格は無いんじゃないかい?」

 

神「何を言うか!?早苗は私達にとっては大切な愛娘同然…文句を言う資格はあるに決まっているだろう!?」

 

諏「それは…そうだけどさ…」

 

神「早苗に何かあったら、ただじゃおかん…!」 ギリッ…!

 

諏「まあ、私も気持ちは同じだよ。早苗の身に何かあったら…摩多羅隠岐奈を許しはしない。ところで早苗」

 

 

早「ふう…!ふう…!「早苗!」(ビクッ!?)は、はいっ!?」

 

 

諏「少しくらい休んだらどうだい?瞑想を始めてかれこれ1時間は過ぎているよ?」

 

早「はぁ…はぁ…す、すみません…諏訪子様…」 ポタポタ…

 

神「それになんて量の汗だ…今、お水を持ってくるから待ってなさい」 タッタッタッ…

 

早「お、お構いなく神奈子様…!?」

 

諏「いいや、少しは私達の言う事を聞きなさい。根詰めすぎると、己を滅ぼすよ」

 

早「す、すみません…」

 

摩多羅隠岐奈が早苗に与えた力は、かなりの精神的負担、身体的負担をかけているのは今の早苗を見ればすぐに分かる。今の彼女は相当に疲弊している。

 

 

~博麗神社~

 

 

サァァァァァァァ…

 

麟「ふう…なんとも心地良い春風だこと」

 

一方博麗神社では、麟はいつも通り博麗神社の屋根上でのんびりしていた。

 

 

キラッ…

 

ギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ…!!!

 

「「あ~やゃやゃやぁあぁあぁあぁっ!!」」

 

 

麟「…あのやかましい声さえ聞こえなければ、もっと心地良いのに」

 

 

ヒュゥゥゥゥ…スタッ

 

 

文「清く正しい射命丸文、参上ですよ麟さん!」

 

 

麟「はいはい、いらっしゃい文」

 

文「う~ん淡泊過ぎる反応」

 

麟「見慣れてきたからな。それで?何か俺に報告やら質問やらする為に博麗神社に来たんだろ?」

 

文「やややっ!?そこまでお見通しなんですか!?」

 

麟「俺とお前の仲だ、お前が用も無く来る事自体が少ないだろ?」

 

文「あややぁ…そこまで見透かされていたとは…。それにしても…〖俺とお前の仲〗ですか、なかなかにカッコイイセリフですね♪惚れちゃいますよ?」

 

麟「昔のお前に惚れられるのは勘弁だけど、今のお前なら別に構わないかな」

 

文「んなっ!?///…そういう事をサラッと言うから、ダメなんですよ?///」

 

麟「そりゃさーせん」 カプ

・何か咥える

 

文「おや麟さん…それって?」

 

麟「ん?」

 

麟は煙草のような何かを咥えている。

 

文「つ、遂に麟さんも煙草デビューですか!」

 

麟「あ?ああこれか、これは煙草じゃなくて棒形状の砂糖菓子だよ。ココアシガレットってやつ」

 

文「ああ、最近人里の子供達を中心にはやっているあの駄菓子ですね?それ、美味しいんですか?」

 

麟「糖分補給にはうってつけ。文も食うか?」

 

文「いえいえ、私は遠慮しときます。あ、一枚そのお姿を写真に収めても?」

 

麟「どうぞどうぞ」

 

文「あやや♪」 カシャッ

 

麟「あ、そういやこの前の宴会で…なんかシャッター音がバリくそうるさかったんだが…」

 

文(ピクッ…)

 

麟「あれ…お前とはたてじゃないよなぁ?」 ニコニコォ

 

文「ア、アハハハハ…ナンノコトデショウカ?」

 

麟「正直に言え」

 

文「秘神様にお願いされてやりました!」 ドゲザー

 

麟「あの野郎…まあいいや。それで?色々と話が脱線したけど、何しに来たんだ」

 

文「ああ…実はですね」

 

 

「「東風谷早苗の件で来ました」」

 

 

麟「(ピクッ)早苗の件…か」

 

文「はい」

 

麟「それは、霊夢も混ぜて話した方が良さそうだ。お~い霊夢~!」

 

 

霊「(ヒョコッ)な~に~!」

 

 

麟「ちょいちょい」

 

霊「…?」

 

麟に訳も分からず呼ばれた霊夢は、とりあえず麟に従って屋根上へ。

 

 

ヒュゥゥゥゥ…スタッ

 

霊「何よ、いきなり呼び出して…って文?あんたもいたのね」

 

文「どうもどうも♪」

 

麟「文が早苗の件で話したい事があるんだってさ」

 

霊「あいつの件で?何よ」

 

文「いやぁ…実はですね?昨日から早苗さんの纏う霊力?それとも神力?どちらでもいいですが、それが異様な程膨れ上がってですね…天狗の里でも軽い騒ぎになっていまして」

 

霊「ああ…なるほど?」

 

麟「あちゃ~…」

 

文「まあ…いきなりあんな強大な力を1日で身に付けるのは不可能だと思うので、さしずめ摩多羅隠岐奈様が関係しているのでしょうと思いまして。それが聞きたくてここに来ました」

 

霊「なるほど、そういうわけで来たのね」

 

文「実際、奴が関わっているのでしょう?」

 

麟・霊

「「正解」」

 

文「やっぱり…」

 

麟「けど…そんな事を聞くって事は、早苗に何かあったのか?」

 

文「今日ここへ来る前、守矢神社の様子をちょっと見て来たのですが、早苗さんの顔が苦痛の表情で歪んで見えまして…」

 

霊「苦痛の表情で歪んでる…(ハッ…!)麟、もしかして早苗は…」

 

麟「ああ、隠岐奈から与えられた力が上手く制御出来ていないっぽいな」

 

文「一体、昨日のうちに何があったんですか?」

 

霊「簡単に言ってしまえば、強くなりたいからって隠岐奈から力を貸してもらってるのよ。5日間だけね」

 

文「なるほど(カキカキ)でも、どうしてそんな事をあの秘神に頼んだのですか?」

 

麟「まあ…早苗曰く『俺や霊夢の見る景色を、自分も見てみたい』って理由でな…」

 

文「なるほど…そういうわけですね。そういえば…早苗さん、昨日博麗神社に向かう時『霊夢さん達に強さの秘訣を聞いたところで、何かアドバイスをくれるのかなぁ…?』って言ってましたね」

 

霊「別に…早苗は早苗の長所を活かせば良いと思うのに…」

 

麟「…もしかしたら早苗は、俺達に対して〖劣等感〗や〖嫉妬〗の念を抱いているのかもな」

 

霊「嫉妬?劣等感?なんで」

 

麟「早苗からしてみれば、俺と霊夢は『何の苦労もしないで力を手に入れた存在』って思われてたりな」

 

文「なるほどなるほど…確かにそういった考えを早苗さん自身が抱いていれば、自然と力を欲したくなるのも頷けますね」

 

霊「はぁ…もし早苗がそんな事を思っていたら、私は怒るけどね。『私や麟は血が滲むような努力をしてきた。それを知らないお前に嫉妬される筋合いはない』って」

 

麟「んな事、絶対に早苗に言ってやるなよ?」

 

霊「早苗から『努力もせずに!』ってニュアンスの言葉を吐かれたら言ってやるわ」

 

文「おぉ~怖い怖い。とにかく後3日、早苗さんの動向に気を付けた方が良いとだけ、ご報告しに来ただけです」

 

霊「わざわざありがとう文。その忠告、しっかりと覚えておくわ」

 

麟「文、早苗にまた何かしらの変化が見られたら、逐一報告をしに来てくれないか?」

 

文「分かりました、あと3日間、彼女の観察をしておきます。何かあればすぐにでも報告しに来ますよ。(フワァァァ…)それじゃっ!」 ギュアァーン…!!

 

お互いの情報交換を終えた射命丸文は、麟との約束を交わして自分の持ち場へと去っていった。

 

 

霊「ねえ麟…わざわざ文にあんなお願いをする必要はあったの?」

 

麟「俺の直感がこう言ってんだ」

 

 

『早苗絡みのトラブルが、何かしら起きるかも』

 

 

麟「って」

 

霊「奇遇ね、私も貴方と同じ事を思っていたわ。…そう考えると、文に観察を頼んだのは正解なのかもしれないわね」

 

麟「ああ、早苗に何かあってからじゃ…遅すぎるからな」

 

霊「そうね。…それにしても麟」

 

麟「ん?」

 

霊「そのお菓子…ココアシガレットだっけ?なんだか煙草にそっくりね」

 

麟「だろ?でもちゃんと甘くて美味しいぞ」

 

霊「…なんか、煙草吸ってる風の麟もカッコよくて…(ポッ///)私は好きかしら///」

 

麟「ん、そうか?」

 

霊「大人っぽい感じが…いいわ///」

 

麟「普段は?」

 

霊「もちろん、普段もカッコよくて好きよ?」

 

麟「そいつはどうも♪」

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