華月麟の幻想記   作:華月麟

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冥界からの贈物

麟「ふわぁぁ…(ムクリ)もう朝かぁ…」 スタスタ…

 

大きなあくびをしながら起き上がった俺は、外へ向かった。

 

 

 

~博麗神社~

 

 

冥界でのいざこざがあってから俺はしばらくの外出禁止命令を霊夢と紫さんから食らっていた。挙句の果てには、『その優しさはいずれ、己に身を亡ぼすかもしれない』と紫さんと藍さんに言われる始末だ。

 

麟(…俺の何が分かるんだよ。俺に何を知ってんだよ、あんた達が…)

 

俺は心の中で愚痴をこぼしていた。

 

スタスタスタ…

 

霊「麟、まさかとは思うけど出かけるつもりじゃないわよね?」

 

霊夢も最近は俺の監視役として、よく俺の事を見て来る。霊夢も2人と同じように俺にくぎを刺してくるようになっていた。今の俺は常にこんな状態なので

 

麟「これがフランの気持ちか…」

 

と、監禁されていたフランの気持ちを体験しているような感覚だった。

ただ、フランと違うのは監視されているかされていないかの違いである。

 

霊「何言ってんのよ?」

 

麟「お前には関係ない」

(今の気持ちは霊夢に言ったって分かりやしないからな)

 

はあ…こういう時に限って魔理沙とかは来てくれたりしないからつまらないよな。

 

麟「やる事も無いし、今日も瞑想をして力を上手くコントロールするにはどうしたらいいか考えてみよう」

 

何度か戦闘を体験してきたが、その戦闘の時に必ず感じているのは無駄な力の消耗である。戦闘中に余計な力も放出している為、いつも息切れしやすくなっているのだ。だから瞑想をして力を上手くコントロール出来るように特訓をしているのだが、ここ最近はずっとこんな生活をしている。一体いつまでこんなことしているつもりなのだろう俺は。

 

麟「さっそくやりますかね」 ドウッ スタッ

 

俺は博麗神社の鳥居の上に座り…

 

麟「ふぅ…」

 

目を瞑り、瞑想を始めた。

 

霊「また瞑想ね…。たまには私と話してくれてもいいのに…」

 

最近の麟は、私との会話は必要最低限の会話だけをして、後に時間は瞑想をしたり、1人で修行したりの毎日を過ごしている。ここ最近は麟とまともな会話をした記憶がない…。

 

スタスタ

 

遠くから足音が聞こえてきた。

 

霊「あら、誰かしら?」

 

妖「久しぶり、霊夢」

 

…冥界の従者がやってきた。また麟の事を誘いに来たのかしら?

 

霊「…何の用かしら妖夢」

 

妖「そんな睨まないでよ。今日は麟さんにある物を届けに来ただけだよ」

 

霊「ある物?」

 

妖「うん。それで麟さんはどこにいるの?」

 

霊「鳥居の上で瞑想してるわよ」

 

妖「鳥居の上?…あ、本当だ。おーい!麟さーん!!」

 

 

<おーい…!麟さーん…!

 

 

麟「…うん?」

 

…修行中の俺を呼ぶ声が聞こえた。この声は霊夢でも紫さんでも無い。この声は…

 

麟「妖夢!?妖夢か!久しぶりだなー!」 スタッ

 

瞑想をやめて鳥居から妖夢の元へ降りた。

 

 

妖「お久しぶりです麟さん」

 

麟「久しぶりだな妖夢。今日は何の用で来たんだ?」

 

霊(随分と嬉しそうに話すのね…。私となんかあまり話さないくせに)

 

妖「幽々子様が麟さんに渡して来て欲しいって」 ゴソゴソ

 

霊「(ピクッ) 幽々子が麟に?まさかまた食べ物かしら?」

 

妖「ううん、今回は食べ物じゃなくてこれを渡して欲しいって」 スッ

 

そう言って妖夢が取り出したのは桐の箱だった。

 

麟「な、何これ」 ガシ

 

俺は恐る恐る受け取った。

 

妖「開けてみてください」

 

パカッ

 

麟「…これは耳飾りか?」

 

チャリン

 

箱の中に入っていたのは、羽根の形をした耳飾りだった。

 

霊「なんでこんな物を麟に?」

 

妖「白玉楼の押し入れを整理していたら出て来てたんだって幽々子様が言ってて、これをどうしたらいいかと聞いたら『麟に渡して欲しい』って言ったから渡しに来ただけだよ。理由は分からないけど」

 

霊「…なんで急に」

 

麟「…これも流翠さんの形見みたいなものなのかな?」 カチャカチャ…

 

俺は貰った耳飾りを右耳に装着した。

 

霊「あら似合ってるわよ麟」

 

妖「お似合いですよ!」

 

麟「そうかな?」

【挿絵表示】

 

 

何故か耳飾りを付けてから、どよんでいた心が物凄く晴れやかな気持ちになった。

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