麟「(フゥ…)ふっ…少しばかり、やりすぎたかな…?」 ドスン…
蝕との戦闘を終えた麟は変身を解除し、ゆっくりとその場に座り込んだ。
ピューン…
耳「お〜い、麟君〜」
純「我が息子よ〜!」
フ「お兄様〜!」
レミィ「ちょっと!?待ちなさいフラン!」
麟「…あ?(汗)」
戦闘を終え、その場に座り込んだ麟の元へ、なんとも言えない摩訶不思議な面子が向かって来ていた。
スタッ
純「我が息子よ!」
麟「はいはいなんでしょうか純狐さん」
純「東風谷早苗の為によくぞ奔走しました!」
麟「はい」
純「なので頑張った息子へ、母が愛の抱擁をしましょう!」 ダキッ ナデナデ
麟「[ナデナデ]は、はぁ…そいつはどうも…?」
純狐の言っている事がよく分からないが、悪い気分ではないのでツッコむのを放棄した麟。
純「(おでこにチュッ♡)友の為にあそこまで親身になり、そして怒り…そんな友思いの息子に母は感激よ…!」 ナデナデ
サラッとおでこにキスのプレゼント付き。
麟「あはは…(汗)」
スタッ
耳「いやはや…実に素晴らしい光景だったよ麟君」
麟「言うてそんな素晴らしい光景だったか…?」
耳「君からしてみればそうでは無いかもしれない…だが、私からすればとても素晴らしい光景だったよ!闇を完璧に我が手中に収めていたあの姿、あれが噂に聞いていたネメシスという姿かい?」
麟「いいや、あれはネメシスの真の姿〖レーヴァテイン〗だ」
耳「レーヴァテイン…実に素晴らしい響きだ。それにしても…どうしたら君のように自分の闇を手中に収める事が出来るのか、教えてはくれないか?」
豊聡耳の目指している境地は〖自分自身の闇を完全に我が物としている華月麟〗らしく、レーヴァテインへと姿を変えた麟に興味津々で、更には質問責めだ。
麟「どうすれば自分自身の闇をコントロール出来るか…ね」
耳「仙人の私でさえ、自分自身の闇は上手く制御出来ない…だが君はいとも容易く制御している!どうすればいいのか教えてはくれまいか!?」 ワクワク!
麟「んなもん簡単だよ」
「「自分自身の闇、本性を否定するな。裏の顔の自分ですら受け入れろ」」
麟「ってとこ」
耳「なるほど…自分自身の闇を否定せず受け入れるか…。とてもいい教えを頂いた!是非、今後の参考にさせてもらうとしよう!」
麟(今後の参考って…一体神子さんはどこを目指してんだ…?)
フ「お兄様〜!」 ダキッ!
麟「お〜っほっほ〜!?どしたフラン」
フ「あのねあのね!さっきのお兄様、すっごく"かっこよかった"よ!」
麟「…え?今…なんて?」
レミィ「あら…ちゃんとフランの褒め言葉を聞いていなかったのかしら?〖かっこよかった〗って言ってるのよ。ねぇフラン?」
フ「うん!すっごくかっこよかった!♪」
麟「そうか…そうか…!そうか!!」 ダキッ!!
フ「わわぁっ!?」
フランからの意外な言葉に、麟は笑みが零れた。そして喜びのあまりフランを強く抱き締めた。色々と吹っ切れたのだろう。
麟「そうかそうか!かっこよかったか!?はっはっはっ!流石はフラン、よく分かってやがるよ!」
ワシャワシャワシャ!!
フ「わ〜っ!?♪」
レミィ「それにしても、あの変身姿はなんなのかしら?明らかにネメシスとは違うようだったけれど」
麟「ああ、あれか?あれはレーヴァテイン、ネメシスの真の姿だ」
フ「レーヴァテイン!?私のスペルだぁ!♪」
レミィ「何故…よりにもよってフランのスペルをコードネームに…!?ウラヤマシイ…」
フ「どうしてレーヴァテインって名前にしたの?」
麟「それはな?俺に、神に背く者・レーヴァテインという二つ名があったから、そこから拝借して進化したネメシスにレーヴァテインって名前を付けたんだ。んで、レーヴァテインの時に使ってる武器もレーヴァテインって名前なんだぞ?」
レミィ「どっちにもレーヴァテインという名前を付けたの!?ややこしいわね…」
フ「私のスペルがお兄様の新しい力に使われた…えへへ♡」 モジモジ
フランドールは自身のスペル名が義兄に選ばれた事に喜びを感じている。またまたフランドールとの親密度が上がった!
レミィ「それにしても…あれだけ素晴らしい力を身につけているのだから、私の代わりに紅魔館の主になって欲しいくらいだわ」
麟「あん!?俺が紅魔館の主に!?」
レミィ「ええ」
フ「それ賛成!私は大歓迎だよ!咲夜達も喜ぶし〜♪」
麟「な、なんで俺が…?」
レミィ「貴方にはその資格がある、それだけよ」
フ「だめ?お兄様」
麟「丁重にお断りさせてもらう」
レミィ「そう…貴方がそう言うのなら仕方ないわね」
フ「えーっ!」
スタッ
霊「麟…!」
麟「…霊夢。ふっ…悪い、皆が見てる前でレーヴァテインの力を使っちまって」
霊「…いいわよ別に。それに早苗があんな事言われて、貴方が怒らないはずが無かったものね」
麟「すまないな…なぁ霊夢」
霊「…何?」
麟「お前はさ…」
「「俺がどんな姿になっても、どんな力を纏おうとも…受け入れてくれるか?」」
霊「…!ふふっ、当たり前じゃない。どんな姿でも、どんな力を纏おうとも…麟が麟である事は変わらないじゃない」
麟「…!そ、そうか…なんか野暮な質問して悪いな…」
こ「私も受け入れるよ〜!」 ヒョコッ
さ「わ、私もです!」 ヒョコッ
メディ「わ、私も!」 ヒョコッ
麟「お前らまで…」
こ「最初は怖かったけど、早苗を守る為にした事だもん!お兄ちゃんは間違った事をしてない!」
さ「大切な友達を守る為に自分自身の手を汚す…兄さんらしい優しさですね♪」
メディ「さっすがは私達の兄ちゃ!」
麟「…お前ら〜!」 ムギューッ!
フ・さ・こ・メディ
『わぁ〜っ!?♪』
麟「愛おしい妹共め!」 ニパーッ♪
フ「うふふっ♪」
さ「えへっ…♪」
こ「えへへ〜♪」
メディ「にーっ♪」
霊「ふふっ…♪」
(麟がどんな姿になろうと、この子達との深い絆は切れない…か)
レーヴァテインを使った麟は不安で心がいっぱいだった…
〖あんなおぞましい力を纏った義兄を見てしまったら、もう自分を義兄として見てくれない〗
と。
だが、その不安は彼だけの杞憂だった…妹達は最初こそ恐れはしていたものの〖何故、義兄はそんな力を纏ってまで戦ったのか〗という真意をしっかりと理解し、そんな力を纏う義兄ですらを受け入れてくれた。
麟(こんな俺を受け入れてくれてありがとう…!)
もう彼の心に、迷いも不安も無い。
麟の霊夢・義妹達との間の絆は
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決して切れる事は無い
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誰にも切る事は出来ない
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例え切れても、すぐにまた繋がる