麟「しばらく姿を消そうと思う」
霊・紫・隠
『…!?』
彼の口から放たれたその衝撃的な言葉に、3人はただただ驚愕するしかなかった。
麟「?どしたよ」
霊「す、姿を消すって…幻想郷から出て行くつもりなの!?」
麟「まあ、形だけはそんなところだな」
霊「そ、そんな…!?」
紫「そんな事、貴方にさせられないわ!せめて偽物が捕まるまで私の家で…」
麟「偽物が捕まるまで、一体どれだけ時間が掛かる?」
紫「うっ…そ、それは…」
隠「もう君は幻想郷の住人、外の世界に君の家は無いぞ…!?」
麟「…あー、なんか勘違いしてるみたいだけど、そんな物理的に姿を消す訳では無いぜ?」
霊・紫・隠
『…へ?』 キョトン
麟の言い方にも問題があるが、『姿を消す』という言葉の意味を『出て行く』という意味に捉えていた3人は、素っ頓狂な声を出してしまった。
麟「俺が言いたいのは、今の名前と姿を捨てて別人としてしばらく生きるって意味なのさ。別人となっている間、華月麟はこの世には居なくなるって意味でもあるな」
隠「な、なるほど…確かに今の君は人里から蔑みの目で見られている。が…そもそも論、姿形さえ変わってしまえばその視線も無くなるわけか…」
紫「そして偽物さえ捕まえてしまえば…貴方は再び帰ってくる…」
麟「そゆこと」
霊「な、なんだぁ…(ホッ…)偽物が捕まるまでの間を、菫子の家にでも引きこもるのかと思ったわ…」
麟「ふっ…よほどの事が無い限り、お前の傍は離れないよ…霊夢」 パァァァァッ…
霊「コヒュッ♡///」 バタンッ!
・尊死
麟「霊夢が逝ったぁっ!!?」
紫「ちょちょちょ霊夢!?」
霊「あ、あふんっ…♡///」 チーンッ♡
隠「あんなロマンチックなセリフを無意識で…恐ろしい子だ…!」
ザッザッザッ…
麟「はぁ…まさか魅魔さんから教わったあれが、こんな時に役立つ日が来るなんて思いもしなかったな」
彼は自分自身を消す為に、居間の外へと出ていた。
隠「何をする気なのだろうか?」
紫「さぁ…?とりあえず分かる事は、自分自身の姿を変えるという事しか分かってないわね…」
霊(自分自身の姿を変える…ああ、そういう事ね…)
麟「…よし、やりますか」 バッ!
ギンッ!!
・足元に魔法陣展開
隠「おっ、始まったようだよ」
霊「果たしてどちらに変身するよかしら?」
紫「少しだけワクワクするわね…」
パァァァァッ…
麟「…変身」 パチンッ…!
カッ…!!
隠「ま、眩しいっ…!」
霊「す、凄い光ね…!」
紫「目がぁぁぁぁっ!!」
オォォォォォォォォォォォッ…
発光現象が徐々に収まり、現れたのは…
麟「…完了」
去年の夏祭り、魅魔から教えてもらった巫女姿の麟だった。
隠「ほぉ!?巫女姿とな?!」
霊「あら、随分と久しぶりね…あの服装」
紫「…意外と似合ってるわね」
?「…これで、華月麟は幻想郷から完全に居なくなった…」
霊「(タッタッタッ)麟!」
?「…」
霊「…麟?どうしたの?」
?「…麟は幻想郷から居なくなったわ」
霊「…え?」
亡「今の私は〖
「「ただの亡霊よ」」
黒百合とは百合の花であり、花言葉は〖復讐〗。
そして亡とは〖亡くなった〗や〖亡霊〗という意味がある。
つまり黒百合 亡という名前の意味は…
〖偽物へ対する"復讐"の機会を待ち望む、存在しないはずの亡霊少女〗
という意味になる。