~神霊廟~
ザワザワ…
麟「(スタスタ)ふ〜ん?結構久しぶりに神霊廟に来たけど…なんか、また弟子が増えてないか?」
後戸の国では隠岐奈が紫にボッコボコにされてるとは露知らず、麟は呑気に神霊廟の中を歩いていた。
ザワザワ…
『な、なんだあの子供は…どこから入ってきたんだ?』
『あの姿…どこかで見た事があるような…』
『とりあえず…太子様に報告しましょう…!』
見知らぬ子供に豊聡耳の弟子達はザワザワと騒ぎ始めていた。誰も、彼が小さくなってしまった麟だと気付いていないようだ。
麟「(キョロキョロ)知ってる人が誰もいない…これは参ったなぁ…(汗)」
周りには名前も知らない豊聡耳の弟子だらけ。名前を知っている人なんて1人も居るはずがなく…早速立ち往生していた。神霊廟の本堂まで歩いてお邪魔しますをすれば良いだけの話なのだが、なんの前触れも無しに神霊廟に来てしまった事に若干の罪悪感を抱いていた。
…なんでそういうところはしっかりしてんだか。
ザッザッザッザッ…
麟「…うん?」
耳(神子)
「なんだと?見知らぬ子供が、我が神霊廟に居る?」
『そうなのです太子様…!』
布都
「人間の童が…一体どうやってこの神霊廟に迷い込んだのじゃ…?」
『そ、そこが全くもって不明でして…』
蘇(屠自古)
「なんだか要領を得ないなぁ…」
『わ、我々も突然の事で混乱しておりまして…!』
麟「おっ♪ラッキーラッキー♪」
噂をすればなんとやら。今、最も会いたかった者達が弟子達から報告を受けて実際に確認をしに来たようだ。
布「お…?あそこにちょこんと立っている者が、例の子供か?」
『そうです物部様!あの子供です!』
耳「…んん?」
(あの容姿…どこかで一度目にした事があるような…?)
蘇「…ん?」
(あの子供…誰かに似てねえか…?)
麟「おーい!屠自古さ〜ん!♪」 ブンブン!
<おーい!屠自古さ〜ん!
蘇「…こ、この声…まさか!?」 ダッ!!
耳「屠自古!?どうしたのです!?」
『蘇我様!?』
布「屠自古!?ど、とうしたんじゃ〜っ!?」
その声を耳にして、屠自古が1番最初に反応。勘がいいな?
ダッダッダッダッダッダッダッ!!
麟「キタキタ♪」
蘇「麟〜!♡」 ダキッ!!
麟「[ダキッ!!]どわーっ!?」
蘇「なんだよ〜!♡うちに迷い込んだ子供って、力を使い過ぎて子供になったお前の事だったのか!♡来るなら来るって一報入れろよな〜?♡」
麟「ごめんごめん、色々と急で…」
蘇「気にすんな気にすんな♪♡」
タッタッタッ…
耳「や、やはり…!どこかで1度目にした事があったと思ったら…麟君だったのか!」
麟「あ、神子さんも布都もどもども♪」
布「麟殿!?ま、また随分と小さくなられて…」
『こ、この子供が華月様!?話で聞いていた容姿とは…全く違いますが…?』
耳「ああ、君は知らなかったか。彼は体内に宿す霊力を使い過ぎると、著しく身体が小さくなってしまうのさ。覚えておくといい」
『は、はぁ…分かりました…』
蘇「ふふっ♡」 ギューッ♡
麟「~♪」
耳「にしても…だ。いきなり何の一報も無しに神霊廟へ来るだなんて、関心しないぞ麟君。何かしら一報をくれれば、私もそれなりのもてなしの準備はしたのだぞ?」
麟「あはは…神霊廟に来るって決めたのが、ついさっきだったからね。…迷惑だったかな?都合が悪いなら…けど」 シュン…
蘇(キッ!)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!!
耳「!?」 ゾクッ!
屠自古は神子に対して
『おい、まさかと思うがこのまま麟を帰すとか言わないだろうな?帰したら…ぶっ飛ばすぞ太子…』
と言わんばかりの恐ろしい剣幕を放つ。
蘇(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…)
耳「ま、まぁ…せっかく君から直々に神霊廟へ来てくれたんだ、それなりのおもてなしをさせてくれ♪」
麟「わーい♪あ、更にわがままを言ってもいい?」
耳「わがまま?何かな?」
麟「今日、泊まってもいい〜?」
蘇「お、お泊まり…だと!?♡」
耳「はははっ♪別に構わないさ!むしろ大歓迎だよ!そちらの方が屠自古も嬉しいだろうしね」
麟「やったー♪」
布(太子様…屠自古に怒られるのが怖くて折れたな?)
蘇「今日は神霊廟に泊まっていくのか!♡そうかそうか♡なら早速、お前の為にお茶を淹れてやらなくちゃな!♡しっかり捕まっとけよ?」
麟「お、おーっ!」 ダキッ
蘇「はぁぁっ…!」 バチバチィッ…
ギュンッ!!
ギュオォォォォォォォォォォォォォッ!!
麟「どわーっ!!?」
蘇「おらおらそこを退きやがれお前らぁっ!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!
『うぉぉぉっ!?』
『な、なんだ今のは!?』
『い、今のは蘇我様!?』
『こ、子供を抱き抱えておられたぞ!?』
蘇我屠自古というなの嵐が、弟子達の中を突っ切て神霊廟の本堂へと猪突猛進。
耳「はぁ…やれやれ、屠自古には困ったものだ…(汗)」
『そ、蘇我様のあのようなお姿、初めて拝見しましたよ…』
布「屠自古の奴、麟殿に会ってしまうとあの調子になるんじゃよ」
『そ、そうなのですね…』
耳「屠自古も麟君に一目惚れしてしまった1人だからな…彼を前にすると、彼へ対する思いが爆発してしまうんだろうな…」
布「恥晒しもよいところですぞ…」
耳「あはは…確かに、それは少し言えてるかもしれんな(汗)」