華月麟の幻想記   作:華月麟

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ヤロカ水の本当の正体

麟「まさか…地上に鬼傑組の残党が居るだなんてな…」

 

霊「カワウソ霊が居るってことは…狼と鷲も居るってことよね?」

 

麟「だろうな…」

 

カワウソ

『…それで?あんた達は俺をどうするつもりだい?このまま退治するかい?それとも畜生界に送り返すかい?』

 

麟「…どうする?」

 

霊「別に…害は無さそうだからこのままでもいいかしら?」

 

カワウソ

『…!』

 

麟「それもそうだな〜」

 

カワウソ

『しょ、正気かあんたら…!?俺は…一度地上侵攻をした畜生界の動物霊なんだぞ!?』

 

霊「そんな事言うけど…あんたは畜生界に帰りたいの?」

 

カワウソ

『…そ、それは』

 

麟「なんなら地上で生活してる方が、だいぶ生き生きしてるもんな」

 

カワウソ

『ギクゥ!?』

 

霊「そうね〜w実際どうよあんた、地上での生活は」

 

カワウソ

『最高っす!』

 

麟「そりゃよかった♪で?なんでお前はここにいるわけ」

 

カワウソ

『それ…今聞きます?』

 

麟「気にせず答えて」

 

カワウソ

『えっと…帰りそびれました…』

 

麟・霊

「「かわいそ〜…」」

 

カワウソ

『同情、痛み入ります…』

 

霊「ねえあんた…あんたって霊になる前は、今みたいな生活をしてたわけ?」

 

カワウソ

『ええ。俺達のような動物霊も、生前はこうやって自然と戯れてましたよ。昔は自然と戯れてたのに…死んで動物霊になったらあんな場所に転生してたって言うのかねぇ…?』

 

麟「嫌だなぁ…そんな転生」

 

カワウソ

『もうあんな地獄には戻れないよ…あの地獄で聞こえてくるのは人間霊の怨恨ばかり…あんなのを聞き続けていたら、精神が狂いそうだよ』

 

霊「その感じじゃ、畜生界に未練は無さそうね?」

 

カワウソ

『あるわけないじゃないですか!地上と畜生界の全面戦争は終わったんでしょう?それだったら俺の役目は終わったに等しい!これからは本物の川で本物のカワウソとして余生を過ごしますよ♪』

 

麟「そりゃ良い事だ♪」

 

霊「まあ、あんたがそれで生きていくと決めたならそれでいいんじゃないかしら?」

 

カワウソ

『ありがとうございます♪』 ペコリ

 

麟「あれ…?でも…畜生界は俺達が暴れたから相当弱体化しただろ?今は畜生界を立て直すのに組長達も必死…減らされた組の戦力も取り戻す為に、地上に残った動物霊達を探し始めてるんじゃ…?」

 

霊・カワウソ

「『…あ』」

 

麟「挙句の果てには畜生界に未練はありません!なんて今の発言を聞かれたら、八千慧の奴に殺されないか…?」

 

カワウソ

『そ、そうならないように…!』 アタフタ

 

 

ザバァッ!!

 

にとり

「私達河童が保護してるのさぁっ!!」

・川から飛び出てジャジャジャジャーン

 

 

麟・霊・カワウソ

『ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?』

 

 

に「あ…驚かせ過ぎちゃったかな…?」

 

 

麟「あわわわわわわわわわっ!?」 バタバタバタバタ!!

 

バシャーンッ!!!

 

 

霊「麟!?」

 

カワウソ

『華月さん!?』

 

に「盟友ぅぅぅぅっ!?」

 

 

にとりが唐突に川から現れたものだから、麟は驚きすぎてしまった拍子に川の中へボッシュートになります。

 

 

ブクブクブクブク…

 

ザバァッ!!

 

麟「くぉらぁっ!!にとり、てめぇ!?」

 

に「ご、ごめん盟友!(バッ!)私の腕に掴まって!」

 

麟「こんの…!」 ガシッ!!

 

に「一気に引っ張るから…」

 

麟「(ニィッ…)天誅!!」 グイッ!!

 

に「[グイッ!!]うわぁっ!?」

 

バシャーンッ!!!

 

霊・カワウソ

「『なにやってんだ!?』」

 

ブクブクブクブク…

 

ザバァッ!!

 

に「ぶはぁっ!?何すんだよ盟友!」 プカプカ

 

麟「お前のせいで俺はこうなったんだぞ!?」 プカプカ

 

に「悪かったよ!?」

 

霊「いいからさっさと上がってきなさいよあんたら」

 

麟・に

「「はーいっ」」

 

ザバッ…

 

ピチャピチャ…

 

麟「くっそ…びしょびしょなんだけど?」

 

に「悪かったってば…(チラッ)ぶっはぁ!♡///」

・鼻血大放出

 

麟・霊

「「にとりぃっ!?」」

 

に「(ポタポタポタ…)み、水も滴るいい男め…♡///」

 

麟「はぁ…?あと鼻血鼻血…」

 

に「あ、やべ」 フキフキ

 

霊「にとりは何を言って…(チラッ)ぶっはぁっ!!♡///」

・こちらも大放出

 

麟・に

「「お前もかい!」」

 

霊「(ポタポタポタ…)麟…お願いだから今すぐ着替えて…目のやり場に困るわ!♡///」

 

に「そこは激しく同意する!♡///」

 

麟「ったく…」 バッ!

 

 

ギンッ!!

・魔法陣展開

 

 

麟「変身」 パチンッ

 

 

カッ…!!

 

 

カワウソ

『ま、眩しいっ!?』

 

オォォォォォォォォォォォッ…

 

【挿絵表示】

「ったく…今日1日はこれで動くとするか…」

 

霊「あら、久しぶりにその格好見たわ」

 

に「私も結構久しぶりかも?」

 

カワウソ

『俺は初めてです』

 

麟「まあそんなことはどうでもいいのよ。にとり、お前がカワウソを保護してるって話、まだ途中だからその話を聞かせてくれ」

 

に「おうよ!まあ単純な話すると、こいつがこの沢で迷ってるのを保護したのは偶然っちゃ偶然だったんだよね」

 

カワウソ

『俺がここで迷子になってたとこを、偶然にとりさんが保護してくれたんです』

 

霊「そもそもなんで保護したの?」

 

に「こいつを保護するとお互いにWinWinの関係だからって理由かな」

 

麟「WinWinの関係?」

 

に「カワウソは、私達に保護されてれば自由に川を泳げるから。私はカワウソから畜生界の技術を手に入れられるからってとこかな」

 

霊「畜生界の技術ってそんなに凄いの?」

 

に「…君達だって畜生界の技術をその目で見てきたでしょ」

 

麟「…は?あの戦車たちってお前らが作ったの!?」

 

カワウソ

『そうですね。外の世界から手に入れてきた設計図を元に、見よう見まねで組み立てたのがあれです』

 

霊「ふっ…全部私達が壊しちゃったけど」

 

カワウソ

『貴方達がイレギュラーすぎるだけです…』

 

に「さすがは盟友♪私達がドン引きするような事を平気で成し遂げる!」

 

麟「で?にとりが一番感動した畜生界の最新技術は?」

 

に「ん?それはだねぇ…(ゴソゴソ)これ!最新式のゲーム機だよ!」

 

そう言ってにとりが懐から取り出したのは、ゲーム(自主規制)アドバンスにそっくりなゲーム機だった。

 

麟「…ふっる」

 

に「ファッ!?」

 

カワウソ

『古い!?この最新ゲーム機が古いんです!?』

 

麟「俺、一応外の世界から来た人間だから言うけど…そのゲーム機はくっそ古いよ。多分俺が産まれる前の機械だよ」

 

に・カワウソ

「『うっそぉ…?』」

 

麟「でも…幻想郷からしてみれば最新技術の塊ではあるな。あれなのか?最近は河童内でそのゲーム機が流行ってるのか?」

 

に「そうだね♪私達河童がこの機械を防水加工仕様に仕上げて改良した、アップグレード版だね。盟友もどうだい?これで遊んでみるかい?」 カチッ

 

麟「いや…別に俺は…」

 

にとりが嬉しそうにゲーム機の事を語りながら電源を入れた時、2人は衝撃の事実を知る事になった。

 

 

ゲーム機

やろうかぁ?

 

 

麟「…ん!?」

 

霊「…あぁっ!?」

 

に「え?なになに、なんかあった?」

 

麟「お、おい霊夢…まさかあのヤロカ水の正体って…」

 

霊「ええ…にとりのおかげで判明したわ…」

 

に「んん?」

 

 

麟・霊

「「それがヤロカ水の正体かぁぁっ!!!」」

 

 

に「ヤロカ水って何の話ぃぃぃぃっ!?」

 

あろうことか、人里で話題になっていたヤロカ水の正体は〖河童達が所持していたゲーム機の音声〗だという事が判明した。危険な妖怪等ではなかったというのは良い事だが…ゲーム機の音声が崖下から崖上まで聞こえてくるって、どんだけ爆音でゲームをしてんだ河童達は。

 

霊夢は、ゲーム機の音声が人里内にて良からぬ噂にまで発展している事を教え、もう少し音を下げてゲームで遊ぶように注意をした。

 

その後、人里では〖ヤロカの声に返答しても何も起きない〗という事が判った為、自然とヤロカ水の噂は人里内から徐々に消滅していった。

 

そして麟と霊夢は、玄武の沢で生き生きと生きるカワウソ霊を見てこう思った

 

『地上であんなにも生き生きとしてる姿を見ると、とても畜生界へ送り返そうだなんて思わない』

 

と。それと同時に

 

『カワウソ霊の残党が地上に居るという事は、きっと狼霊と鷲霊の残党もどこかで生きているのだろう』

 

と、若干の不安も抱いていた。

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