麟「いやはや、まさか自分でコーヒーを淹れられる日が来るとは♪」
ゴリゴリゴリゴリ…
華月麟、ただ今コーヒー豆挽き中。
レミィ
「コーヒーって…確か博麗神社の豆料理大会で、私達が出した飲み物よね?」
パチェ
「ええ、貴女が飲んだ時『にが〜い(泣)』って泣き出した飲み物よ」
レミィ
「う、うるさい!///そんな前の話を掘り返すんじゃないわよ!///」
パチェ
「あの時のレミィったら…カリスマ性に欠ける、情けない顔をしてたわよ(笑)」
レミィ
「う〜る〜さ〜い〜!///」
咲「ふふっ♪お嬢様、紅茶が入りましたよ」 カチャ…
レミィ
「はぁ…ありがとう、咲夜」 ゴクリ
ジジジジジジジジ…
レミリア・スカーレットの黒歴史が掘り返されている中、麟はガスバーナーを使って挽いたコーヒー豆を焙煎中。
麟「(スンスン…)良い香りが立ってきた…でももうちょいだな」
八千慧
「どうして挽いた豆を火で炙っているのですか?」
麟「こうすることで、コーヒー豆に含まれる苦味や香り、酸味等の風味を引き出すんだよ。八千慧が飲んだコーヒーが不味かった理由は、もしかしたらここら辺の工程を怠ったからかもしれないな」
八千慧
「部下も私もコーヒーの淹れ方は無知に等しかった、だから私があの時飲んだコーヒーは不味かったのですね…」
麟「食べ物とか飲み物は、最初の第一印象が悪いとトラウマになるからな。お前がコーヒーを苦手って言うのも分からなくはないよ」
早鬼
「それにしても…なかなか良い匂いだ♪こんな匂いは初めてだ」
麟「味も保証してやるよ♪」
早鬼
「おう♪」
フラン
「お兄様、コーヒーって美味しいの?」
麟「美味いよ?」
フラン
「私も飲みたい!」
麟「でもバカ苦ぇよ?」
フラン
「ええー…そうなの?苦いならいいかな…」
麟「うーん…フランでも飲めるようなコーヒーか…あ、カフェオレでも作ってやるよ」
フラン
「カフェオレ?」
麟「コーヒーとミルクを混ぜたやつ、きっとフランでも気に入るよ」
フラン
「わーい!♪」
麟「よし…焙煎完了。で、フィルターを設置した漏斗に焙煎したコーヒー豆を入れて…」
ザーッ
麟「で、95℃くらいのお湯を中心から円を描くようにまずは少しだけ…」
チョロロロッ…
麟「注いだら数十秒蒸らす」
早鬼
「なんで少し待つんだ、さっさと入れちまえば完成だろ?」
麟「美味いコーヒーを飲むのには、この蒸らしが大切だ。少しのお湯を入れて粉に含まれるガスを抜いて、お湯の通り道を作る。こうすればコーヒー豆の成分を均一に抽出出来るんだ」
早鬼
「ふーん…随分と細かいんだなコーヒーって」
麟「美味い物を飲み食いするのに、手間は惜しんじゃいけないからな。これはお前の日課でもある筋トレと同じだ、少しでも手を抜いたら筋肉が鍛えられないからな」
早鬼
「なるほど…コーヒーも筋トレも同じってわけか…」
麟「んで数十秒蒸らしたところで、また円を描きながらお湯を注ぐと…」
トクトクトクトク…
麟「(スンスン…)うむ…良い香りだ。ブラックコーヒー、3人前完成」
コトッ…
早鬼
「おお…!」
カチャ…
八千慧
「(スンスン…)なんと良い香り…」
パチェ
「ふふっ…本当に良い香りね、素晴らしいわ」
麟「匂い嗅いでないでさっさと飲みな、冷めるぞ。フラン、お前のカフェオレはもう少し待ってな?今、ミルク温めてるから」
フラン
「はーい♪」
八千慧
「では…いただくとしましょう」
早鬼
「うむ!こいつは熱い方が美味そうだからな!」
パチェ
「そうね、熱々のうちに飲みましょう」
八千慧・パチェ
「「いただきます」」
早鬼
「いただきます!」
ズズッ…
ブワァァァァァァァァァァァァァァァァァ…
八千慧
「…!」
パチェ
「これは…!」
早鬼
「美味い…!」
口の中に広がるコーヒーの深い味、その味は3人の舌を魅了する。
パチェ
「麟…このコーヒー、とても美味しいわ!」
八千慧
「この清々しいまでの苦味、そしてその苦味の中に爽やかさとほのかな酸味…どれも絶妙なバランスによって均衡が保たれている…!」
早鬼
「これがコーヒー本来の味ってわけか!畜生界で飲むコーヒーとは全然違う!こりゃ
八千慧
「同感です…!」
トクトクトクトク
麟「そっかそっか、美味いならよかったよ。フラン、カフェオレが出来たぜ」
フラン
「ありがとうお兄様!(ゴクッ…)わぁ…!少し苦いけど、ミルクがその苦さを抑えてくれてる…とっても美味しい!♪」
麟「だろ?」
レミィ
「フラン、私にもそれ少しだけ飲ませてくれるかしら?」
フラン
「いいよ?」
レミィ
「ありがとう(ゴクッ…)美味しい…これなら私も飲めるわ!」
麟「おやおや、カリスマも気に入ったか?」
レミィ
「ええ!♪」
咲「麟、ブラックコーヒーはまだ3人前くらいは残ってるかしら?」
麟「一応全員分は作ったから飲めるぞ?」
カチャ…
咲「じゃあお言葉に甘えて」
こあ
「うーん…♪こんな香り立つコーヒーは初めてです♪」
美鈴
「(ズズッ…)に、苦っ…!?でもそんなに嫌って程の苦味じゃない…これがコーヒーという飲み物なんですね…!」
麟「コーヒーのデメリットは、何か1つでも手順が欠けたら馬鹿みたいに苦いコーヒーが入るってところかな?手順さえしっかりすれば、ここまで美味しいコーヒーが淹れられるけど」
咲「(ゴクッ…)こ、これは…!?」
麟「美味いか?」
咲「メイド長としての面子が丸潰れレベルよ…!」
麟「そりゃよかった♪」
咲「マズイわね…私、麟に何もかも負けてるわ…」
麟「そうかな?ナイフの使い方は、咲夜の方が上手だろ」
咲「それは戦いの時の話でしょう!?私が言ってるのは日常の話よ!」
麟「あそっか」
咲「ねえ麟…貴方は何なら苦手なわけ…?」
麟「どした急に」
咲「貴方ってなんでも出来るから…」
麟「別にそんな自覚は無いけど…」
パチェ
「ねえ麟、貴方…私の専属バリスタにならない?」
麟「( ˙꒳˙ )ファ?」
早鬼
「ちょっと待ったァ!麟は私の専属になってもらうぞ!毎日この美味いコーヒーを私の為に淹れてくれ!」
八千慧
「いいえ、彼は私の専属バリスタです!華月麟、貴方が私の専属バリスタになってもらえれば、毎日破格の高待遇を約束します」
麟「え?え?え?」
フラン
「お兄様モテモテ〜♪」
パチェ・早鬼・八千慧
『さあ!誰を選ぶ!?』
麟「あのなぁ…俺はこういうのは趣味に留めておきたいから、誰の専属にもなるつもりは一切ないぞ?」
パチェ・早鬼・八千慧
『そんなぁ〜っ!?』 ガーンッ!!
美鈴
「完璧なオチですね」
咲「ええ…本当に完璧なオチだわ」
レミィ・フラン・こあ
『ちゃんちゃんっ♪』