華月麟の幻想記   作:華月麟

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人間嫌い

~診察室~

 

ガラッ!

 

てゐ「お師匠〜お客さん連れて来たよぉ」

 

永「あら…急患や患者ではなくて?」

 

てゐ「お師匠に用があるお客さん〜」

 

麟「どうもお久しぶりです」

 

永「あら…お久しぶりね♪麟」

 

本当に久しぶりな感覚だな。しばらく永遠亭に来ていなかったからかなり昔に会ったように思えるくらいだ。

 

霊「お邪魔します〜」

 

魔「お邪魔するぜ〜」

 

永「麟…ここは喫茶店ではないのよ?貴方、勘違いしてないかしら?」

 

麟「おうおう…それはこっちのセリフだい。俺は永琳さんに用があるのと輝夜との約束を守る為に来たんだい。それに、2人はただの付き添い(?)…だと思いたい」

 

永「そ、そう。まぁ立ち話もあれだし座りなさい。2人もね」

 

3人『はーい』

 

永琳にそう言われて椅子に座った。

しかし…診察室とは思えない感じだ。どちらかと言うと喫茶店みたいな雰囲気を感じる。でも、ちゃんと薬品棚もあるし薬品の匂いもほんの少しだけするから診察室ではあるんだろうな。

 

?(ジーッ…)

 

麟「うん?」 チラッ

 

何やら鋭い視線を感じたので視線の方向に視線を向けると、金髪のショートボブ、大きめの赤いスカートを履いている小さな子供がこちらを睨みつけていた。

 

麟「…初めまして」

 

?(プイッ)

 

おっとぉ…初手の挨拶は失敗かな?

 

永「その子は人間嫌いの妖怪なの。あまりしつこいと毒で殺されるわよ?」

 

麟「ほへ!?」 ギョッ!

 

霊「あんな子…見た事ある?」

 

魔「いや?初めて見るぜ?」

 

この可愛い見た目で毒を操るの!?これが本当の美しいバラには刺があるってやつか!

 

麟「永琳さん、この子は一体…」

 

永「彼女の名前はメディスン・メランコリー。毒を操る人形妖怪よ」

 

へー、人形妖怪か…。…待って?人形って今言った?

 

麟「人形?元は人形なの?」

 

永「そうよ…鈴蘭畑に捨てられたんですって…。そこから長い年月を掛けて自律式の妖怪になったそうよ。彼女自身が教えてくれたわ」

 

強い怨念が彼女を生み出したってところかな?外の世界でもありえそうな現象だな…。

 

メディ「最初は人間達に操られる人形を解放する為に人形解放をしようとしたの。でも私はまだ世間を知らなすぎるって、とある怖い人に言われた。だからもっと世間を知る事にしたわ。それと…気安く私に触ろうとかしたら毒で苦しませてやるわよ!」

 

麟「…そうか」

 

霊「誰がそんな風に諭したのかは知らないけど…異変に発展しなくて良かったわ」

 

おいそこ、余計な事を言うんじゃない。

それにしても…

 

麟(この子も…俺とかフラン達と似た者ってところか…?この幻想郷にはどれだけこんな風に苦しんでる奴らがいるんだ…?)

「…っ」 グググ…

 

永「麟…?どうかしたの?」

 

麟「…へっ!?い、いや…なんでもない…少し考え事をしてたんだ…この子もフラン達みたいに心を開かせるにはどうしたらいいのかなって」

 

永「ふふっ♪貴方らしいわね?」

 

麟「そうかな?」

 

そうやってメディスンの事で話し合っていると…

 

メディ「…そうやって貴方も最後は捨てるだけでしょ?」

 

麟「捨てる…?」

 

メディ「私の持ち主は最初のうちは大切にしてくれてたわ…でも最後には捨てられて、こうやって妖怪として生まれ変わった。貴方は私の心を開かせたいようだけど、どうせ持ち主みたいに最後は捨てるんでしょ?」

 

これはかなり強めの人間不信だな…かなり憎んでるんだろう。

 

霊「今の言葉…聞き捨てならないわね…」

 

魔「麟はそんな奴じゃない…!」

 

ギロッ

 

2人は俺を擁護してくれた。ありがたいっちゃありがたいな。

 

メディ「貴女達には関係ないでしょ?…どうなのよ人間!貴方は私を大切にしてくれるって言い切れるのかしら!?」 バンッ!!

 

メディスンは声を荒らげ、テーブルを強く叩いた。

 

麟「ははっ…確かに言い切れるかは微妙なところだな…」

 

正直に言った。嘘をつけば厄介になるしね。

 

メディ「ほら見なさい!所詮はこんなものよ!人間なんて…自分勝手で「でも…」…でも何よ?」

 

麟「少なからず…持ち主みたいなことはしない…かな?」

 

メディ「へぇ?なんでそんな事が言えるの?」

 

麟「同じ痛みを知ってる。それに尽きるな」

 

メディ「同じ痛み…?」

 

麟「まぁ…君以上の痛みだけどね。永琳さん、今日貴女の所に来たのには約束を守るのともう1つ…お願いがあって来たんです」

 

さぁ、本題へ移ろう。

 

永「あら…私にお願い?一体何かしら?聞ける範囲で聞くわよ?」

 

麟「永琳さんは…傷を綺麗に消せる手術は出来ますか?」

 

永「傷を綺麗に…?ええ、蓬莱の薬を作った私よ?そんな薬を作るのは朝飯前というやつよ」

 

それならば…話が早いな…。

 

麟「俺の傷を綺麗に消して欲しいんです…」

 

永「貴方の傷?どこにあるのよ?」

 

魔「はははっ!どうせ小さい擦り傷程度だろ?」

 

霊「そんな物…時間が経てば治るでしょ?」

 

「「あははははははっ!」」

 

麟「見せれば早いだろう…?ちょいと脱ぎますね」

 

スタッ

ヌギヌギ

 

椅子から降りて、その場で脱ぎ始めた。

 

永「ちょちょちょ!?何してるのよ!?」

 

メディ「何、脱いでるのよこの変態!」

 

霊「いくらなんでも大胆過ぎるわ!?///」

 

魔「あわわわわっ!///」

 

麟「俺が消して欲しいのは…これだ!」

 

バサッ!

 

俺は着ていた服を脱ぎ捨てて…見せたくもないモノを全員に見せた。

もちろん…晒す覚悟は出来ている…。

 

 

 

永「っ…!?」 ゾッ!

 

メディ「ひっ…!?」 ゾクッ

 

霊「な、何よ…それ…」 ガタガタ

 

魔「うっ…ひ、ひでぇ…」 プルプル

 

 

 

そう…俺の背中には…〖幻想入りした直後の時〗と〖外の世界にいた時〗の暴力や虐待で付けられたおびただしい数の…傷が背中にあったのだ…。

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