華月麟の幻想記   作:華月麟

964 / 1036
トラバサミの山犬

~魔法の森~

 

 

ザッザッ…

 

 

魔「なあ麟、お前はいつも勘とか第六感が鋭いけど、何かしらを感じたりするか?」

 

麟「うーん…動物霊達(あいつら)のオーラは、特に感じないなぁ…」

 

魔「マジかぁ…」

 

早鬼

「それにしても…相変わらず魔法の森は広いな!今度、私が本気で走ったらどのくらい時間でこの森を完走出来るか試してみようかな!」

 

饕餮

「勝手にやってろ」

 

八千慧

「よくもまぁそんな呑気な事が言える…」

 

早鬼

「Oh⋯辛辣ゥ…」

 

霊「で?魔法の森に来たんだから、そろそろあんたらの新メンバーを呼んでもいいんじゃないの?」

 

早鬼

「あ、そうだな。誰から呼ぶ?」

 

饕餮

「私の部下は基本的、旧血の池地獄から出ないから…お前ら2人のどっちかだろ」

 

早鬼

「んじゃ私から呼んでもいいか?」

 

八千慧

「ええ、どうぞ?」

 

早鬼

「よし!なら遠慮なく…スー…」

 

 

「「アオーーーーーーーーーーーーーンッ!!!」」

 

 

5人

『え…何それ?』

 

早鬼

「ん?ああ、実は私の部下を呼ぶ時の合図は遠吠えって決まっていてだな♪」

 

魔「…何故に遠吠え?」

 

早鬼

「何故って…」

 

 

ガサガサッ…

 

ヒョコッ

 

?「早鬼様、呼びましたか〜?」

 

 

八千慧・饕餮

「「あ、来た」」

 

麟「…あの獣耳、もしかして早鬼の部下って」

 

早鬼

「私の部下は山犬の妖怪だ♪」

 

霊「だから遠吠えで呼んだわけね…」

 

魔「そんなことより、両腕の物騒なトラバサミが気になって仕方ないぜ」

 

麟・霊

「「それな」」

 

?「早鬼様〜?」

 

早鬼

「ああ、悪い悪い。呼んだ理由を説明する前に、まずは皆に自己紹介をしてくれ」

 

 

慧ノ子

「は〜い!初めまして皆様、私の名前は三頭慧ノ子(みつがしらえのこ)。早鬼様がさっき言った通り山犬の人獣です!♪」

 

 

霊「博麗の巫女、博麗霊夢よ」

 

麟「普通の人間、華月麟だ」

 

魔「私は霧雨魔理沙、どこら辺にでもいる普通の魔法使いさんだぜ♪」

 

慧ノ子

「あ、久しぶりだね魔理沙!」

 

魔「え…は?久しぶり?」

 

麟「お前…あいつと知り合いだったのか?」

 

魔「いや…私はあいつの事、知らないぜ?」

 

慧ノ子

「え〜っ!?私の事覚えてないの!?」

 

魔「どちら様だぜ?」

 

慧ノ子

「貴女がまだ小さかった頃…大泣きして魔法の森に迷い込んでたのを今でもよく覚えてるよ?」

 

魔「私が小さかった頃…大泣きして魔法の森に…は!?お、お前…まさかあの時の山犬か!?」

 

慧ノ子

「せ〜いか〜いっ!!随分と立派に大きくなったね?」

 

魔「お、お前もすっかり見た目が変わったな?」

 

饕餮

「慧ノ子が明らかなお母さん目線で面白いな♪」

 

早鬼

「まさか慧ノ子が霧雨魔理沙と知り合いだったとはな…」

 

八千慧

「意外な過去もあるものですね」

 

慧ノ子

「それで早鬼様?今日は色んな人が集まってますけど、何用ですか?」

 

早鬼

畜生界(うちら)の部下達が行方不明で捜索に当たっているんだが、どこも見当たらないからお前の力も借りようと思ってだな」

 

慧ノ子

「…そういえば、前にそんな話してましたね?了解しました!三頭慧ノ子、その捜索に途中参戦させていただきます!」 ピシッ

 

早鬼

「助かる」

 

麟「よし、自己紹介も終えたから捜索再開だ」

 

霊・魔

「「おーっ」」

 

早鬼

「うむ!」

 

八千慧

「そうですね」

 

饕餮

「だな」

 

慧ノ子

「おー(クンクン…)…うん?」

 

早鬼

「慧ノ子、どうかしたか?」

 

慧ノ子

「この匂い…どこかで嗅いだことのある…」 クンクン…

 

早鬼

「お、おーい?」

 

慧ノ子

(クンクン…) スタスタ

 

早鬼

「ど、どこに行く!?」

 

慧ノ子はとある匂いを嗅ぎつけ、その匂いの元へ近づいていく。

 

慧ノ子

(クンクン…チラッ)

 

麟「…な、なんだよ?」

 

その匂いの元にたどり着くと、目の前には華月麟。

 

慧ノ子

「懐かしい匂い…貴方、どこかで会ったことがあるような…?」

 

麟「え?いやぁ…申し訳ないけど、俺の知り合いにお前みたいな両腕に物騒な罠を装備した人獣はいないが…」

 

慧ノ子

「(クンクン…)うーむ…匂いだけじゃ思い出せない。あ!貴方、遠吠えしてみて!」

 

麟「なんで急に遠吠えを…」

 

慧ノ子

「いいから!」

 

麟「えー…?なあ八千慧、こういう場合ってどうしたらいいんだ?」

 

八千慧

「私に聞かないでくださいよ?まあ…やってあげればいいじゃないですか」

 

麟「…饕餮は?」

 

饕餮

「やってやれ」

 

麟「…早鬼」

 

早鬼

「やってみてくれ!私も聞いてみたい!」

 

麟「霊夢と魔理沙」

 

霊・魔

「「やってあげれば?」」

 

麟「マジか…」

 

慧ノ子

(ジーッ…)

 

麟「いくぞ?すー…」

 

 

「「アオーーーーーーーーーーーーンッ!!!」」

 

 

慧ノ子

「…!」

 

霊「普通に上手じゃない」

 

魔「しかも早鬼より」

 

早鬼

「…え?」

 

八千慧

「本物の狼と遜色ないような…」

 

饕餮

「流石にそれは言い過ぎだろ」

 

 

麟「…で?遠吠えしたけど、なんか思い出せそうか?」

 

慧ノ子

「…」

 

麟「…おーい?」

 

慧ノ子

「…だ」

 

麟「…ん?」

 

 

慧ノ子

「「旦那様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!♡」」 ガバッ!!!

 

麟「どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

バターンッ!!

 

 

霊「麟!?」 ダッ!

 

魔・饕餮

「「麟が慧ノ子に襲われたぁぁぁっ!?」」

 

早鬼

「ひ、引き剥がせ引き剥がせ!」 ダッ!

 

八千慧

「どうして勁牙組の面子は組長も部下もこんなにめんどくさいんだ!?」 ダッ!

 

 

グイーッ!!

 

 

慧ノ子

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」 グググググ…!!

 

麟「いででででででで!?」

 

霊・早鬼・八千慧

『はーなーれーろー!?』 グギギィッ…!!

 

慧ノ子

「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

麟「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

魔「わ、私らも行くぞ饕餮!」 ダッ!

 

饕餮

「ああ…めんどくせぇ!」 ダッ!

 

 

麟の遠吠えを聞いた瞬間、麟を『旦那様』と叫んで飛びついた。おーっと?これは何か訳ありの予感。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。