華月麟の幻想記   作:華月麟

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根絶 その時だった

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

 

餓『ぐ…あ…っ!?』 グラッ…

 

 

オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ…

 

ザバァァァァァァァァァァァァァァァンッ…!!

 

 

根絶の一撃が直撃した餓者髑髏は、そのまま力無く仰向けで倒れ付した。

 

 

麟「はははは…!」 ドゥッ!

 

ヒュウゥゥゥゥ…

 

餓『うっ…!?』

 

スタッ

 

麟「無様な姿だな?餓者髑髏…!」

 

餓『き、貴様ぁっ…!』

 

麟「ふっ…あの一撃を食らっておきながら、まだ喋れる余裕すらあるか。流石は餓者髑髏と褒めてやりたいところだ」

 

餓『まだだ…!まだ終わったわけでは…!』

 

麟「無駄な事を…!」 バッ!

 

 

バヴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!

【挿絵表示】

 

 

麟(ガシィッ!)

 

餓『っ…!?』

 

麟「ふははははっ!」 グァッ!

 

 

ズバァッ!!

 

 

餓『ぐあぁっ!?』

 

麟「貴様の心臓を見せてもらおうか!」

 

 

POISON CHARGE…!

 

 

麟「はははははっ!!」

 

ザウンッ!! ザシャァッ!! ズバァッ!! ガギィンッ!!

 

餓『ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!』

 

 

バキッ…!!

 

 

麟「…!」 ピクッ…

 

餓『お、俺の身体にヒビが…!?ま、まさかっ!?』

 

麟「ぬんっ!」 グァッ!

 

 

ガシィッ!!!

 

 

麟「ぬうぅぅぅぅぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ…!!」

ギギギギ…!!

 

餓『よ、よせ!?やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!』

 

麟「だぁっ!!」

 

 

バギャァッ!!

 

 

餓『ごあ…っ!?』

 

パラパラ…

 

麟「これが…餓者髑髏の心臓…!」

 

 

ドクンッ…!! ドクンッ…!! ドクンッ…!!

 

 

レーヴァテイン(剣)の猛攻により餓者髑髏の身体がひび割れ、遂に餓者髑髏の心臓が露になった。その心臓はかなり巨大なサイズをしていた。

 

 

餓『き、貴様…何をする気だ…!』

 

麟「決まっているだろう…?この心臓にレーヴァテインを突き立て、貴様をこの世から完全に消し去るのだ!」

 

餓『く、くははははっ…!』

 

麟「…何がおかしい?」

 

餓『貴様はこの幻想郷(せかい)の仕組みを忘れたのか…!』

 

麟「幻想郷の仕組みだと…?」

 

餓『俺という存在を認知している者がこの世に存在している限り…俺はいずれ再びこの世に甦る事が出来るのだ…!それを忘れたのか!』

 

麟「ああ…そういえばそうだったな?」

 

この幻想郷では、たとえその妖怪が本当はこの世に存在しない空想の妖怪だとしても〖この世に存在する〗と、周りの人間が認知し続けていたらいつか現実に存在する妖怪として生まれるという仕組みである。

 

※饕餮でいうそこに欲望がある限り何度でも甦るという能力と同じである。

 

その逆も然り。その妖怪がこの世から認知されなくなってしまえば、いつか自然と消滅してしまうという仕組みも存在する。

 

※これは八坂神奈子や洩矢諏訪子の、外の世界で信仰を失えばいつか消滅するという事と同義である。

 

 

そう…今ここで餓者髑髏を倒したところで、餓者髑髏を認知する者や書物が幻想郷に存在する限り、餓者髑髏はいずれ再びこの世に甦ってしまうのだ

 

 

餓『ふはははははっ…!貴様が何度俺を封印しようが…殺そうが…俺は再び甦る事が出来る…!貴様が寿命を迎えてくたばった暁には、俺は再びこの幻想郷を混沌の世に塗り替えてやるのだ!』

 

麟「ふっ…ふっはっはっはっ!あっはっはっは!」

 

餓『なっ…!?』

 

麟「何を高笑いして語ってるのかと思えば…そんな事か。俺がその事も考えずに…貴様を殺すと思っていたのか?」

 

餓『なんだと…!?どういう意味だ!?』

 

麟「俺には…とっておきの切り札がある」 スッ…

 

 

オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ…

 

 

そう言って、彼が胸元から取り出したのは…もう1枚の禁断のスペルカードだった。

 

餓『な、なんだその紙切れは…!?』

 

麟「これか?これは…貴様という存在をこの世から跡形も残さず消し去り、そして二度と甦させない事が出来るとっておきの切り札だ」

 

餓『は、はったりだ…!そんな物…あるはずがない!破壊神でもない限り…そんな物が作れるわけ…!』

 

麟「それが破壊神でなくとも作れちまうのさ…龍珠という特殊な鉱石を使ってスペルカードを精製するという方法でな…!」

 

餓『な、なんだと…!?』

 

麟「まあ…百聞は一見にしかず、こいつの効力が本当か否かは貴様で試せば良いだけの事だ!」 ブォンッ!!

 

 

ビッ…!

 

ブスッ…!!

 

 

餓『ぐお…!?』

 

麟「スペルカード発動」

 

 

 

「「根絶 その時だった」」

 

 

 

ドクンッ…!!

 

 

餓『うぐ…っ!?』

 

 

シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

 

 

スペルカード発動と同時に、餓者髑髏の身体がゆっくりと消滅を始めた。その現象にはとてつもない苦しみが伴うものだった。

 

餓『ぐ…お…あ…っ!?お、俺の身体が…!?』

 

シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

 

麟「さあ…地獄の苦しみをじっくりと味わいながら、この世から永遠に消え去るがいい!!」

 

餓『こ、この俺が3度も同じ人間に負け…こんな紙切れ1枚に苦しみを味あわされながら、最期を迎えるというのか…っ!?』

 

麟「くっくっくっ…!貴様如き小物に相応しい最期だな?はははははははははははっ!!!」

 

餓『き、貴様ぁ…っ!!』

 

麟「あばよ、餓者髑髏…!」

 

シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

 

餓『こ、この俺がこんな形で最期を迎えるだと…!?そ、そんなの…』

 

 

 

『『認められるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!』』

 

 

 

シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

 

ブアッ…

 

 

餓者髑髏は無様な捨て台詞を吐き、新地獄から消滅してしまった。

 

 

~鈴奈庵~

 

 

小鈴

「さ〜てと、久しぶりに妖怪図鑑でも読もうかな」

 

 

ペラッ

 

ペラッ

 

ペラッ

 

 

小鈴

「あれ…?ここのページだけ、綺麗に真っ白だ。どうしてこのページだけ中身が抜き取られたみたいに真っ白なんだろう…?」

 

 

~マミゾウの住処~

 

 

マミゾウ

「おろ…?この〖百鬼夜行絵巻〗…何故ここだけ何も描かれておらんのじゃ?確かこの前、この絵巻を見ていた時は何かの妖怪が描かれておったはずなんじゃが…何が描かれておったかのぉ…。あれ…?何故じゃか、ここに描かれておった妖怪が何じゃったのか、全く思い出せんのじゃが…!?わ、わしも歳かのぉ…トホホ」

 

 

〖根絶 その時だった〗の効力は本物だった。

(かれ)の言った通り、餓者髑髏の存在はどの書物からどの人物の記憶から跡形も残さず完全にこの世から消去してしまったのだった。

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