華月麟の幻想記   作:華月麟

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最初で最後の慈悲

残「我が王よ、何故あやつらを止める?」

 

レーヴァテイン

「俺からの命令を下す為だ」

 

残「命令?命令とは…何のじゃ?」

 

 

レーヴァテイン

「その3人は殺すな、生きて地上へ帰せ」

 

 

残「な、なぬ…っ!?」

 

早鬼

「レ、レーヴァテイン様…!?今、なんとおっしゃいましたか!?」

 

八千慧

「博麗の巫女に白黒の魔法使い、そして裏切り者の饕餮尤魔を逃がすおつもりですか!?」

 

レーヴァテイン

「そうだが、何か問題でもあるか?」

 

慧ノ子

「あ、あの2人は、この幻想郷の要でもある存在なんですよ!?」

 

美天

「始末出来るタイミングで始末しないと、後が厄介なんですよ!?」

 

ちやり

「そっすよ〜?今ここで始末出来るなら、始末しといた方が私達の為になるんすよ〜?」

 

日「あの3人を生かして帰したところで、私達には何のメリットもありませんのよ?」

 

レーヴァテイン

「確かに…今ここで博麗の巫女に白黒の魔法使い、そして裏切り者を殺してしまえば…確かに地上を手に入れるのは容易になるだろう。だが…それでは地上侵攻した際に、そこの3人を殺すという楽しみが減ってしまう」

 

魔狼

『レーヴァテインよ、そんなくだらない理由の為だけにあやつらを生かしておくと言うのか?』

 

八千慧

「私は反対です!今ここであの3人を始末した方が我々の為ですレーヴァテイン様!」

 

レーヴァテイン

「お前達が今後の事を考えて危惧するのは当然の事だ…それは理解出来る。だが…」 グッ…

 

 

ブワァッ…!!

 

 

6人

『…!?』 ゾクッ…!!

 

魔狼

『ほう…?』

 

残「お、おい…!?」

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!!

 

レーヴァテイン

「お前達は…俺の力に疑いの目を持っているのか?俺の力が、あの3人より劣っていると言いたいのか?」

 

 

八千慧

「っ…!?そ、そんな事はありません…!」

 

早鬼

「わ、我々が貴方様の力を疑うはずがありません…!」

 

日「私達はただ、今後の地上侵攻の事を考えて発言しただけですわ」

 

慧ノ子

「だ、旦那様がそうしろと言うのなら…」

 

美天

「私達はこれ以上何も言いません…!」

 

ちやり

「っす…」

 

レーヴァテイン

「ならばそこの3人は見逃してやれ。共に餓者髑髏へ立ち向かった仲でもあるからな、せめてもの慈悲を与えてやろう」

 

5人

『はっ…!』

 

日「貴方様がそう言うのなら、それに従うまでですわ。残無様もそう思いますわよね?」

 

残「まあ…我が王がそう言うのなら、その意見を尊重するだけだ」

 

魔狼

『ふはははは!我が後継者はなんて慈悲深いのだろうか!』

 

レーヴァテイン

「というわけだ、今回だけは特別にお前達を見逃してやろう。さっさとここから失せろ」 シッシッ

 

魔「ああ…言われなくてもここから出て行かせてもらうぜ…でもその前に…!」 バッ!!

 

 

ガシッ…!

 

ガシッ…!

 

 

魔「この腕輪と耳飾りは…私が貰っていくぞ…!」

 

レーヴァテイン

「好きにしろ、俺にはもはや必要のない物だ」

 

魔「そうかよ…」

 

レーヴァテイン

「それと饕餮、貴様には幻想郷賢者への伝言係を頼まれてほしい」

 

饕餮

「伝言…?」

 

レーヴァテイン

「1ヶ月以内に人里の人間共をどこかへ退避させておけ、無関係な人間達の血を見たくなければ。とな」

 

饕餮

「…良いだろう、今回だけ頼まれてやる」

 

レーヴァテイン

「ふっふっふ…では、1ヶ月後に地上でまた会おう」

 

饕餮

「行くぞ…魔理沙」

 

魔「ああ…!」 ダキッ…

 

霊「…り…ん…」 ガクッ…

 

 

ドウッ…

 

ギュアァーン…!!

 

 

レーヴァテインの慈悲により、始末を免れることが出来た霊夢、魔理沙、饕餮。レーヴァテインからの不穏な伝言を預かり、満身創痍の霊夢を抱きかかえて新地獄から足早に退散した。

 

 

 

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

 

 

 

 

 

レーヴァテイン

「…さて、愚か者共はいなくなった。我々は1ヶ月後の地上侵攻に向けて、どう戦力を強化するかを考えようではないか。残無の愚かな行為のせいで、畜生界の動物霊(せんりょく)は大幅に削られてしまったからな?」

 

残「ははは…申し訳なかった。お主をこの玉座につかせる為に、必要な事じゃったんだ」

 

レーヴァテイン

「まあいい…誰か、1ヶ月以内に手っ取り早く我々の戦力を強化出来る案が思いつく者はいるか?」

 

八千慧

「お、恐れながら私に良い案がございます…!」

 

早鬼

「流石は八千慧、もう何か思いついたのか?」

 

レーヴァテイン

「聞かせてもらおうか」

 

八千慧

「は、はい…!造形神(イドラデウス)が支配する霊長園を襲撃し、造形神に管理されている人間霊達を我が畜生界の戦力に組み込むのはいかがでしょうか?」

 

レーヴァテイン

「霊長園の人間霊達をか…?」

 

八千慧

「はい。霊達園にて管理されている人間霊達は、造形神に管理されている故に常に軟禁とも監禁とも言える状態にあるのです。我々がその人間霊達を解放し、その人間霊達に『自由を与える代わりに我々側についてほしい』と貴方様が呼びかければ、きっと人間霊達はこちら側につくはずです」

 

レーヴァテイン

「俺が人間霊達に呼びかける事で、我々側につくという確証はあるのか?」

 

八千慧

「虐げられ続けている者達程、自分達を解放してくれる英雄を欲するものです…!」

 

レーヴァテイン

「ほう…?なるほど…その案、採用しても良いかもしれないな」

 

八千慧

「あ、ありがたき幸せ…!」

 

レーヴァテイン

「では…餓者髑髏のよって消耗した英気を養い、事が落ち着いてから…計画をゆっくりと始動させていこうではないか。皆はどう思う」

 

残「儂はもちろん賛成だ」

 

日「残無様が賛成するのなら、私も賛成しますわ」

 

魔狼

『まずは我が後継者のお手並み拝見といかせてもらおう』

 

早鬼

「私はレーヴァテイン様のお言葉に従うのみ!」

 

慧ノ子

「私も、旦那様の命令に従うのみです♪」

 

八千慧

「まずは失った英気を養う…合理的な判断ですレーヴァテイン様…!」

 

美天

「さすがに怒涛の勢いで色々あったからね~」

 

ちやり

「少し休みたいっすね~」

 

レーヴァテイン

「どうやら意見は全員揃ったようだな。では…」

 

 

「「霊長園襲撃は3日後に発動する」」

 

 

全員

『はっ!!』 ビシッ!!

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