カオス・ウォーズ   作:ダス・ライヒ

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もう細かい事は考えることは止めた。


もしも…マイティ・ソーがストライクフリーダムガンダムに乗ったら?

 ある空き地にて、アメリカ海兵隊に属するルイス・スミスは、自身が憧れているヒーローが誰なのかと、同じくに出身の少女であるカマラ・カーンに向けて問う。

 

「俺はロボットのみならず、ヒーロー物のコミックやアニメが好きだ。それに映画もな。子供の頃からヒーローに憧れ、気が付けば、ティノストライド*1と言うロボットのパイロットだ。俺が憧れているヒーローは、誰だか分かるか?」

 

 この問いに対し、カマラは首を傾げながら、ロボットと言う単語でルイスが憧れているヒーローを当てる。

 

「うーん、アイアンマン*2?」

 

「違う。アイアンマンはスーツだ。ロボットには乗っていない」

 

「それじゃあ、キャプテンアメリカ*3?」

 

 アイアンマンと言ったが、ルイスは彼はスーツでロボットではないからと否定する。その次にカマラは当てずっぽうでルイスの体格とアメリカ海兵隊所属と言う事で、憧れのヒーローがキャプテンアメリカだと思ったが、彼は違うと答える。

 

「海兵隊だからキャップに憧れていると? まぁ、誰もがキャップには憧れるもんだ。俺もフリスビーを盾の代わりにしてなりきったこともあるが、違うな。俺が憧れているヒーローは…」

 

 一度はキャプテンアメリカとなって遊んでいた過去を明かしたルイスは、遂に自分が憧れているヒーローの名を明かした。

 

「俺が一番憧れたヒーローは、マイティ・ソーだ」

 

 ルイスが憧れたヒーローとは、北欧神話のトール神がモチーフで、強靭な肉体に加え、圧倒的な怪力と知性を持ち、神秘の力を秘めた魔法のハンマー「ムジョルニア」を巧みに振るうマイティ・ソーであった。

 憧れのヒーローがソーであることに、カマラは疑問に思う。憧れているなら、北欧神話系統のオタクになっているはずだが、当のルイスは、それとは正反対の信頼できる技術で開発された兵器を採用するアメリカ海兵隊に入隊している。その疑問を、カマラはルイスに尋ねた。

 

「ソーが憧れなんだ…でも、ソーは魔法とパワーを使うスーパーヒーローだよ。それにスミスさんはリアル系のロボットのパイロットじゃん。どうしてソーが推しなの?」

 

「当然の疑問だな。君がキャプテン・マーベル*4を推すように、俺は彼のような強いヒーローになりたいと思っている。そのムジョルニアと雷神の力で、家族や仲間、人々を守りたい! それが俺の夢だ!」

 

 憧れている理由を問われるルイスは、ソーのようなスーパーヒーローになって、家族と仲間、その他の人々を守りたいからだと答えた。ソーに憧れ、彼のようになりたいと語るルイスの瞳は、まるで少年のようだ。ソーに対するあこがれを熱弁するルイスに、同じくキャプテン・マーベルに憧れているカマラは共感した。

 

「だが、俺はムジョルニアに選ばれるどころか、スーパーパワーを持ち合わせてちゃいない。もう一つの憧れであるスーパーロボットにも出会えたが、俺は選ばれる事は無かった…」

 

 自身の憧れと夢を熱弁していたルイスであったが、夢のスーパーパワーを持てず、もう一つの憧れであるスーパーロボットにも選ばれなかった今の自分を思い出し、その熱が冷めてしまい、うつ向いてしまう。

 彼は突如となく自分たちを救いに地球へやって来たスーパーロボット「ブレイバーン」に選ばれず、挙句に拒絶された事を思い出してしまったのだ。もう一つの憧れの存在であるスーパーロボットに拒絶されてしまったルイスは、酷く精神的に傷ついてしまった。

 

「カマラ。偶然とはいえ、スーパーパワーを手に入れた君のことが羨ましいよ。はぁ、俺もソーのような神々の力じゃなくても、多くの者を守れるスーパーパワーが欲しい…!」

 

 ルイスがカマラを羨ましがっていた。そう、カマラ・カーンはスーパーヒーロー「ミズ・マーベル」なのだ。キャプテン・マーベル以上のスーパーパワーを誇り、共に肩を並べて戦ったこともある。

 そんなカマラを羨ましながら、ルイスはソーのようなアスガルド人の力じゃなくとも、それに近いスーパーパワーを渇望した。

 

 

 

 ミズ・マーベルことカマラ・カーンに、マイティ・ソーの憧れを語るルイス・スミス。

 そんなルイスが憧れているマイティ・ソーが、彼らとは違う別の次元(ユニバース)で、無数の敵と死闘を演じていた。

 

「ヌァァァッ!!」

 

 ソーは雄叫びを挙げ、力一杯に得物であるムジョルニアを振るう。彼が一度ムジョルニアを振るえば、無数の敵は、風に吹かれた紙のように吹き飛ばされていく。倒された敵兵らが雨の如く降りしきる中、ソーは止まることなく次なる敵に標的に定め、戦場を駆ける。その姿、雷神の名の如く稲妻のように。

 

「と、止めろォ! 奴は一人だぁ!!」

 

 圧倒的な戦闘力を持つアスガルド人の中でも、規格外の強さを誇るソーに、大多数の兵士たちを束ねる隊長は恐れ戦くが、敵はたった一人なので、数に任せて攻撃を再開する。コウモリのような翼を生やした兵士も大勢いるので、陸と空からの数でソーを圧倒しようとした。

 

「無駄だ! いくら雑兵共が群がろうと、このソーは倒せんッ!!」

 

 千どころか、万は居る多数の敵兵相手に、ソーは全く恐れることなくムジョルニアを振るい、次々と打ち倒していく。空から矢や投げ槍で攻撃してくるコウモリ翼を空中兵等に対しては、ムジョルニアをブーメランの要領で飛ばし、次々と撃ち落としていく。

 空中兵等に対応するために得物を飛ばしたソーが、丸腰同然となったところで、倒せるチャンスだと思った地上の隊を束ねる隊長は、一気に襲い掛かる。

 

「奴は丸腰だァ! 八つ裂きにしろォ!!」

 

 隊長の指示で大勢の兵士たちが襲い掛かるが、ソーは全く動じることなく、徒手で応戦する。ムジョルニアが無くとも、ソーは戦えるのだ。そればかりか、素手のソーはムジョルニア以上に強い。兵士たちは変わらず、吹っ飛ばされるばかりである。

 空中兵等を十分に倒したところで、ムジョルニアはソーの手の元に戻って来た。再び彼がムジョルニアを振るえば、吹き飛ばされた大勢の敵兵らは空を舞う。

 

「死ねぃ!」

 

 ソーより一回り大きい大男が怪力で叩き潰そうとしたが、彼もまた同等の怪力の持ち主だ。地面がへこむほどの強烈な打撃を耐え、反撃にムジョルニアを横っ腹に叩き込む。

 

「グェァァァッ!?」

 

 ムジョルニアを叩き込まれた大男は、周辺の味方を巻き込みながら吹き飛んだ。

 

「ムッ? あれは戦闘ヘリと言う地球の兵器! だが、臆さん!」

 

 次に何故か戦闘ヘリなどが出て来るが、ソーの敵ではない。無数の戦闘ヘリ相手に、ムジョルニアの魔法で空を飛び、叩き込んだり、雷を放って次々と撃ち落としていく。

 

「な、なんて強さだ…! あれが、マイティ・ソー…!」

 

 味方を次々と倒していくソーの圧倒的な強さに、彼を攻撃する兵士たちは戦意を失いつつあった。この場でソーに敵う者は、自軍には居ないだろう。だが、ここでソーの快進撃は止まる。

 

「ぬわっ! むぅ、こいつはデカ過ぎるな…!」

 

 敵の増援として、全高四十メートルはある巨人が現れたのだ。それも十体以上は居り、その内の一体はソーを巨大な腕で吹き飛ばす。吹き飛んだソーは体勢を立て直し、自身の前に立ちはだかる巨人らを見て、額に汗を滲ませる。幾ら強いソーでも、数十体の巨人相手では骨が折れるようだ。

 

「ならば、こちらも巨人で対抗するまで! 我の元に馳せ参ぜよ! ストライクフリーダムガンダム!!」

 

 巨人と戦う為、ソーはムジョルニアを高く掲げ、魔法での戦う術を召喚する。ソーがムジョルニアの魔法で召喚したのは、なんとストライクフリーダムガンダムであった。

 

「う、ウォォォッ! が、ガンダム!?」

 

「な、なんでマイティ・ソーがガンダムを!?」

 

 天使のようなポーズを取りながら魔法陣から現れるストライクフリーダムに、敵軍の兵士たちは驚きの声を上げる。あのソーが魔法とは関わりないようなガンダムを召還するなど、驚くのは無理もない。

 そんな敵兵らのことなど気にすることも無く、ソーはハッチが自動的に開かれたストライクフリーダムのコクピットに乗り込み、シートに座り込む。外見はキラ・ヤマトが乗っていたストライクフリーダムと殆ど変わっていないように見えるが、コクピットは全天周モニターに変更されている。どうやら改修型のようだ。

 生身での戦闘を好む肉体派のソーがモビルスーツ(MS)を操縦できるとは思えないが、大胆な神である彼は気にすることなく、ムジョルニアをコクピット内にある専用のラックに装着した。ムジョルニアは起動キーを兼ね備え、全く操縦できないソーが、キラ・ヤマトのようなパイロットにしか扱えないストライクフリーダムを動かすための補助システムを担っているのだ。

 

「ソーディフェンダー、ドッキング!」

 

 シートに座り込んだソーは両手で操縦桿を握り締めた後、ある物と合体するために叫んだ。音声認識システムにより、ストライクフリーダムはあろうことか、背中のスーパードラグーン機動兵装ウィングを外した。どうやら、改修の際に名前の由来となったストライクガンダムと同様、ストライカーシステムが組み込まれたようだ。

 背中の装備を外したストライクフリーダムは、新たなに召喚されたソーの赤いマントを模したようなストライカーパックを装着する。そのストライカーには、MSサイズになったムジョルニアと大斧のストームブレイカーが専用のラックにマウントされていた。

 

「マイティソーストライクフリーダムガンダム、見参!!」

 

 ソーディフェンダーと呼ばれるストライカーパックを装着したストライクフリーダムを、ソーは自分の名を合わせて呼んだ後、ムジョルニアを取り出させて数十体の巨人に挑んだ。全高十九メートルほどのストライクフリーダムに乗ったとはいえ、巨人は二倍近くの体格がある。が、全く違うパックを装備し、ソーが乗ったことで飛躍的に戦闘力を向上させたストライクフリーダムの前では、単なる木偶の棒であった。

 

「きょ、巨人兵が!?」

 

 MSサイズのムジョルニアを一発叩き込むだけで、巨人が砕け散ったのだ。これには地上や空に居る敵兵らは驚きを隠せず、ただ強力な助っ人である巨人らが倒されていくのを眺めるだけだ。

 

「ストームブレイカー!」

 

 ムジョルニアで多数の巨人を叩き潰したストライクフリーダムはストームブレイカーを取り出し、刃を最後の一体に向けて振り下ろした。大斧に切り裂かれた巨人は、真っ二つに叩き割れる。

 

「きょ、巨人兵が全滅した…!?」

 

 頼みの巨人兵等が全滅したことで、敵兵たちは完全に戦意を喪失した。

 

「戦意を喪失したか。では、帰ると…ッ!?」

 

 これで戦闘は終わったかに見えたが、また新たな敵がソーのストライクフリーダムの前に現れた。この現れた新たな敵の気配に、ソーはただならぬ者として警戒する。

 

「こ、この邪悪で渾沌な気配…! ただ者ではない!」

 

 果たして、ソーの前に現れた新たな敵とは…?

*1
全高6メートル前後の人型兵器の名前。通称TS。

*2
自らが開発したハイテクアーマーを纏って戦うヒーロー。会社の経営者で科学者でもある。

*3
アメリカを象徴するヒーロー。第二次世界大戦中に生まれた。

*4
コズミックパワーを扱うスーパーヒーローの女性。




最初のルイスとカマラの行は、ブレイバーンが参戦する布石かな?

ソーがストライクフリーダムに乗ったのは、SEED劇場版からのネタです。
だって名前がね、マイティーストライクフリーダムと言う…。
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