ウォーヘッド・アンド・バスターキャノン-TS金髪オレ娘エースは美少女クラスメイト達と宇宙を駆け無双する-   作:ザンザザン!

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ランチ・タイム

 

 

 午前中の訓練だけで疲労困憊したアンゼリカ達だが、士官候補生らにも意地があり、プライドがある。

 ネーナはマーカーの誘導に従って、速度とコースを調整する。

 人型形態のデルタセイバーがカタパルトレールのアームに保持された時、コクピットが揺れた。

 

『ナイスランディング』と戦術支援AI(エスリー)が言葉を掛けてくれる。

 

「はぁ、どうにか自力で降りられた」

 

 アスリートのように筋肉質な肢体が魅力的な、赤毛の候補生は安堵の溜め息をついた。

 全員がオートパイロットに頼らずにアンカレッジに着艦している。無重力の格納庫に這い出るように飛び出す、少年少女達。

 

「あのちびっ子先生め……」

 

 先導するのは眼帯のロザリア教官だ。彼女もかなり消耗している。ゼラとの教師対決も行ったが、向こうが何枚も上手だったのだ。

 

 アンゼリカは前方のネーナに接近していく。装甲板が食い込んだ親友の臀部は鍛えられ、綺麗なラインを描いている。

 なので、つい目が行ってしまう。《袰月》の女子高生達に負けてないと断言できる、立派な戦乙女のお尻なのだから。

 

「ネーナ、お疲れ」

 

 隣にきて、肩を叩いて声を掛けた。

 

「うんアンゼリカも」

 

 何か月も補給を絶たれて包囲され、飢餓に陥った兵士ってこんな感じなんだろうな、とアンゼリカは思った。

 それほどにふらつき、それでいてエネルギーを欲している。

 

 大河は彼女達の後ろを流れており、熱血少年は完全に鎮火している。

 

(落ち込んだ大河……これは伝説上の生物に遭遇したのと同じですよ!)

 

 低身長メガネの少女、ヴァーシャはその姿から目が離せない。

 

 アンカレッジは巨大なステーションであるため、複数の食堂が設けられてる。幸運にもゼフィリスは行列の先頭に立つことができた。

 

 

 ボリュームのある昼食のトレーを手に席に向かいつつ、赤髪ツインテは食堂を見渡した。

 

(ここに比べたらフェンリルの食堂は殺風景ね。もう少し内装に気を遣おう)

 

 

 華美過ぎない、華やかな内装が凝らされる。恐らくオルランド軍の施設は全体的にこういった装飾なのだろう。

 

 パールホワイトの保護被膜に覆われた、魅惑のヒップを下ろしたゼフィリスは女子らに囲まれた。

 この少女は抜きん出た妖艶さと気品を併せ持ち、理知的な雰囲気と相まって性別を問わず他者を惹き付ける。

 

 士官候補の男子らは揃って、長距離打撃戦隊の女子高生達の後ろに立つ位置を占めることができた。

 疲れ果てていても、ぴっちりパイスーが張り付いた魅力的なボディをガン見するスケベ心は残っていた。

 

 ネーナなど女子一同は男子に憤慨していたが、《袰月》のJKらは気にしていない。

 むしろ、面白がって反応する娘もいるほどだ。

 

 白髪ポニテの女侍風褐色シルフ、八坂は気弱で可愛らしい男子生徒の視線に悪戯心を起こした。

 

「んっ」

 

 おもむろに身動ぎして、少年の視線を揺さ振ったかと思うと、褐色に映える白い保護被膜が包んだ臀部の前に手を持ってくる。

 

 嫌らしい目で見ていたことに気付かれ、動揺した少年は「えっ」と漏らす。

 長身で褐色なカッコいいサムライお姉さん風シルフはトドメを刺す。

 超極薄なぴっちりパイロットスーツが張り付いたお尻を背景に逆さのピースサインを送ったのだ。

 

「うぅ……!」

 

 男子生徒は心臓が破裂しそうなほど興奮して、身を震わせる。一生忘れられない光景だった。

 

「撃墜数が増えたね」

「ふっ何のことですかな」

 

 見物していた隣の列に並ぶ、忍者風な小柄ボーイッシュシルフはそう言って笑った。

 

 他にも振り向いて軽く手を振ってあげたり、腰をぐっと突き出したりと、サービス精神溢れるJK達だった。

 

 

 やっとのことで昼飯を受け取ったミエリはアンゼリカ達のいる席に向かった。

 事前の打ち合わせ通り、一つ席が空けてある。

 当たり前のように大河の対面に腰掛ける金髪碧眼の美少女。

 

 座ってしばらく落ち込んだ大河少年の様子を観察してから切り出す。

 

「ミエリ・ライオネルが破るのは気に入らない命令だけだった。たとえば友軍や民間人を見捨てるような命令だ――――毎回出来たわけじゃないがな」

 

 ミエリは、はっきりと言った。過酷な戦闘では、自分や部隊を守るだけで精一杯なことも多かった。

 

「大河一つ質問させてくれ。仲間の事は嫌いか? 弱くて、自分の足を引っ張る奴らだとしか思っていないか? アンゼリカの指揮は無能で、教官の指導は退屈か?」

「そんなことはない!」

 

 俯いていた熱血少年は飛び上がり、強い口調で否定する。

 勢いにびっくりして、スープを啜っていたヴァーシャが咽ていた。

 

 今や金髪碧眼の美少女であるミエリ・ライオネルは大河を真っ向から受け止めていた。

 

「ならどうして命令を破ったり、勝手な行動をする?」

 

 鋭い眼差しで見つめながら再び問う。

 

「それはミエリ・ライオネルがそうだったからで……俺はミエリみたいになりたいから……」

 

 凄まじい気迫に圧された大河の説明はたどたどしい。同席しているアンゼリカらでさえ、ミエリを前に何も言えない。

 

「外見を半端に真似してきただけだな、お前は」

「違う! 俺は半端なつもりでやってない!」

「気持ちの上ではそうでもな、やってることは半端で迷惑だ」

 

 熱血少年は激怒したが、金髪碧眼娘がその剣幕に怯むことはない。

 

「それにだ、大河。お前は決してオレにはなれない。マニューバーで分かる、あれはお前だけの飛び方だ。自分が分かってないみたいだが、大昔の化石の真似事で終わるような奴じゃないぜ」

 

 模擬戦を通して感じ取ったものをミエリ・ライオネルは伝えた。

 熱血少年の動きは、自分を模しながらも独自にものへと開花しており、学ぶべきものもあった。

 

 最早、この少女が蘇った憧れの英雄本人であると大河は無意識に認めており、反論しなかった。

 

「俺だけの……?」

「そうだ。だからなこれからは――――」

 

 立ち上がったまま呟く大河に告げようとした時。少年が先に動き、ミエリの手を握った。

 

「ミエリのおかげで今、理解したぜ! 俺は馬鹿だった! 大馬鹿だった!……皆、すまねえ、今まで勝手なことばっかりしてた! これからは心を入れ替えて頑張るから、だからもう一度だけチャンスをくれ、仲間として飛ばせてくれ!!」

 

 暑苦しさを完全に取り戻した大河は同席しているアンゼリカ達に深く頭を下げて謝った。さらにうおおおっ!と他の席の士官候補やロザリア教官にも謝って室温を上げていく。

 

「作戦、成功みたいね」

「だけどあの暑苦しさだけはどうにもならないわね」

 

 そんな熱血少年の背中を見ながら、アンゼリカは言っていた。ネーナは苦笑いしているが、大河の熱さは別に嫌いではない。

 

 ミエリはサルサソースのかかったステーキを食べ始めた。青少年への説教などという、慣れないことをして余計に腹が減っている。

 

「これで良かったか?」

「ええ、ありがとう。ライオネル……さん」

「私からもお礼を言わせてライオネルさん!」

「本当に格好良かったです! よっ良かったら今度デートしてください!」

 

 アンゼリカら三人娘の眼差しは熱い。ミエリはこそばゆくなる。

 

「さん付けはやめてくれ。ミエリでいい。というか頼む」

 

 金髪碧眼のオレ娘は心からお願いした。

 

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