ウォーヘッド・アンド・バスターキャノン-TS金髪オレ娘エースは美少女クラスメイト達と宇宙を駆け無双する- 作:ザンザザン!
プロローグ
銀髪の士官候補生アンゼリカだけでなく、ミエリも次元兵装搭載型デルタセイバーのテストパイロットに指名され、長距離打撃戦隊は離れていた。暫定的にタイプFのコードネームを与えられたアロウヘッドはミエリ達が海を楽しんだ翌日には仕上がっており、テストが開始された。グリムナイア博士恐るべしだ。
宇宙における開発拠点となったのは低軌道ステーション、アンカレッジ。他のJKどもは特務巡洋艦フェンリルに移って別任務に当たっている。ミエリはアンカレッジの士官室を宛がわれ、そこで寝起きしていた。
宇宙空間に設定された仮想コースを飛び回るアクロバット飛行のような機動性試験を終え、航行する機体のコクピットにいる。ミエリはシートで身を休めるようにしていた。
碧髪の人形めいた美少女博士は徹底的で、テストパイロットをやるのはしんどい。
だが機体は最高だ。タイプFは推力コントロール性能と運動性が優れていて飛ばすのが楽しい。並ぶ者のない暴力的な出力で空間をかっ飛ぶファイアイーターのパワーと一体になるのとは異なる快感がある。
飛んできたもう一機のタイプFと人型形態で二編隊を組む。デルタセイバータイプFはテスト機らしいド派手なトリロコールカラーに塗られている。
通信画面のバストアップに映るアンゼリカは疲労を表に出さないよう、堪えているようだった。
『無理すんなよ』
『まだ大丈夫です。新型のパイロットスーツのおかげで負担はかなり減っていますから』
ミエリ達が取り組んでいる新型はオルランド軍が運用するためのアロウヘッドだ。人体の強化や延命に消極的な国の方針に合わせ、搭乗者の身体能力と生存性を高めるパイロットスーツが併せて導入されることになっていた。このスーツはオルランドの防衛企業製である。
アンゼリカはテストパイロットの大役を果たす傍ら、士官候補生としての本来の課程をできる限りこなしている。ひたむきさに恐れ入るばかりの金髪オレ娘であった。
才能とガッツがあるアロウライダー向きの少女だが、少し自己評価が低い。褒めて伸ばさねば、と余計にお世話をしたくなる。
通信が入った。管制室で指揮を取るグリムナイア博士からだ。
『二人とも良くやってくれた。おかげで空間機動のデータ収集は非常に捗っているよ』
『あっありがとうございます博士!』
思わずアンゼリカが敬礼したのは、博士からもらった初めてのお褒めの言葉だったからだ。
アンカレッジにいる人形めいた美少女博士は実体ではなく有質量ホログラム。星系の各地や《袰月》に遍在して各環境でのタイプFの試験や、開発局のプロジェクトを並行思考でこなしている。
『これで第一段階の試験は完了。試験データに基づきタイプFを改修した後、第二段階の試験を行う。一週間後だ』
それまでは休暇になる。
着艦はミエリが先だ。オペレーターによる管制と視界に表示されたガイドラインに従い、派手なテスト機をカタパルトに向かわせる。コクピットに振動、十分に減速した機体がアームにキャッチされた。
レールを伝って、格納庫に運ばれる。アンゼリカのデルタセイバーが隣のメンテナンスベッドに固定されてから、ミエリはコクピットを開いた。
青いナノ被膜のぴっちりスーツで、裸同然の引き締まった肢体が浮き彫りになっている。
デルタセイバーのボディを蹴って、格納庫の無重力に躍り出る。金髪のオレ娘は、コクピットから出ようとするアンゼリカにバイザー越しに笑いかけた。
銀髪の少女が着ているスーツは頑丈な強化外骨格が備わっているためゴツく、スキンスーツが素肌に張り付く有り様が目立つ。
クラスの女子高生達はアロウヘッドから降りる際、仲の良い者をエスコートする。
ミエリは我知らずその流儀に染まっていた。
「シャワー行こうぜ、アンゼリカ」
そう言って手を差し出す。ミエリの手を取る銀髪の少女の頬が紅潮しているのは、過酷な飛行が原因ではなかった。
昔も今もエースパイロットなミエリ・ライオネルは小柄なのにカッコいい。その上、金髪の美少女で可愛いのだ。元々が大人なこともあり、頼り甲斐がある。
それでいて垣間見える弱さが、アンゼリカを夢中にさせた。長距離打撃戦隊のトップエースとして君臨していた銀髪赤眼の神秘的な少女が可愛がるのも納得だ。
二人は手を繋いだまま空間を流れ、エアロックへ。艦内通路側のドアが開く前にアンゼリカはそそくさと動いてミエリの後ろに立った。
通行の邪魔にならないようにするためだが、小柄な金髪少女の引き締まったお尻が目当てでもある。
厚さ0.01mmの青いナノシェルが張り付くお尻は装甲板が食い込んでいて、綺麗な形が際立っていた。いけないと分かっていても、見つめてしまうアンゼリカ。
引き締まった細い腰から広がるミエリのヒップは程よく肉感的で何度見ても飽きない。
足音を廊下に響かせながら、少女達はシャワールームを目指す。アンゼリカはその間も極上な金髪碧眼オレ娘の魅力に釘付けだ。軽やかに、ふりふりと揺れるお尻は柔らかそうに弾む。ミエリは僅かな身動ぎの一つ一つが愛おしい。
不意に足を止めたミエリが身体ごと振り返った時、アンゼリカの心臓が高鳴った。バレてしまったかと焦る。
「そういえば休暇中は《袰月》に来るんだったよな?」
良かった。お尻をガン見していたのがついにバレたのではなかった。
「えっ――――はいネーナとヴァーシャと三人であちこち観光させてもらいます」
「そいつは良いな。でな、まだ伝えてなかったんだが――――」
自信満々な笑顔を湛えるミエリ、両手を腰に当てている。
「休暇中にレースに出るんだよ、オレ。試作小隊のイリシアに誘われてな」
「ミエリがレースに……?」
「ヘッドフラッグ・レースだ。アロウヘッドでやるエアレース、オルランドでもやってるだろ?」
「ええ。恥ずかしながら私はあまり興味がないのですが、大河は夢中で観戦していますね」
自由主義の盟主を自負し、それ故に地球という権力の座を欲する最大級の艦隊国家、
オルランド星系王国は民間での蘇生サービスを禁止しているため、衝突や墜落などの事故リスクを最低限に抑えた形式のレースのみ行っている。
参加機体が一機ずつコースを飛び、タイムを競うものだ。
一方、費用さえ払えるのならあらゆる社会的地位に蘇生が認められているステイツなどでは、多数のアロウヘッドが指定されたコースを翔けてゴールを目指す、大迫力かつ危険なレースが展開される。
「もし暇だったら応援にきてくれ」
「必ず行きます! ミエリが出場するのならネーナもヴァーシャも賛成してくれるはずです! 全身全霊で応援させてもらいます!」
「嬉しいこと言ってくれるじゃねえか」
アンゼリカの熱意にミエリの気合も入った。ナノシェルスーツに包まれた金髪オレ娘のキュートなお尻がきゅっと力強く引き締まる。