ウォーヘッド・アンド・バスターキャノン-TS金髪オレ娘エースは美少女クラスメイト達と宇宙を駆け無双する-   作:ザンザザン!

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エピローグ

 

 逆恨みからオルランド星系へのテロにおよんだゾンネンキント第四皇女レオポルディネと彼女を扇動したゾエ、及びその部下の身柄は《袰月》で預かることになった。数日の間にグズマ連邦より再三に渡る引き渡し要求を受けていたが、非人道的な刑罰からの保護を利用に拒否していた。

 

「それじゃ、連邦への対応は引き続きこの方針でお願いね。オルランドをはじめ、全友好勢力への情報共有も徹底するように」

 

 管制AIの分体であり、防諜を司る保安局を統括するネレは上級局員たちに指示を出して、会議を終了した。

 保安局庁舎のオフィスにて、ネレの有機義体は溜息をついた。動きやすいよう、銀色の髪はアップに纏めていた。

 

 ネレの感情プロセッサには、憂鬱の相が色濃かった。おもむろに立ち上がり、過激なスリットが入ったメイド服の前後の垂れを閃かせた。

 窓から外の景色を眺める。自然と人工物が調和した美しい景観は人間の手による設計であった。

 

 行き交う人々の表情、一つ一つを窺い、想いを馳せる。

 

(私たちも変わらなければならない時が来たということかしら?)

 

 今回のグズマ連邦内の権力闘争は大きな混乱と紛争の切欠になりうるものであり、それは全人類を巻き込んだ問題へと発展するものでもあった。

 

 連邦の強硬派たる軍派閥は工作員として送り込んだゾエを切り捨て、一応の目的を達成した。だが、中央政府派も黙って沈むつもりはない。

 《袰月》という部外者の眼からでも分かるほど、グズマ主義連邦の派閥間対立は急速に激化していた。

 

 しかし、喜ばしいこともあった。アロウヘッドの生体CPUにされていた少年少女達は無事に快復し、《袰月》の乗員になる道を選んでくれたのだ。

 

 六人の新たな乗員を想いながら、ネレはメイド服に誓った守護と奉仕の決意を新たにした。それは各々の務めに励む他の管制AIも同じであった。

 

 

 

 襲撃以前の位置からの再走という形でヘッドフラッグ・レースは再開された。

 

 既に先頭グループはオルランド本星の大気圏に突入し、砂漠を駆け抜けている。数十機のアロウヘッドが着陸可能な場所として、オルランド星系王国より提供されたゴール地点だ。

 

 長距離打撃戦隊の一部はゴール地点付近の観戦エリアでミエリ達を応援している。他のメンバーも近辺に散っている。レースが終わったら打ち上げをする計画だ。

 

「おっ見えてきたぞ!」

 

 青空に瞬くプラズマの噴射炎を指し示すのは長く尖った優美な耳をした異種族の美少女。

 脈々と受け継がれてきた高貴な血統の者が持つオーラを放っている。シルフ族で構成された妖精小隊の隊長、久遠である。

 

 迷彩柄のジャケットがやや物々しい出で立ちの御目付役、火狩よりも早く、先頭を飛ぶアロウヘッドを肉眼で捉えていた。

 久遠は少し自慢気に胸を張った。シルフの王族らしく、抜きん出た長身と秀でた肉体をしており、ぴったりとした黒インナーが張り付いた大きな乳房が軽く揺れていた。

 

 対して火狩は満足気だ。久遠が秘めた実力を発揮するのは御目付役として嬉しいことであった。

 

 フルメンバーで観戦している妖精小隊のJKは砂漠の気候に合わせた涼し気な私服姿で、和風を好むシルフらしい風流な着こなし。

 

 ポニーテールに束ねた絹のような白髪が砂漠の風に靡く。

 褐色の女侍風シルフ、八坂は大人びた余裕に溢れており、口元には涼やかな笑みが浮かぶ。

 

 艶やかな黒のハイレグボディスーツを身に着け、ローライズのジーンズを履いた刺激的な装い。

 抜き身の刀のように鍛え抜かれた褐色の八坂の肢体によく似合っている。

 

「ゼラ先生の所見を伺ってもよろしいですかな?」

 

 八坂が小柄な先生に尋ねる。パールホワイトのアロウヘッドとオレンジのアロウヘッドがトップを争い、一進一退の攻防を繰り広げていた。

 

「ミエリくんが勝つと言いたいところだが、勝負は分からないね」

 

 私服の金髪のお子様先生、ゼラが双眼鏡を覗きながら言っていた。見た目はJC~JKくらいだが、成熟した女性らしく控え目な服装。重ね着風のワンピース姿である。

 

「流石は本場ステイツのライダーですね」

 

 ゼラの隣に立つ赤髪のツインテール、気品ある佇まいのクラス委員長ゼフィリスが言った。上品なブラウスに魅惑的な括れを感じさせる黒のコルセットスカート。

 

 ミエリの烈鷹と争うパールホワイトのアロウヘッドはクリスティ・サンダーランドのクロムカイルだ。

 

「《袰月》のヘッドフラッグ・レースが益々盛り上がるね。プロのレーサーは引手数多だろう」

 

 ボーイッシュな片目隠れのシルフ、葉隠が意味ありげに呟く。服装は狩衣風の和風パーカーにショートパンツ。

 

「相変わらず耳が早いね葉隠くんは」

「忍者ですから」

 

 シルフの異能を組み合わせた、いわばシルフ流忍術の使い手である葉隠は指を立てながら答えた。

 

 競い合う二機のアロウヘッドがゴールが近づく。オレンジの機体、ミエリの烈鷹が先行する。

 ラストスパートは一直線で烈鷹にとっては不利だが、運動性を武器に後続を大きく引き離している。ミエリはエンジンの力を振り絞って突き進んでいた。

 

 パールホワイトのステイツ最新鋭機、クロムカイルがそれを必死に追う構図である。

 

「おっおお!? この調子ならミエリが勝つぞ! 皆でお祝いだ!」

 

 確信を抱き、久遠が声を上げる。

 

「気が早いぞ久遠。あの機体の勝負への熱意と執念は並ではない」

 

 御目付役として火狩が釘を刺す。久遠は「ごっごめん」と謝り申し訳なさそうに肩を落とした。

 

 ゴールまで十秒という距離でクリスティのクロムカイルが烈鷹と横並びに。「負けるなミエリ!」とこの場にいるJK達もそうでないJK達も声を張り上げて応援していた。

 

 二機がゴールに向かって手を伸ばす。指先でも触れればそこで勝敗は決する。

 

 

――――ミエリは二位の表彰台に立って、レースの世界の厳しさを噛み締めていた。

 

(恥ずかしいったらないな)

 

 あれだけ自信満々に優勝宣言をしたが、この結果である。閉会式に集った無数の観衆の中に紛れたアンゼリカたちと目が合ってしまい、思わず俯くミエリであった。

 ハイレグ仕様のレーシングスーツで太股を晒しているだけでなく、股座も刺激的な鋭角。そんな扇情的なコスチュームを大観衆に晒していることも金髪のオレ娘の羞恥心に拍車をかけた。

 

 優勝の栄冠を手にした、クリスティ・サンダーランドは疲労を感じさせない溌溂とした調子でインタビューに応じ、驚くべき発言をした。

 蜂蜜色の髪の女工作員は《袰月》に移籍することを堂々と宣言したのである。

 

 レースクイーンと同じく白と青のカラーリングで施されたアロウヘッドが表彰台の後ろに立っている。

 大会の優勝賞品であるハキタ十二式改"飛燕"だ。

 

 白頭鷲主義連合(イーグル・ステイツ)の諜報機関UCIAが求めた機体を見上げながら、クリスティは意気込みを語った。

 体ごと振り返った姿勢なので、ボディスーツを張り付けた、ステイツ生まれらしい奔放さのある臀部が観客に披露されている。

 

「――――今後はこのヒエンでレースに参加したいと思っています。クールな機体で今から飛ばすのが楽しみ」

 

 自らの母国の枷から解き放たれた彼女の声は明るい。

 

 UCIAは今頃大慌てだろうとミエリは思った。

 

 今後の対ステイツ戦略のテストもかねて、クリスティを合法的に獲得するよう保安局が動いているとリーゼは匂わせていた。

 宣言と同時に作戦が開始されたはずだ。

 

 閉会式は無事に幕を閉じ、参加レーサーは更衣室で着替えていた。ヘッド・フラッグレースにおいて、スタート地点とゴール地点が異なる場合はコクピットに着替えを持ち込むのが通例であった。

 

 一番乗りでシャワーを使うことができたミエリは、ブーツを履いて着替えを終わるところだ。ブラトップにかなり布地が少ないホットパンツという軽装だった。短期間で徹底的に鍛えた腹筋がちょっとした自慢だ。

 

 明日からはグリムナイア博士の元で、第二段階となったデルタセイバーFbの試験だ。

 

(気合入れてやらないとな)

 

 だが、今日のところはクラスのJK達と集まってレースの打ち上げだ。ロッカーを閉め、振り返る。

 

 シャワーで身を清めた金髪ツインテと茶髪の王子様系、イケ雌二人が親し気にお喋りしながら着替えていた。

 

 奇遇にも同じブランドの下着を使っている。ゴムバンドにロゴが入っており、鋭角的なカットのスポーツインナー。

 イリシアは灰色。質実剛健なイメージ。アクィラは颯爽とした性格にぴったりの青。

 

 インナーの後ろの布地は大理石のようにピカピカなイリシア達の白いお尻に深く食い込んだ。その有様はまるでフンドシのようで、二人のイケ雌の凛々しいイメージをより高めている。

 

 ミエリは身動ぎして揺れる二つのJKヒップを凝視した。

 

(リーゼの気持ちが分かった気がする)

 

 クラスメイトや友人知人に過激なスキンシップを図る、悪戯好きな淫魔風JKならこうするだろうと、ミエリは忍び足で接近。

 

「二人とも隙ありだぜ!」

 

 悪戯っ子の笑顔でミエリは下着姿のイリシアとアクィラのお尻を鷲掴みにする。

 

「やっんぅっ!? ミエリ!?」

「っ~~!!キミって意外に大胆なんだね!」

 

 予想外に艶っぽい吐息を漏らしてイケ雌二人が悶え、大きなお胸が揺れる。イリシアの甘い声は新鮮だった。一方、ミエリも天上の質感を備えたイケ雌のお尻に圧倒され、間抜けな声が漏れそうだった。

 

「はーさっぱりしたって――――えぇ!?」

「ワオッ……」

 

 肩にタオルをかけて、胸の先端を隠しただけの素っ裸でシャワー室から出てきたリーゼとクリスティの声だ。

 欲張りにも、イリシアとアクィラというイケ雌二人の魅惑のお尻を鷲掴みにしているミエリの所業に衝撃を受けていた。

 

 大袈裟なほどにびっくりするリーゼにミエリは我に返った。

 

「その二人とも、ごめんな。ちょっと調子に乗り過ぎた」

 

 気まずくなり、ミエリは極上の揉み心地の二つのお尻から手を離した。

 

「人肌が恋しい時は誰にでもある。それに悪い気はしなかったぞ」

 

 ミエリに向かって振り返り、ツインテールを掻き上げるイリシア。

 

「イリシアの言う通りさ! だけどこのお礼は近いうちにさせてもらうから楽しみにしてくれよ!」

 

 先ほどのミエリに負けないくらいの悪戯っぽいスマイルのアクィラ。

 170cmオーバーの長身な女子高生に見下ろされると、子供になった気分だ。

 しかも、二人ともアロウライダーなので筋肉質で、腹筋がバキバキだから迫力がある。

 

「これが《袰月》流の付き合いってわけね―――Hey come on!」

 

 モデルみたいな立ち方でミエリに尻を向けて誘うクリスティ。勿論、冗談だ。

 

「私のお尻も一緒にどう? あっイシリアのお尻揉んだほうの手でお願いね」

 

 その隣でリーゼが悪ふざけに乗っかってきた。

 

「遠慮させてもらう」

 

 きっぱり断るミエリであった。

 

「なんでよ~!? リーゼお姉さんのお尻はイリシアとミエリにだけは完全フリーなのに!」

「いや、後が怖いだろ」

 

「そう、残念ね」

 

 クリスティの気持ちは弾んでいた。こんな風にふざけることができたのは久しぶりだった。

 

 これから受けることになる調律――――心身の強化改造への不安はなかった。

 

 新しい自分を迎え入れるように、クリスティはパッケージに入ったままの新品のショーツを取り出した。それは、移籍の決意を固めた後に購入した《袰月》製の下着だった。

 

 封を開けて出てきたのは純白の紐のような下着、Gストリングだ。刺激的で開放的なイメージがあり、蜂蜜色の髪の陽気な美女にぴったりだった。 彼女自身、下着はこの手のデザインを好んでいる。

 

 クリスティは長い脚に滑らせ、紐のようなインナーを引っ張り上げた。前からの締め付けと後ろからの割り込む感覚を受け入れる。品質は素晴らしく、ぴったりと心地よい感触があった。

 

 クリスティ・サンダーランドは生まれ変わったような気分だった。

 

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