ウォーヘッド・アンド・バスターキャノン-TS金髪オレ娘エースは美少女クラスメイト達と宇宙を駆け無双する- 作:ザンザザン!
戦闘速度で急接近する人型機動兵器アロウヘッドに対して、翔鶴の管制室は警告を発した。
『接近中のステイツ機へ、当艦への無許可の接近は認められません。即刻退避願います』
詫びの一言もなくアロウヘッドは機体を翻し、離脱していく。爆装した対艦装備の"ヴェロス"は勝ち誇るかのように飛び去っていた。ハイペリオン・グループ製の主力アロウヘッドである。
ヴェロスを示す輝点が遠ざかると女性管制官はナノシェルスーツに包まれたお尻を浮かせた。座り心地抜群なシートにかけ直し、小さく溜め息。
翔鶴に対して三回目、艦隊全体では七回目の無断接近だった。
その度に全艦に警報を出さねばならなかったし、離着艦する機を退避させなければならない時もあった。
おかげでトイレ休憩の時間が潰れてしまい、この女管制官はあまり使いたくないナノシェルスーツの機能に頼らなければならなかった。成熟した太股を擦り合わせ、声を漏らす。赤面していた。
派遣艦隊旗艦、翔鶴。その艦橋。
「爆装した機体まで出してくるなんて大胆だなぁ」
終の呟きには感心と呆れが入り混じっている。撃墜もやむなしとされるレベルの危険な行為であり、ステイツが仮に挑発を受ける側であったなら間違いなく即時撃墜の判断を下すだろう。
派遣艦隊の中核を担う一隻、電子戦艦"フランドル"から通信が入る。
空間投影ウィンドウが開くと、フランドルの艦長カリンカ・ノイズの微笑みが映る。丸眼鏡をかけた、おっとりとした大人の女性だ。厚さ0.01mmのスマートなナノシェルスーツで豊満なボディを包み込んでいる。
カリンカの報告は派遣艦隊の今後の出方に関わるものでもあった。
『"枝"は順調に伸びています。アンフィニ内のAクラス機密情報も三十六時間以内に抽出、解読可能です』
電子・電脳戦闘に特化したフランドルの能力を使い、接近してきたステイツの機動兵器にワーム型ウィルスを植え付けたのだ。
スパイ・ワームは帰還した機動兵器から母艦のシステムに感染。さらに艦隊全体のネットワークに広がりつつある。
電脳戦能力において《袰月》と連合には象と蟻ほどの差があり、ハイペリオングループが最強の戦闘艦と喧伝するアンフィニ級の電脳戦闘力は、少なくとも銀河最強からほど遠いことが証明されていた。
『神薙艦長!』
新しいウィンドウが開き、金髪褐色肌の美女が会話に加わった。元気のいい声だ。キメラの艦長であるハマヤ・アル=ハズルは戦闘的な体型をしたゴリゴリの武闘派であった。
『連合と砲火を交える際はぜひとも我がキメラにご下命ください。幾億の砲撃をもって彼奴等を教育してくれましょうぞ!』
獰猛な笑みで進言するハマヤの瞳には危険な戦意が燃えていた。ハマヤは自他ともに認める暴れん坊の終を上回る戦争狂である。
しかし、火雷級重砲艦"キメラ"のスペックを最大まで引き出せる人材であるから、艦長を任されていた。
火雷級は全長7kmの艦体に過剰武装を施しているため、慎重に運用されている。これまでに全力を発揮したのは防衛群内での模擬戦のみ。
『ハマヤ艦長はその時のために力を蓄えておいて。あーだけど基本は仲良く模擬戦やって解散の方針だからそこはよろしくね』
『ははっ! 臨機応変かつ柔軟に対応いたします!』
終は人懐っこい猛獣を宥めるようであった。そんな赤髪の女艦長に敬礼して満面の笑みを見せるハマヤである。
「相変わらず賑やかで退屈しないわね」
通信が終わると、隣の席に優雅に腰掛けた副長シフォン・ルーが言った。麗人という言葉が似合う、怜悧な顔立ち。しなやかなで艶っぽい肉体の持ち主。
シフォンは専用アロウヘッドで戦場に飛び出したがる困った艦長に代わって指揮を執ることも多い、忙しい立場であった。
「本当にね。今回はロングレンジの娘たちもいるから最高だよ。おまけに連合を思いっきりぶん殴っていい許可も出てるし」
座ったまま、軽く上半身のストレッチをしつつシフォンに応える。終はナノシェルに覆われた修羅の如き女体から闘志を発散していた。数日後に予定された連合艦隊との演習にやる気満々である。
突撃小隊の各機は翔鶴のカタパルトに着艦。格納庫に搬送され、メンテナンスベッドに固定された。
ミエリ機の反対側のメンテナンスベッドにVAF-14"カレドヴルフ"が鎮座している。頭部のアイカメラを保護するバイザー型の装甲が特徴だ。
この機体はファイアイーターの兄弟機と呼ぶべき次元兵装搭載機であり、翔鶴に少数配備されている。
《袰月》防衛群の通常型アロウヘッドの最新機種であり、ブロック構造と多数の拡張パーツを特色とするVA-11"パラディン"。その翔鶴艦隊仕様、
白燕は惜しくも新型機コンペに敗れたハキタ・ワークスの協力による官民一体開発のバリエーション機だ。両機種の開発にグリムナイア博士は関与していない。独力で成し遂げるのが碧髪の少女博士から開発チームへの課題であり、チームは見事にその課題に合格した。
カレドヴルフの胸部装甲が解放されると同時に青緑色のナノシェルスーツを張り付けた俊敏な人影が飛び出す。
少女はハッチの縁に手をかけたミエリを一瞥すると、パルクールの要領で格納庫を駆け抜けていく。
「ジアンも休憩か」
ミエリは対抗意識が気持ちいい、不愛想な軽業少女を見送る。
装甲板がI字に食い込む様が刺激的なお尻に否応なしに視線が吸い寄せられる。程よい筋肉で上向きな、健康的な臀部だった。
ファイアイーターを降りてハレ達と合流した。バイザー越しに顔色を窺えば、灰音の体調は悪化しているようだった。
「医務室には私が連れていきます。手を繋ぎましょう」
「助かる。ククリスの手はあったかくて好きだ。それじゃ、二人ともまた後で」
手を振り、黒髪褐色と銀髪赤目の仲間と別れる。
「私達は先に休憩に入ろうか。大丈夫、休めば良くなるよ」
「ハレが言うなら、そうなんだろうな」
金髪の猟犬風ギャルは陽気に笑っていた。予知の異能を持つ彼女が断言してくれると安心できる。
1Gの人工重力区画に休憩用ピットが設けられている。装甲多めな戦闘型ナノシェルスーツの胸元を開き、谷間を露出させた集団がまず目についた。
揃いも揃って兵士とは思えぬ派手なメイク。見栄え抜群な筋肉を鍛えた戦闘ギャルが分隊規模で寛いでいるのだ。
全長二メートルを超える高機動装甲服を纏い、主力戦車も吹き飛ばす重武装の戦乙女は哨戒機に随伴する任務に就いていた。
何事かあれば突入艇で突っ込み、暴風の如く暴れて艦内を制圧するギャルなのだが、仕事が湧くこともなく、装甲服に押し込められて過ごす時間が続くばかり。
休憩時間の今は肌を露出させ、開放感を味わっていた。
「おーミエリとハレじゃん」
「とりま拝も。金髪小柄オレっ娘様ありがたや~」
「二人ともこっちきて涼もうよ!」
最後のセリフは点検作業で一緒になったイスズだ。大袈裟に手招きする。
「失礼しまーす」
「邪魔するぜ」
ハレや海兵ギャルどもに囲まれる位置でミエリはちょこんと腰掛け、全周囲から甘く柔らかな匂いに包まれていた。少し、汗の香りもする。
一緒にピットに入った殲滅小隊は揃ってピットから続く仮眠室へ。エイリとエルザレドの紅シルフ姉妹は手を繋いでいた。
妖精小隊は少し離れたテーブルで他の隊の女子らとトランプで遊んでいる。
しばらくするとククリスもやってきて
「灰音は調整槽で休むことになりました。機体と併せてグリムナイア博士が診るそうです」
と報告。ファイアイーターの開発者である碧髪の少女博士も乗艦しているのだ。機体の方も調整するというのが気になったが、改めて安心した。
「プラネット・マーダーのプラネットは惑星と放浪のダブルニーミングなワケ。銀河を彷徨って有機体をぶち転がす奴らってコトよ」
病んだ雰囲気のパンク風ギャルがドリンク片手に豆知識を披露する。
「へー知らんかったわ。正式にはなんて言うんだっけ、あいつらの名前?」
ミエリに話を振るイスズ。プラネット・マーダーはその性質からくる別名であり、全自動の殺戮機械を生み出した殲滅派が与えた本来の名称とは異なる。
記憶を呼び起こし、ミエリは答えた。
「ゼラキエルだ。殲滅派にとっては天使だったんだよ。高次元技術の氾濫による異能者の増大。それによってヒトがヒトでなくなることを恐れたから死の天使を造って全部壊そうとしたんだ」
「潔癖」
パンク風海兵ギャルが殲滅派の理念を端的に現していた。高次元エネルギーという大きな力を招いたことで変容しつつあった人類を悍ましく想い、彼らは人類殲滅の凶行に及んだのだ。
派手でキメキメな高身長女子に囲まれ楽しくお喋りすること三十分。
「ごめん、ちょっと外すね。ククリスは?」
「私は平気です」
不意にハレが立ち上がり、長い金髪を靡かせ、ピットの出入り口を向いた。
「オレも付き合うぜ」
ミエリも立ち上がる。二人は催したのでトイレに行こうとしているのだ。
ナノシェルスーツには極めて高性能な処理機能があり、装着している限りトイレを使う必要はないのだが、あくまで緊急時の機能であり乱用を戒めるべく、排泄物パックの使用時に違和感を感じるようにあえて設計されていた。なので艦内ではトイレを利用する者が多い。
「しまったぁ。ミエリと一緒になれるなら我慢しとけば良かった」
半ば装甲服に閉じ込められるように待機任務を続けていた空間海兵ギャルどもは、出し切ってしまったのを少しばかり悔やんだ。
ハレと連れ立って廊下に出ようとした時、知り合いのアロウライダーと顔を合わせた。
茶髪のイケメン女子、アクィラである。
「ミエリ、ハレ。奇遇だね」
気品ある端整な顔立ちが爽やかな笑顔を向けてくれた。翔鶴所属のイケメス様の輝くスマイルはなんと誰にでも無料。
青緑色の被膜と黒い装甲のナノシェルスーツでボディラインは剥き出し。お胸もお尻もしっかり豊満である。乗艦中は裸よりもエロいかもしれない、艶やかなぴちスー姿も追加サービスなのだ。
「君たちもかい?」
何がとは言わず、アクィラは問うて金髪の長身と小柄なJKは肯定。三人で向かう。そういうことになった。
ブーツ型装甲の足音が広い廊下に響く。一列縦隊でアクィラが先頭を颯爽と歩いていた。
ミエリは二人のJKの希望で列の真ん中を歩き、小隊長にキュートなお尻の揺れを魅せている。
「ミエリと一緒なんて嬉しいな~」
本当に嬉しそうなハレである。
「大袈裟だな。喜ぶことかよ」
ミエリは肩越しに振り向いた。
「一緒に行くとなんか一体感?が出るじゃん。それって気持ちよくない?」
「まだオレには分からないぜ、その手の感覚は」
学園でも艦でもJK達は何かと一緒に行動したり、協力して問題を解決するのを好む傾向にある。独りで済ませられる強さを皆が持っているというのに。
そして格好いい王子様なアクィラも女子なのだと、今こうして"連れション"に誘われて判った。
「それじゃこれから一杯ツレして覚えていこうか。女の子にはたくさん楽しいことがあるんだからね」
ハレの眼差しは金髪のオレ娘を抱擁するようだった。
ピットからトイレまでの距離は地味に長い。着いた頃には尿意はレッドラインに突入していた。
「やば漏れそう! ごめんアクィラ!」
両手で股間を抑える、女子高生として恥ずかしい格好で金髪の陽気な長身JKはトイレに駆け込んだ。
アクィラはその背中を見守りつつも足早。片手を股間の装甲板にあてがい、抑え込むようにして進んでいた。イケメスな美貌は涼しい笑みを保っているが、彼女も限界が近い。
個室に入る前に振り向き「皆には内緒にしてくれよ」とミエリに悪戯っぽくウインクしておくのは流石で、感心してしまった。
JK三人は無重力状態も想定した便座に無事に腰掛け、ナノシェルスーツが反応して局部装甲がスライド。艶っぽい溜息が漏れた。