ウォーヘッド・アンド・バスターキャノン-TS金髪オレ娘エースは美少女クラスメイト達と宇宙を駆け無双する-   作:ザンザザン!

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ポストウォー・プロセッシング

 

 真空にして絶対零度の宇宙空間に眩い光の風が吹き荒れた。超常の暴風は自動殺戮兵団(プラネット・マーダー)を撹乱し、火器管制を狂わせるだけでなく、物理的な影響さえ及ぼしている。エネルギーは拡散、実体弾の運動エネルギーは大きく減衰していた。

 

 儀式魔術が招いた超常の風は、連合と《袰月》の艦隊には一切悪影響を及ぼしていない。超自然的な現象は、三次元に引き寄せられた高次元エネルギーが起こしていると連合の将兵らも理解している。

 

 しかし、その光景の壮絶さに「カミカゼ」と《袰月》の起源文化に由来する言葉を口にする者は少なくなかった。 

 

 久遠が執り行った儀式魔術は高次元にまで影響しており、この呪いの対象となったマーダーはワープ・ドライブさえ行えない。

 

 増援が止み、陣形を組むことさえできなくなった漆黒の殺戮兵器群。そこに鎧武者のような白いアロウヘッドが長刀を突き付ける。

 

 《翔鶴》艦長でありながら、カスタムアロウヘッドで戦場に飛び出した神薙 終である。

 

『全艦全機、一斉攻撃!』

 

 パラディンカスタム"シュラ"からの攻撃要請に従い、翔鶴艦隊及びその指揮下の連合艦はプラネット・マーダーに全火力を投射。

 

 無尽蔵の増援という優位を失ったマーダーに殺到する砲撃が、主力艦から機動兵器クラスまで分け隔てなく粉砕する。

 

 数千隻の戦闘艦と比して翔鶴とキメラの火力投射能力が遥かに勝るという技術レベルの差を連合に示しつつ、敵軍の大部分を殲滅。戦闘は残敵の掃討に移行していた。

 

「ふーなんとかなった」

 

 次々に飛び込んでくる報告を処理しながら、赤髪の修羅は安堵する。敵の増援が止まなかった場合、終はジェラと二人で殿を務める気でいた。

 

「長距離打撃戦隊の娘たちに助けられちゃったな。お礼しないと」

 

 終の視線は神風を招いた妖精小隊の隊長機に向けられている。

 

 

『お見事です久遠様!』

 

『これが黄金の氏族の秘技なのですね、しかと見届けさせていただきました!』

 

『このような大儀式に名を連ねることができ、光栄であります』

 

「いや~翔鶴の皆が優秀だったおかげだよ。けど、私も頑張ったからなー、それほどでもあるかも、あるか。あるよなきっと!」

 

 共に儀式を執り行った魔術士官の賞賛に久遠は、大袈裟な身振りで照れている。

 

 上背があり、威厳と気品を湛える容姿の金髪の姫君なのだが、それは黙っている間だけ。

 人懐っこく、ビビりで情けない親しみやすさの塊な姫様だった。

 

『いつにも増して凄まじい魔術ですな。つくづく貴女が味方で良かった』

 

『お疲れ様、久遠。ボクの忍術でもこれはとても真似できないや。しっかりガードするから休んでなよ』

 

「うん! 悪いけど頼むぞみんな!」

 

『まだ戦闘は終わっていないんだ。休むのはいいが、気を緩め過ぎるな』

 

 白髪の褐色侍シルフと片目隠れボーイッシュな忍者が、黄金色の残光を曳く小隊長機の両脇を固める。

 狩人な御目付役の火狩は久遠の後ろを守りつつ、ぴしゃりと一言。

 

「分かってるってー。もー火狩も褒めてくれてもいいじゃないか。今回は本当に頑張ったんだぞ私」

 

『褒めるさ。我らの氏族の姫が威を示したのだから。だが、それはフェンリルに帰還してからだ』

 

「わあ〜嬉しいな! 楽しみにしてるからな!」

 

 目を輝かせて上機嫌な久遠。妖精小隊の面々は揃って笑っている。お馴染みのやり取りができるほど敵の脅威は薄れていた。

 

『長距離打撃戦隊全機はフェンリルに帰還してください。皆、本当にお疲れ様』

 

 隊長機を先頭に整然と編隊を組む妖精小隊は、フェンリルとの合流を目指す。

 しかし、帰還していく小隊の輝点の中に、逆に離れていく小隊があった

 

『何をしているのかしら? 指示が聞こえなかったわけではないでしょう?』

 

 赤い髪をツインテールにした妖艶かつ理知的な美貌のクラス委員長が、連合の旗艦に向かっていく殲滅小隊のエイリに問う。

 

 ゼフィリスはシートから立ち上がり、綺麗な姿勢になっていた。魅力的な曲線が、ナノシェルスーツの被膜でくっきり縁取られ、光沢が肢体に煽情的な色を添える。

 

 艦長という立場だが、戦闘機並みに機動するフェンリルを操るために、鍛えられた赤髪ツインテールの妖艶なJKの腹筋は割れている。

 

 情熱的な揺れ弾みで見る者を魅力してやまないお尻には、排泄物処理パックを兼ねた黒いI字型装甲が食い込み、凛々さを引き立てていた。

 

『連合の雑魚どもを笑いに行くんだよ。ウチの隊は今回も戦果挙げたんだから、これくらいの命令違反は認めろよ?』

 

 ゼフィリスに不遜な笑顔で答える紅のシルフJK。

 

『ついでに突撃小隊を拾ってくる』

 

 急に真剣な表情と声音になった残忍な紅髪シルフに、ゼフィリスは息を飲んだ。

 エイリはすぐに通信を切り、殲滅小隊は加速した。

 

『相変わらず、素直じゃないなエイリ君は』

『ですね』

 

 そこがまた可愛らしいのだが、と生徒のJKたちを心から愛するゼラであった。

 

 正直、金髪のお子様先生も赤い髪の委員長もハレ達のもとに向かいたい。だが、そうなれば戦隊全員でアンフィニに押し掛ける展開に繋がるだろう。

 さすがにそれは不味い。だから、殲滅小隊に託す。

 

 

 深紅のカラーリングで統一されたアロウヘッドが、アンフィニの付近に接近した。紅髪のシルフ、エイリ率いる殲滅小隊である。

 その傍には翔鶴のアロウヘッド部隊の姿もある。

 

「ここまでの護衛ありがとうございました。姉に替わってお礼申し上げます」

 

『この程度お安い御用さ。さあ、ミエリたちの所に行ってやってくれ。私達は残ったマーダーを片付けないといけないから、突撃小隊の皆には、よろしく伝えて欲しい』

 

「はい、必ず伝えます」

 

 小隊の二番機であり、エイリの双子の妹である眼鏡のエルザレドが礼を述べているのは茶髪の王子様系美少女(イケメス)

 

 ファイアイーターの兄弟機カレドヴルフを駆るアクィラだ。パラディンとの混成隊が殲滅小隊に付き添ってくれた。

 

 青緑色のナノスキンスーツが豊かなバストとヒップを兼ね備えた、スポーティーな肢体に張り付いている。

 エースの技量を遺憾なく発揮して、縦横無尽に戦ったので、スーツの下は汗でぐっしょりだ。

 

『武器は必要?』

 

 気ままな黒猫のようなジアンも、カレドヴルフを駆るアロウライダーである。

 殲滅用の兵装に偏り、艦内での戦闘に向いた装備を持たない殲滅小隊に手持ちのレールガンを掲げて見せる。

 

『それなら大丈夫たよ。ありがとねジアンちゃん』

 

 何もない空間からレールガンなど通常規模の武装を取り出すのは小柄な蠱惑魔のアラヒナ。この少女は物体を異空間に格納する異能で予備の武装を運ぶ運搬役なのだ。

 

『グッドウェポン』

 

『てめえ、アラヒナ、持ち運ぶ武器は私の指示通りにしろって言ったよな? 何勝手に――――』

 

 アラヒナが取り出したレールガンを掴んで謎の一言述べる褐色の不思議系メンバー、レギ。

 エイリは露骨に不機嫌になり、アラヒナを睨む。怒りの余り、身を乗り出したので、紅シルフの形の良い胸が弾んだ。

 

 カラーリングに始まり武装から戦術まで。紅髪のシルフは小隊のことは何事も自分の意向を徹底させる暴君である。

 異能で運べる質量に限りがある中、許可していない武器を持ち込んだアラヒナに怒るのだが、

 

『じゃあエイリちゃんの分はなしね。これあたしがゼフィリスちゃんにOKもらって個人的に所持してる武器だから運用の権限はあたしにありまーす』

 

 エイリのファイアイーターが掴もうとした荷電粒子ビームライフルを先に手に取り、アラヒナは挑発的な笑顔。

 

「てってめえっ!」と深紅のシルフの姉の方は、苦い顔で全身から怒りのオーラを発散する。しばらく押し黙って「一番口径がデカいの寄こせ」と呟くように希望する。

 

『仰せのままに~。それとこれエルザレドちゃんの分ね』

 

『ありがとうアラヒナ。大切に使います』

 

 言われた通り、アラヒナはアサルトキャノンを投げ渡し、紅髪シルフの妹の方には、カービンタイプのレールガンを渡す。

 

 アンフィニに侵入する直前。

 

 紅の髪のシルフは「んっ」と声を漏らして、シートに押し付けているお尻をもじもじさせた。それから、意地悪な笑顔を作るとエイリは、

 

「小便は今のうちに済ませておけよ。中で生き残りのマーダーや連合と撃ち合いになる可能性だってあるんだからなぁ? 戦闘中にお漏らしは恥ずかしいぜぇ〜」

 

 と、小隊のメンバーを煽るように言い放つ。挑発的なスマイルの下では、猛々しく開いていた脚がやや内股気味。

 

「姉様……」

 

 デキる妹である眼鏡のエルザレドは、姉の体調を悟った。エイリは一人を嫌がる面倒な性質なのである。

 しかし、付き添おうにも戦闘中に処理してしまった。

 

(私が嘘を吐けば姉様は気に病んでしまう。どうすれば)

 

 悶々とするエルザレドの救い主はすぐ側にいた。

 

『コピー。エイリは優しい。さすが、小隊長』

『実はあたしも限界近かったんだ〜。エイリちゃんありがとね』

 

 レギとアラヒナは事態を察し、自然な態度で応じる。

 

「さっさと済ませろよぉ」と気力を絞って普段の邪悪な笑みで言ってから、通信ウィンドウをオフにする。

 

「んんっ」

「ああっ……」

 

 微かな息遣いで、不思議系長身褐色と小柄な蟲惑魔が放出したのを察すると、紅髪のシルフも意を決した。

 

「はぁ……んっ!」

 

 ぴっちりしたスーツの堅牢なI字型装甲の下で熱が広がり、エイリは体と心の双方の反応として身震いした。

 

 紅髪の美少女の可憐な股座に広がった熱は、すぐにナノマシンに吸い取られ、排泄物処理パックの内側は清潔な状態に戻る。

 

 排出した液体は汗と一緒に浄化され、肩のプロテクターに非常用水として貯蔵される。

 再利用システムのため、ナノシェルスーツは個人の専用装備となっていて、他人に貸す際には再生水を廃棄して、新品に変えるのが通例だった。

 

「気に入らねえ」

 

 妹と一緒に宇宙を流離い、たどり着いた《袰月》で得たクラスメイト達の暖かさはエイリにとって、甘い毒のように感じられた。

 

 身体を蝕む毒に矛盾した感情を抱きながら、残忍な紅シルフはスラスターを吹かして、艦に乗り込んだ。

 ミエリにも自分が受けた毒をお裾分けしてやる、そんな気持ちである。

 

 

 アンフィニの中枢であるCICは、マーダーに侵入されてすぐに自己隔離状態に入っていた。

 分厚い隔壁を降ろし、電子的閉鎖を施した――手に負えない事態に耳と目を塞いで、何もしなかったというワケだ。

 

 戦闘が終結すると隔離状態を解除したのだが。

 

「一体何がどうなっている?」

 

 立派な軍服を着た禿頭のロダン提督が口にした一言はCICの全要員の疑問を代弁するものであった。

 

 アンフィニの管制は、《袰月》の電子戦艦フランドルが代行している。その強力な電子支援の元で、艦内のマーダーは一匹残らず駆除されようとしている。

 

「本社からの指示だというのは間違いないのか?」

 

「残念ですが。再三問い合わせましたが、ホロヅキ艦隊の指示に従うようにと厳命されています」

 

 副官が肯定した。提督と揃って苦々しい顔になる。

 今回の戦闘におけるハイペリオン・グループの大敗ぶりは、連合全域に報じられ、主力の軍需産業を筆頭にグループの株価は天文学的な勢いで下落している。

 

 その窮状に《袰月》が付け入り、主導権を獲得したのであろう。

 

「せめて、コアの接収を止めさせることはできないのか?」

 

 禿頭の提督はスクリーンの一つを見つめていた。

 

 深紅のアロウヘッド小隊に護衛された赤白ツートン、オレンジ、黒、白の四機。黒と白のファイアイーターは、切り取ったタナトスのコア周辺を大切に抱えている。

 

 もう一分もすればアンフィニから出て、宇宙に飛び出してしまう。

 

 ロダン提督は、マーダーの兵器化を推進してきた立場であり、それに必須のマテリアルを失えば、多額の予算を投じたプロジェクトはご破産、ロダンの立場も危うくなる。

 

 禿頭の提督には頭を抱える暇もなかった。戦後処理の交渉のため《袰月》の代表団が艦橋に乗り込もうとしている。

 

「油断はしないからね、ジェラ。連合の人達って口が上手いんだから」

 

「終のそういう所は本当に頼もしいよ」

 

 白色のナノシェルスーツの終が余裕の笑みで先陣を切り、シュテン族の親友ジェラがその隣にいる。

 

 さらに周囲を戦闘型ナノシェルスーツを着て、火器を携えた二個分隊がガードしている。

 美貌も肢体も奔放なギャルJKによる空間海兵隊ストライクハンマー大隊である。パワードスーツは流石に物騒なので、脱いでいる。

 

「偉いさん専用区画だけあって、豪華だねー」

 

「セレブ感っていうの? ヤバいわ」

 

「それなー。けど、アタシはあんま好きじゃないわ。自分らだけいい思いすんのって」

 

「こら、キョロキョロするな」

 

「「はーい、大隊長(センセー)」」

 

 裸と変わらないぴっちりスーツで、突き出たバストや肉感的なヒップを揺らしながら歩む戦う乙女たちは、鍛え抜いたカラダを曝け出すことを恥じず、むしろ誇る様だった。

 

 

 

 

 

 

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