ウォーヘッド・アンド・バスターキャノン-TS金髪オレ娘エースは美少女クラスメイト達と宇宙を駆け無双する- 作:ザンザザン!
殲滅大戦以後最大規模の
マーダーを制御下に置き、銀河の覇権を握ることを目論んだハイペリオン・グループの失墜。それは連合全域に経済的、政治的な嵐を巻き起こすことになった。
それに伴い、長距離打撃戦隊に新たな任務が命じられた。
四機のアロウヘッドが宇宙空間を駆ける。
洗練された鋭いシルエット、軍用機でありながら統一されていないカラーリングと、異なる機体特性を持つことを示す細部。長距離打撃戦隊に配備されてるFFR-14A9ファイアイーターである。
サフィロス星系での戦闘と先の合同演習での活躍で、その名は銀河に轟いていた。
星間ネットワークの軍事系コミュニティの話題は、プロ・アマ問わずに《袰月》の兵器のことで持ち切りだ。
特にファイアイーターは、超絶的な戦闘力から性能や用いられた技術、戦歴など、絶え間なく論じられている。
純粋に造形の美しさという面でも大変な人気を博している。勝手にプラモデルやデジタルフィギュアまでも販売、配布されている始末だ。
『ウェイポイント6を通過。小隊各機、
どこか猟犬を彷彿とさせる狂猛さのある、鋭い目付きのハレが指示を出せば、
『アルファ2、レーダー、センサー、ともに異常ありません』
『アルファ3、同じく』
『アルファ4、問題なし』
金髪ロングヘアの小隊長に、黒髪褐色の生真面目、金髪のオレ娘、銀髪赤眼の無機質クールな美少女がそれぞれ報告する。
今回、突撃小隊はアルファのコードを割り振られている。ミエリのコールサインはアルファ3だ。
『これで今日の仕事は終わりだな。もっとも灰音はこれからが本番なんだろうけど』
『うむ。姉としての大事な役目だ。ミエリが付き添ってくれて心強い』
『いくらでも付き合うぜ。個人的にあの二人にも興味あるし』
二機のタナトスとの戦闘以後、灰音は新たに"姉"という立場を得て、それに付随する任務を遂行中だ。本人もやる気満々で日々、励んでいる。
そして、ミエリはそのサポート役を務めていた。灰音と新しい二人の妹の両方からのたっての要望であった。
『それじゃ、二人が早くあの娘たちと触れ合えるように、かっ飛ばそうか!』
『賛成です』
ハレがファイアイーターを一気に加速させれば、残る三機もそれに倣う。真っ先に動いたのはククリスで、ミエリと灰音が後に続く。
四肢や局部を除けば、厚さ0.01mmの被膜のぴっちりスーツにかかる圧力はスピードを感じさせ、気持ちいい。
小隊の進路には数多の光が瞬く。それは航宙船のスラスターが放つ噴射炎だ。
大雷級戦艦"翔鶴"に率いられた艦隊が、民間の輸送船団を囲む護衛陣形で航行している。特務巡洋艦フェンリルも護衛艦隊の戦列に加わっている。目指すのは
宇宙空間の航路はとにかく危険であり、自衛能力は必須である。
そのため、設計データから製造できない高度な機器や重要資源を扱い、大きな利益を産む貿易は軍民一体の事業となっている。それは《袰月》とて例外ではなく、防衛艦隊群が商船団を護衛する形で航行するのが通例であった。
哨戒任務を終えた小隊がフェンリルに帰還していく。
白亜の巡洋艦に随伴する黒青色のカラーリングのファイアイーターから通信が入る。直掩小隊という正式な名称を使うのは、委員長のゼフィリスくらいな不良小隊の乗機である。
『よう、戻ったな』
真っ先に不良チームの纏め役である灰髪の姉御が呼びかける。豊満かつ筋肉質な肢体が魅力的なラヴィである。
『みんな、お帰りっス』
それに続いて、持ち込んだ携帯ゲームを中断して、ダウナー三下な金髪娘のクーリエが言う。ゲーム機の持ち込みは反射神経の自主訓練とのこと。
『あなた達で最後ですわよ』
黒髪のお嬢様風不良、紅黒はスナイパーライフルの射撃姿勢を崩さず、一言。
『戻ったら格納庫が騒がしくなるわ。気を引き締めていきなさい』
最後にピンク髪の女王様メティスが艶然たる微笑みで告げる。余所者だらけで艦内がどうにも落ち着かないので、女王様なJKはコクピットで待機する立場を幸運に思っていた。
『りょーかい! それじゃ、私から降りるね!』
言いながら、赤白ツートンカラーの小隊長機が着艦。
「よっし、イイ感じで決まった!」
カタパルトでの減速により、ナノシェルスーツが張り付いた陽気JKの巨乳がぶるんと派手に弾んだ。
厚さ0.01mmの青いナノ被膜は艶やかな光沢があり、瑞々しい女子高生の肢体をありのままの形で縁取っている。
『では、二人ともお先に』
続いてオレンジ色の機体が褐色肌のJKの操縦で整然と着艦すれば、ミエリの番だ。
視界に投影されたガイドラインに従い、純白のファイアイーターはフェンリルのカタパルトに接近。
『アルファ3、タッチダウン』
絶妙な減速に、ミエリは着艦の手応えを確かに感じた。
軍用機に相応しからぬ軽い電子音が鳴り、視界にデフォルメされたゼフィリスの笑顔と一緒にナイスライディングとお褒めの言葉が躍る。
赤髪ツインテールの気品溢れる委員長の遊び心である。
フェンリルの格納庫は合同演習のときとは違った種類の喧騒に包まれていた。
興味と好奇心に満ちた熱狂的な眼差しと撮影機器を伴うそれは、連合から招かれた取材クルーである。
二週間の間に《袰月》と連合の関係は著しく進展し、企業間の提携や《袰月》企業の進出が決定していった。
軍事面での協力体制も協議されており、友好の一環としてフェンリルも取材を受け入れていた。
連合からのゲストは、ナノシェルスーツと対照的な典型的な宇宙服を着ているので、見分けるのが簡単だ。
警備のため、他の艦から保安要員が派遣され、彼らに目を光らせている。戦闘的なフォルムのナノシェルスーツを装着した空間海兵隊だ。
彼女たちも、格納庫に響いた朗々たる声にちらりと、そちらを見ていた。
「皆さんご注目ください。今、帰還したのが我が戦隊の誇るエースが所属する突撃小隊です!」
生徒達と同じブルーのナノシェルスーツを纏った小柄な身体。戦隊長のゼラが取材陣に振り返る。お子様先生は艦内見学ツアーの案内役だ。
運び込まれた四機に一斉にカメラが向けられる。コクピットが開き、それぞれの機体を駆るアロウライダーのJKが姿を見せる。
開いて足場になったコクピットハッチに立つ。
『うひゃー、目茶苦茶撮られてる』
『メティスの言う通りですね』
颯爽とした立ち姿で長身のスタイルを際立たせながら、ハレがククリスに言った。格納庫内は減圧されているので、ヘルメットを展開し、通信で会話している。
タナトスを撃墜した突撃小隊の活躍や、隊に属している金髪碧眼の少女が、蘇った大戦のエースであることは周知されている。注目度は桁違いだ。
覚悟して臨んだつもりのミエリであったが――――
『オレの気のせいか? 胸とかヘソ……それに股の辺りも撮られてる気がする』
『やはり、そうか』
『あはは、プライベート用かなぁ?』
アロウライダーとしての鋭敏な感覚は、数多のカメラの中に紛れた露骨な意図を感じ取っている。
明らかに記事やニュース映像に使えない、JK達の魅惑的な胸部や股間を大写しにする写真や動画を撮っている。
エキゾチックな褐色娘のククリスは呆れて溜め息。
フィルム状のナノマシンが張り付いただけで、先端まで無防備な胸部が恥ずかしくなり、金髪のオレ娘は腕で隠しかける。
しかし、仲間たちは堂々と邪な視線を受けて立っている。
恥ずかしがって見せれば、良い的だ。
(そんなに撮りたければ、好きなだけ撮りやがれ)
小隊で最も背が低いミエリは勇ましく胸を張った。
『与圧が始まりましたね。これなら後ろは隠せそうです』
『だねー。後部装甲が薄いミエリのために、フォーメーション組もうか!』
『フォーメーション? オレはどうやって動けばいいんだ?』
『ダイヤモンドのフロント。私達でミエリの尻を守る』
要領を得たミエリは最初に宙に躍り出た。三人がその後に続く。ヘルメットを外し、ヘアピンを取って長い髪を解き放つ。
ストレートのロングヘアが背中に流れ、臀部を撮られるのを防ぐ。ミエリの髪は綺麗に纏められていて、降ろしてもキュートなお尻を隠すにはまるで長さが足りない。
ハレ、ククリス、灰音の三人は巧みにミエリの背後を庇っていた。
突撃小隊長の陽気なJKは「どうも~♪」と笑顔を振り撒き、ギャルらしい能天気さで、集団の前に降下。
美貌の陽気JKがボディライン剥き出しの青い被膜の全身スーツで、カメラの前に降り立てば、注目が一身に集まる。
着地した際にオーバーに胸を反らせて、ロケット型な双丘を揺らすサービスをしたのも効いている。
ククリスは小隊長のフォローのために、傍らに立つ。
「小隊長のハレでーす。質問やインタビューは私にお願いしまーす!」
「そちらの二人は任務がありますので、申し訳ありませんが、道を開けてください」
丁寧だが鋭い口調のククリスに気圧され、取材クルーが退いた。
手厚い援護感謝するぜ、とアイコンタクトしてミエリは進んだ。エアロックを通り抜け、艦内通路に出る。