ウォーヘッド・アンド・バスターキャノン-TS金髪オレ娘エースは美少女クラスメイト達と宇宙を駆け無双する-   作:ザンザザン!

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アサルトガールズ&シスターズⅡ

 

 現在の《袰月》の季節は秋。部活が終わる頃には、すっかり日は落ちている。

 レオタードが汗でぐしょ濡れになるほど体操に励んだ少女達はシャワーを浴びて、さっぱりしてから帰路についていた。

 

「それじゃ、気を付けて帰りなさいね。ベルカ、チェルシー、二人ともよく頑張っていたわ」

 

 ピンク髪の女王様は別れの挨拶も早々に去っていく。

 今夜は灰髪の不良姉御、ラヴィの家にお泊まりらしい。不良小隊は全員実家暮らし。しかも近所同士で幼馴染とのこと。

 

「奇遇だな。メティスも泊まりだなんて」

 

 妖精小隊の面々に誘われ、彼女たちの住まいに向かっている。

 突撃小隊も灰音の妹たちを加えて、お泊り会をするのだ。明日は休日なので、皆で街に繰り出す予定。

 

 金髪の陽気なJK小隊長と黒髪褐色の寡黙実直なJKは放課後、そのまま久遠たちに付き添っていた。

 

「珍しいことじゃない。あの二人はとても仲良し。夜になると二人で……」

 

「おっおい! それ以上はダメだ! デリカシーとかプライバシーとかそういうのがだな! ベルカとチェルシーもいるわけで――――」

 

 中学生で、しかもつい最近まで生体コアにされていた無垢な双子には聞かせられない話になりそう。

 ミエリは慌てて灰音を制止する。初心な女の子のように顔が赤くなっている金髪オレ娘。

 

「変な話じゃないから安心して聞いてくれ。ラヴィとメティスは筋トレをするらしいぞ」

 

 銀髪赤眼のクール系戦闘少女(長女)が明かした不良姉御と女王様の秘密に目を丸くするミエリ。

 

「筋トレ!? それってえーと、つまりそういうことの隠語ではなくか?」

 

「うむ。時々、筋肉痛に苦しんでるから間違いない」

 

 確かにラヴィはロングレンジクラス最強の筋肉を持つ狂暴な狼みたいな女子校生である。

 凄まじい筋肉量を徹底的に引き絞り、女性の曲線美を損なわない雌の猛獣の肉体。

 確かにあの不良姉御なら夜の筋トレに励んでいてもおかしくないし、メティスが泊まるついでに付き合うのもあり得そうだ。

 

 しかし、うーむ。なんか納得するような、しないような。

 ミエリが考えを巡らせていると、不意に夜風が少女達に襲い掛かった。

 

「うおっ」

 

「寒い」

 

「きゃっ」

 

「うっ」

 

 思わず声を出してしまうくらい強い風だった。

 天候、太陽、季節。全て巨大な船の中で再現されたものだが、なにもかもが自然そのものに思える。

 カーディガンを羽織ったミエリだが、下半身はミニスカートにニーソックスなので無防備。すーすーするスカートの下にはもう慣れた。

 

「今夜はちょっと寒いね。ベルカみたいにタイツ履いてくれば良かった」

 

 当たり前のように姉妹と手を繋いで歩いているチェルシーが言う。

 ウェーブヘアの銀髪赤眼、ベルカの白い脚はタイツに黒く覆われている。引き締められた無垢な脚線が、嫋やかさと妖しさを醸し出していた。

 

「タイツか。オレも履こうかな、暖かいだろうし」

 

 金髪オレ娘の発言に灰音は当然食いついてきた。

 既に頭のなかに制服+タイツで風を浴びて金髪を靡かせるミエリのイメージが出来上がっている。

 

「とっても似合うと思う。明日から履こう、私のタイツをあげる。《袰月》製のサイズフリーなやつだから、ミエリでも履ける……んっ」

 

 反応を予測していたミエリは灰音の手を素早く握った。

 

「ありがとな灰音。ありがたく使わせてもらうぜ」

 

 笑いかける。凛々しく勇ましいオレ娘の笑顔。

「今のミエリはイケメン度高い。こういうミエリも好き。かなり、好き」

 

 白い美貌の頬を朱に染める戦闘少女であった。なんだかんだ灰音も女の子である。カッコいい人には弱いところがある。

 

「灰姉とミエ姉仲良しー。なんか、胸がぽかぽかしてきたよベルカ」

「私もですよチェルシー。とても素敵です。お二人とも本当に綺麗」

 

 大好きな姉同士が仲睦まじくしていると、それだけで心が温まってくる。

 陶然とさえしながら銀髪の双子は目の前の光景を見守った。

 

 

 そんなこと一幕もあったが、無事に今夜お世話になる妖精小隊宅に到着。

 

 鳥居をくぐり、神社の境内に入ったミエリ達。

 妖精小隊の住まいは神社にある。彼女たちは《袰月》の民を守護する神々に奉じる巫女でもあるのだ。

 神々――高次元存在の実存をシルフは認めていた。地球に生命が生ずるより前から神々を祀り、その加護を賜ってきたのである。

 

「なんか緊張するな」

「うむ」

 

 ミエリ達が感じる緊張感の原因は神社の境内という厳かな空間で、一晩を過ごすことにあった。

 

 

「よく来てくれた、妖精小隊を代表して歓迎するぞ!」

 

 玄関で、巫女姿の久遠が出迎えてくれた。

 長身揃いのクラスの中でも特に背が高い。輝くような金色の髪と相まって、シルフ様式の巫女装束を纏った姿には威厳がある。

 

 シルフの姫様は健やかにお育ちになられた立派な胸を張っている。

 それになぜか肌はほんのり上気していて、シャンプーの香りもする。

 

 巫女と湯浴み。この組み合わせがミエリはひとつの連想をもたらした。

 

「禊ってやつまでしてくれたのか? オレたちを迎えるために」

 

 客人を出迎えるにあたり、体まで清めるもてなしの心。友人とのお泊り会でも、それを徹底するというのか。

 ベルカとチェルシーは黄金のシルフ姫様の姿勢に感服し、尊敬の眼差しで見上げた。

 

「いや、単に寒かったから帰ってすぐ湯浴みしただけだぞ。皆も好きな時に入浴してくれ」

 

 私は寒がりなんだ、となぜか誇らしげに述べる久遠であった。

 

「そうか」

 

 灰音は一言だけ発していた。

 

 

「ささ、上がってくれ」

 

 

 久遠の案内で居間に通された。立派な住まいで廊下も長い。舞や武術の稽古ができる道場まであるらしい。

 

「ハレ、ククリス! ミエリ達が来たぞ!」

 

 障子戸を開けて、呼びかける姫様が一番嬉しそうなのは気のせいだろうか、ミエリは思った。

 

「悪いが私は夕餉まで舞の練習をしてくる。それじゃ、寛いでいてくれ!」

 

 お目付け役の狩人、火狩の姿が見えないと思ったが、夕食を作っているとのこと。軽やかに、足早に去っていく久遠の姿が廊下の曲がり角に消えた。

 

 畳みの香りが快い、広い居間で突撃小隊は勢揃いした。ハレとククリスは既に制服から持ち込んだ私服に着替えている。

 有難いことにミエリ達の荷物も運んでくれていた。

 

「お疲れ~」

 

「ベルカもチェルシーも疲れたでしょう。こちらへどうぞ。今、お茶を淹れます」

 

 ショートパンツ姿で、寝そべってファッション雑誌を読んでいたハレが手を振る。金髪の陽気なJKであり、すらりとした長身は寝そべる姿でも様になる。それにして、寛ぎ過ぎではあるが。

 

 実直な気質の彼女らしい濃紺色の長袖ワンピース姿。褐色のククリスが銀髪の双子を空いている座布団に導く。

 

 

「いらっしゃい四人とも。夕食までまだ時間があるから、好きに過ごしなよ」

 

 この場にいる妖精小隊のメンバーはただ一人。隅のほうでマットを敷いてヨガをしているボーイッシュなシルフJKだ。

 片目隠れ、シルフ流忍術の使い手でもある葉隠。ミエリとしては親近感のある背丈と胸の薄い体型。それがはっきりと分かり、なおかつ動きやすいハーフトップとスパッツ姿。

 

 憧れに目を輝かせ、チェルシーは自分と色調の違う銀髪の忍者シルフを見つめている。様々な舞踏に長け、当然体操も得意な葉隠を尊敬しているのだ。

 ボーイッシュ同士、色々と気が合う様子。ちなみに葉隠はチェルシーに自分を呼び捨てにさせている。忍者なシルフJKは年齢からくる上下関係をあまり気にしない。

 

「八坂は?」

 

 白髪ポニーテールの褐色シルフを見かけないのが気になり、ミエリは聞いてみた。

 

「学園から戻ってすぐバイクで出掛けた。夕食前には戻るってさ」

 

 股割りしたまま床に寝そべった葉隠が教えてくれた。ぴっちりした黒スパッツを直穿きした、優美なお尻を客人に向けているが、不思議と無礼には感じず、むしろ自由さが魅力に思える。

 お尻は女の子らしい曲線を描いていた。ダンサーでもある葉隠にとって、お尻のラインは重要で意識して整えているそうな。

 

「噂をすれば」と言って、ボーイッシュなシルフは立ち上がる。バイクのエンジン音が聞こえてきた。

 

 常に余裕の笑みを浮かべた長身の褐色シルフ、八坂が居間にやってきた。

 背丈だけでなく雰囲気も成熟していて大人っぽい。私服姿だ。艶やかな黒のハイレグボディスーツにローライズジーンズ、秋だからかジャケットを羽織ったスタイル。腰つきがなんとも艶やかな。

 

「皆様お揃いでよく参られました。拙は野暮用がありましてな。お出迎えできず申し訳ない」

 

 非礼を詫びてから琥珀色の片目を瞑り、銀髪の双子に呼びかけるサムライ風褐色シルフ。

 

「ベルカ殿にチェルシー殿。まだ緊張が解れていないようですな。久遠達にも言われているでしょうが、ここでは、ゆるりと過ごしてくだされ」

 

 大人のお姉さん的な優しくて頼もしい言葉。同時に手が動いていた。

 

 次に八坂が取った行動にミエリは目を剥いた。ジャケットを脱ぎ捨て、ジーンズに手をかける。あっという間に脱ぎ下ろしてしまう。褐色の肉体美を彩る黒くテカる扇情的なハイレグインナー、その鋭角を姉妹は見上げることに。

 

「拙など、このように下着で過ごしておりますよ」

「本当だよ。ちなみに僕は暑い日はすっぽんぽん」

 

 補足するように葉隠が衝撃的な裸族真実を暴露。忍者だから裸でも無問題なのか!?

 

 ショーでもするみたいに八坂はその場でターン。肉感的な褐色ヒップに食い込むバックスタイルを全員に披露した。

 

 空いている座布団にハイレグボディスーツのお尻を降ろす褐色サムライシルフ。胡坐を掻き、悠然とした態度。

 

「ありがとな八坂」

「的確な援護に感謝する」

 

「礼には及びませぬよ」

 

 ベルカとチェルシーは脚を崩し、リラックスした姿勢になっていた。

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