ウォーヘッド・アンド・バスターキャノン-TS金髪オレ娘エースは美少女クラスメイト達と宇宙を駆け無双する-   作:ザンザザン!

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ハンガー・ワンショット

「お疲れ様でーす♪」

 

 逸れた艦船を引き連れて艦隊に戻り、哨戒任務中の通常型アロウヘッドに敬礼する金髪の陽気ギャルJKハレ。ミエリ、ククリス、灰音も揃って整然と敬礼している。

 

 相手は貿易船団の護衛部隊のアロウヘッドだ。

 ぴっちりスーツの美少女揃いの《袰月》防衛艦隊群に援助されるだけでは申し訳ないという気持ちで、船団の護衛部隊も気合を入れていた。

 

 突撃小隊はフェンリルに帰還すると、格納庫でベルカとチェルシーがやってくるのを待つ。

 通常任務では長距離打撃クラスのみを乗せ、機体の整備や艦の運用を行うのだが、今回は主に翔鶴の整備班から引き抜かれた人員が乗艦している。

 

 整備班は現在も格納庫で作業している。邪魔にならないよう、ミエリ達は隅のほうに固まっているのだが――――

 

「なぜにくっつく」

 

 ミエリは抗議する。暑苦しい。無重力で宙に浮かぶ、金髪のオレ娘は左右と後ろから抱き着かれているのだ。

 

 長身なハレとククリスが両サイドを抑えている。銀髪赤眼の灰音は背後から、黒紫色の被膜で覆った双丘を押し付けるように、抱き締めていた。

 

「このほうがスペースを節約できる」

 

 無感情な物言いをしつつも、灰音はより力強く情熱を込めてハグする。

 大好きという感情が伝わってくる。背中に無感情な戦闘少女の胸の先端の感触と胸の柔らかさを感じた。

 ファイアイーターから降りて格納庫の隅に寄った直後、小隊の仲間であるJK達が見事な連携プレーで襲い掛かってきたので避けられなかったのだ。油断していたと後悔しているミエリであった。

 

「ククリスまで面白がって」

「整備クルーの邪魔にならないよう密集するのは合理的ですから」

 

 黒髪に褐色肌。エキゾチックな美貌のククリスは寡黙で生真面目な性格なので、こんなじゃれ合いに付き合わないと思っていた。

 実のところ、正反対な性格のハレとツルむことが多いし、ミエリへの悪戯にもそこそこ積極的である。

 

 付近の壁にあるエアロックに動きがあり、金髪の陽気なハレが顔を向ける。どこか猟犬を思わせる鋭い顔立ちが残念そうに笑う。

 

「ベルカ達が来るから小隊散開~♪ そして整列♪」

 

 ハレはエアロックの向こうにいるのが、銀髪の双子だと予知したのであろう。合図すると、機敏な動きでククリスと灰音もミエリから離れた。

 

 突撃小隊はきちんと一列に並ぶ。ブーツが磁力で床に接着するので、無重力で立つのは簡単だ。

 

 カッコいいお姉さんとして灰音の妹達を出迎える。背筋を伸ばし、凛々しく結んだ表情で並ぶと迫力がある。

 

 普段はおちゃらけているJK達だが、兵士として訓練されているので、姿勢が物凄く良いのだ。

 華の女子高生らしい快活で瑞々しいオーラが全身から発散されており、見るものを惹きつける。綺麗に割れた腹筋は強さと美しさを兼ね備え、つんと突き出た乳房の先端は自信と誇りを感じさせていた。

 

 

 エアロックが開き、格納庫に入ってきたのは四人。全員、ナノシェルスーツを着ている。銀髪赤眼の双子、茶髪の女研究者、そして桜色の髪の絶世の美女。

 

 これからカレドヴルフに搭乗する双子にノイミが付き添うのは想定できたが、《袰月》の代表として乗艦している管制AIの分体であるカイネが一緒とは思ってもいなかった。

 

 偶々、タイミングが重なったとのこと。

 

「わー白衣。カッコいいですね♪」

「ありがとうハレちゃん。少し恥ずかしかったから許可が出て助かったわ」

 

 ハレがノイミがスーツに白衣を羽織っていることを指摘する。茶髪の女研究者は着用許可が出ると、早速身に着け、お尻を隠したのである。

 

 ノイミはまだ二十代前半であり、容姿も十分美人と言える。

 しかし、安全のため必ず装着するようにと支給されたナノシェルスーツで人前に立つのは気が引けていた。普通なら絶対に分からないような体の形まで曝け出すことになるからだ。

 

 ナノマシンのみで構成されたスーツは厚さ0.01mm。汎用宇宙服としては聞いたこともない非常識な極薄さなのだ。

 確かにスキンタイトなスーツは連合でも主に女性用として採用されており、運動性と保護性能を両立したとして現場で高く評価されている。一方、ボディラインを性的に強調しているとして内外で批判を被っていた。

 

 0.01mmといえばサランラップに等しい。そんなにも薄い膜で肉体をコンプレッションして強調するナノシェルスーツなど連合(ステイツ)では言語道断である。

 

「ノイミ殿のカラダは恥ずかしがるほど悪い物ではなかろう。のう、ミエリ?」

「オレに振るなよ……今は女同士だけど元々男なんだぜ。セクハラになっちまうよ」

 

 ノイミの知性的な雰囲気を引き立てているとは思う。だが、白衣のせいでナノシェルスーツのヌードっぽさが強調され、扇情的になっているような気もする。

 

「それは悪かったのう。さて、どうじゃワシのナノシェルスーツ姿は?」

 

 カイネは話題を切り替え、前に進み出た。意気揚々と腰に両手を当てる。

 

 巨大なバストを誇らしげに突き出す桜色の髪の美女。

 無重力で慣性が働き、大質量の双丘が魅惑的に揺れた。背中に広がる長い桜色の髪と長身が相まって、威厳を感じさせる。カイネは青色の被膜に黒い装甲の長距離打撃戦隊仕様のスーツを借りていた。

 

 

「素敵です!」

「見事な着こなしです、カイネ様」

「うむ、乳のデカさが際立ってエロい」

「その感想はどうかと思うぞ灰音……」

 

「ふふ、嬉しいのう! 着替えた甲斐があったというものじゃ!」

 

 エアロックで行き会った際にベルカ達に褒められ、さらに突撃小隊JKにも讃えられ、カイネはご機嫌であった。

 

 これから、救助した船団の旗艦にフランドルのカリンカ艦長を中心とした代表団が小型艇で出向く。

 その護衛をゼフィリスのファイアイーターが務め、カイネはそこに同乗するのだ。

 

「ゼフィリスが来たぞ。そろそろ行ったほうがいいんじゃないか?」

 

 ミエリは無重力の格納庫を舞うゼフィリスの姿を捉えた。美少女艦長は、すれ違う整備員一人一人に魅惑的な笑顔を送っている。

 

 単に無重力を遊泳するだけでもゼフィリスの所作は段違いに優美で、まるで女神が飛翔しているかのよう。

 

 最近ではミエリにとって"女性として"強い憧憬を抱かせる存在になっていた。

 

 陶然としそうになりながら見上げていると、ゼフィリスは格納庫の奥で完璧に整備されたファイアイーターに流れていった。

 プレーンな調整のゼフィリス機は戦隊の予備機でもあり、カラーリングは明度の低い白色だ。

 

「せっかくじゃ、ミエリも来ぬか? 肩書きはアロウライダーの代表ということにでもすれば良い」

 

 いきなりミエリの背後に回ると、肩に手を置いてカイネは誘ってきた。

 

「小隊長として承認しまーす」

 

 挙手しながらハレが陽気に言った。面白いこと好きなこのJKが賛成しないわけがないのである。

 

「飛び入りで参加しろって……遊びじゃないだろうに」

 

 それは当人が一番分かっているとは思うのだが、ミエリは一応抗議しておいた。

 

「絶対カッコいいよ……!」

「ああ、ミエ姉様。なんと凛々しい……」

 

 背筋を伸ばし、凛々しい表情で外交の場に立つミエリの勇姿。そんな想像をして、双子は赤い瞳を輝かせてうっとりしていた。

 

「ミエリ・ライオネルといえば、伝説のエースで近頃は連邦の悪しき企みを挫いた有名人じゃ。喜ぶ者は多いと思うがのう」

 

 星間ネットを通じて、ミエリの勇名は広がっており、ファンがとても多い。

 

 ハレに誘われて作ったSNSのアカウントもフォロワーが増えているので、金髪オレ娘自身もそれは実感している。

 

 素っ気ない呟きばかりしているのに、喜ばれているのがミエリとしては不思議だった。

 新しく買った服を着てみたり、広報の一環としてナノシェルスーツを装着した訓練中の姿を投稿すると、なぜか異様にウケが良く、フォロワーが爆増するのである。

 

「分かった。一緒に行くよ」

 

 カイネが空間投影ウィンドウをミエリに投げて寄越し、船団の属する艦隊国家での評判を教えてくれた。それに目を通すと、ミエリは観念せざるを得なかった。

 

「なんというか意思決定が迅速ね。ステイツが勝てないわけだわ」

 

 金髪オレ娘の知人で同じく二百年の前の大戦を生き延びたノイミはしみじみと言った。

 

 企業の大株主や経営者である連合の権力者たちは《袰月》相手に外交的な優位を握り、技術や軍事力を搾取しようと目論んでいるが、茶髪の女研究者が知る限り、全ての目論見が失敗に終わっている。

 

 明晰な頭脳の持ち主であるノイミは、今後むしろ連合が《袰月》に経済的、文化的な浸透を受ける一方だと将来を予測していた。

 

「よし、では行くぞ!」

「ちょっちょっと!? 自分で行けるって!」

 

 カイネはミエリを抱き抱えるようにして、豊満なバストで頭を挟みながら宙を舞った。

 またもや不意打ち。抵抗することができず、空中で脚をばたつかせるしかないミエリであった。

 

 ファイアイーターのコクピットを開けて待っていたゼフィリスに抱き抱えられた姿を見られてしまい、金髪のオレ娘の頬は赤くなっていた。

 

「ミエリも連れていくことにした。本人も同意しておる」

「嬉しいわ。協力に感謝します、ミエリ」

「とは言っても、大したことはできないと思うけど」

 

 カイネがミエリを突き出すと、ウェーブツインテの美少女艦長は両手の指を合わせて大いに喜んだ。

 

 まず、カイネがコクピットに入る。桜色の髪の管制AI分体の座席は、メインシートの後ろに備わった簡易的なサブシート。

 以前、オルランド星系王国の士官候補生アンゼリカがこの機体に試乗した際、ミエリが座った席だ。身長150cm前半のミエリでも、狭苦しいと感じる空間である。

 

「少々窮屈じゃが、まあ仕方があるまい」

 

 そんなスペースに長身のカイネはどうにか収まり、腕を組み、脚を閉じ、尊大な姿勢を取った。

 

(尻が痛いが我慢じゃ。ミエリもこの席で耐えたのだからな)

 

 悠然と構えているが、尻に痛みを感じている。

 簡易的なフレームが食い込んでいたし、前方でも大きな胸が空間を専有している。

 いくらカイネが引き締まった理想的な身体付きでも、部分的に前と後ろに張り出せば圧迫されてしまう。

 

「お待たせしましたミエリ。さあ、どうぞ」

 

 フットペダルに脚を置くため、あられもなく大股を広げて着座しながらゼフィリスは促す。

 股間には排泄物パックを兼ねた黒い装甲プレートが密着しており、ぴっちり張り付いたスーツの中で目立つ局部は自然と視線を引き付けてしまう。

 

「んっ❤」

 

 ミエリはゼフィリスの脚の間に腰掛け、双丘に身を預ける。その瞬間に悩ましく息を吐いたゼフィリスにドキりとさせられ、思わず背筋が伸びてしまう。

 今日一日だけで三人のおっぱいを体感していた。ちなみにサイズはカイネ、ゼフィリス、灰音の順番で大きい。

 

「発艦します!」

 

 加速の荷重で否応なしに押し付けられる小柄な金髪オレ娘の体。ゼフィリスは神妙にしているミエリを全身で愉しみながら、ファイアイーターを発進させた。

 

 

 約二時間後。カリンカ・ノイズ艦長率いる代表団は会談を終え、小型艇がある格納庫に戻っていた。

 美女の集団が素肌に色を塗ったようなボディスーツを着て行進するというのは、この艦が建造されて以来、初めてのことだった。

 

(ヴェドルカか。気に入らないな)

 

 その一団に青色のぴっちりスーツを着て、筋肉美を晒しながら混じっている比較的小柄な金髪碧眼の美少女。

 ミエリは憤りを感じていた。

 

 船団を襲ったのはヴェドルカを名乗る宇宙海賊だ。グズマ主義連邦を追われた反体制派ということになっている。実際にはそういう体裁で、連邦のために働くテロ集団だ。

 

 ミエリが当事者になり、解決に貢献した《袰月》のヘッドフラッグ・レースでのテロ事件以来、連邦の派閥抗争は激化しており、武力衝突に発展していた。

 ヴェドルカが船団を襲撃したのは航宙艦の燃料など、大量に輸送されていた必須資源の確保が目的だと推測されている。

 

 こうした連邦の暗躍は銀河全域で増加している。

 

 その多くが杜撰な計画に基づいたものということもあって、多大な被害を銀河に巻き起こしてた。

 白頭鷲主義連合(イーグル・ステイツ)との関係を深めている《袰月》も攻撃の対象になると船団の代表者は心配してくれていた。

 

 抗争の激化に伴い、能力主義による苛酷な階級制度を敷く連邦から離脱し自由を求める動きもある。

 ところが、ヴェドルカなど連邦製のテロ組織という前例があるため、浸透工作のため偽装であると独立を志した人々は疑われており、お題目として自由主義の擁護者を掲げる連合は援助に消極的だ。

 

 一方、《袰月》は慎重に内偵を進め、価値観を共有できる独立派の艦隊を保護するべく、動いていた。

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