ウォーヘッド・アンド・バスターキャノン-TS金髪オレ娘エースは美少女クラスメイト達と宇宙を駆け無双する-   作:ザンザザン!

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スタンド・セブン・スタンディング・ガールズ
パーティー・ナイト


 白頭鷲主義連合(イーグル・ステイツ)領、惑星S7(スタンド・セブン)

 

 その名の通り、七番目の植民地となった惑星のテラフォーミング完了を記念する式典は無事に終わった。

 地上は儀仗兵によるパレード、空はアロウヘッドや戦闘機による展示飛行(デモフライト)が行われ、首都全域がお祭り騒ぎのような様相。

 数時間にも及ぶ、それはもう壮大な式典であった。

 

 《袰月》からの出席者は、艦隊国家そのものの代表であるカイネや電子戦艦"フランドル"のカリンカ・ノイズ艦長など幹部級クルーが中心。

 

 一騎当千の次元兵装搭載型アロウヘッドを運用しているとはいえ、長距離打撃戦隊は一戦闘部隊でしかない。

 なので、フェンリルの艦長であるゼフィリスや戦隊長のゼラ先生など数名が出向くのが妥当なのだが、連合からの要望で戦隊総出で式典に参加することになった。

 

 こうして白頭鷲主義連合(イーグル・ステイツ)のさらなる発展、その第一歩を祝する場に参加した金髪碧眼のオレ娘、ミエリ・ライオネルなのだが。

 

(つっ疲れたぁ……)

 

 このように、式典が終わる頃にはすっかり疲労困憊していた。

 ミエリだけではない。長距離打撃戦隊の大半が参っている。確かに仰々しい催しなので、女子高生には退屈である。だが、問題はそれだけではない。

 

「これは流石に。式典のプログラムに少々無理があると思います」

 

「ククリスもやっぱそう思う? コンサートは結構良かったけどね――ジャンルに節操なかったけど」

 

 詰め込めそうな行事をありったけ取り入れたような式典だったのだ。

 しかも会場の様子はライブ中継されていた。

 あくびをしたり、居眠りなどすれば全宇宙にその姿が晒されてしまう。

 

 おかげで、座ってるだけの出席者であっても、終わりまで気を張り続けなければならなかった。

 

「やっと終わったっス。こんな長丁場ならナノシェルスーツを着たかったっスよ」

 

 右隣の席に座っていた不良小隊のダウナー系三下、クーリエが大きく伸びをしながらボヤく。

 

 そんな不良娘の呟きにミエリは心の中で頷いた。

 

 部分的なプロテクターを除けば、サランラップ並みという超極薄のぴっちりスーツだが、筋力アシストや負担軽減といった機能が充実している。何より、引き締めるようなフィット感が緊張を保たせてくれる。

 処理する時の感覚さえ我慢すれば、短い休憩時間でのトイレで蒼い顔をしてなくて済む。

 

「ナノシェルスーツは目立ち過ぎるわ」

 

「それもそうですわね。わたくしの魅力で式典の趣旨が台無しになってしまいますわ」

 

「上着でも羽織ればいいんじゃねーか?」

 

 意外と常識的なツッコミをするピンク髪の女王様、メティス。

 自分の容姿に絶対の自信を見せるお嬢さま風の紅黒。

 彼女達を率いる灰髪の姉御、ラヴィは現実的なアイディアを口にしている。

 

 他の小隊のJK達も開放感からお喋りしているが、脚は止めない。式典が終わればお次はパーティーだ。

 

 オルランド星系王国での任務から再びの華やかな社交の場である。だが、浮かれてばかりはいられない状況であった。

 短い休憩時間の間に、パーティードレスに着替えなければならない

 それも、ただ着替えるだけではなく、身体を洗ってメイクや髪のセットをする必要がある。

 時間との勝負だ。効率的に動かなくては。

 

「総員早歩きで頼む! 休憩ということになってるが、部屋に着いたらすぐに着替えるぞ!」

 

 身長170cmを超える高身長JKが多くを占めるクラスを束ねるお子様先生のゼラは、振り返って呼び掛ける。

 

 軍務中だけでなく学園内でもナノシェルスーツを着たまま教鞭を取り、常在戦場の心意気。そんなゼラ先生も式典に臨んだ今は《袰月》防衛艦隊群の制服姿だ。

 

 生徒のJK達の歩調が早まる。

 

「忙しない」

 

 ミエリの隣を歩いている灰音が不満を口にした。長距離戦隊があてがわれた控え室までは距離が結構あるのだ。

 

「悪意があるとは思いたくないのですが、警戒してしまいますね」

 

 連合とは友好関係を築きつつあるとはいえ、完全に信用できない。

 それが黒髪褐色のククリスの正直な意見だった。生真面目で正義感が強い褐色JKは、二大艦隊国家の傲慢さを嫌っていた。

 

「気にし過ぎだって♪ 単に大雑把なんだよ、連合の人は♪」

 

「オレもハレに同感」

 

 警戒するククリスに対して、金髪ギャルJK、突撃小隊長ハレはまるで能天気。

 結構失礼なことを言っているのだが、ミエリも同じ思いであった。

 

 支度の猶予は極めてタイトだった。

 

「はー良かった。間に合った」

 

 クラスメイトへの悪戯(セクハラ)常習犯であり、更衣室では油断ならない存在の試作小隊のリーゼ。蠱惑的な黒髪JKが忙殺されるほどに。

 

「お待たせしましたカイネ艦長」

 

 とにかく、入場の時間には間に合わせた。戦隊は他の《袰月》の参列者との合流に成功せり。

 戦隊を代表し、ワインレッドのドレスを身に纏ったゼフィリスが声をかける。赤髪ウェーブツインテの艦長は、髪型をサイドテールに変えていた。

 

「よろしい。では参るぞ皆の者、ワシに続け!」

 

 先導するのは桜色の髪の管制AI分体、カイネ。

 高い背丈がハイヒールでさらに盛られ、身に纏う白の旗袍は威厳に色気をたっぷり添えている。

 ナノシェルスーツほどではないが、ぞっとするほどぴっちりと張り付いている。

 当然、サイドスリットで太股が丸見えどころか、脇腹が露出するまで切れ込んでいた。

 

 《袰月》からの参列者はパーティーホールに入場する際、盛大な拍手で迎えられた。

 白頭鷲主義連合の内外からゲストが招かれているが、このような扱いを受けたのは《袰月》だけだった。

 

 桜色の髪の美女が先頭を司り、二列縦隊で整然とホールに入場した《袰月》の使節団。

 

 彼女達に向けられた拍手は、決して儀礼的なものだけではなかった。

 全体的に露出度が高く、女性の肉体美を引き立てる――言い換えれば扇情的な盛装ながら、同性を感心させていた。

 

 容姿が整っているのは当然であり、感心するほどのことではない。

 身に着けているドレスや着物、あるいは旗袍といった衣装は多種多様で煌びやか。これもまた当然。

 外見の美しさなどお金があれば、いくらでも取り繕える。

 

 だからこそ、内面から発される本物の魅力を見極めることができる。

 

 艦隊国家《袰月》の女達は、無数の視線に晒されても揺らぐことなく、堂々と行進している。派手なドレスを着せられているという雰囲気はない。自然体な姿で誇らしげに進んでいる。

 

 単に感心するだけでなく、拍手を浴びながら行進するカイネ達に嫉妬の感情を向ける婦人もいた。

 

 ナノシェルスーツなどという破廉恥な代物(事実、大部分が厚さ0.01mmの極薄スーツではあるが)を日常的に身に着けている露出狂だから平気な顔をしていられるのだとか、女だというのに筋肉を付けていて見苦しいだとか、なんとか欠点を見出している。

 

 所詮、こうした人々は少数派である。

 参列者の大半は拍手を送りながら、どうやって《袰月》の美しい戦乙女たちと知己を得ようか、策謀を巡らせていた。

 

 拍手が強まる中、壮年の星系知事と《袰月》の代表であるカイネが握手を交わす。

 初対面ではない。式典の際にも会って挨拶を交わし合っている。

 

「これより我が戦隊は自由行動だ。パーティーに付き物の政治や外交のことは考えなくてよろしい。存分に飲んで食べて喋って踊って楽しみたまえ。ただし、ハメを外し過ぎないようにね!」

 

 着物を着込んで金髪を盛ったお子様先生が注意事項を述べる――のだが、当人がもう既に浮かれている。飲みまくる気満々だった。

 

 ゼラの愛する生徒たちは、JKらしく「はーい」と緩いお返事をして散らばっていく。

 

 小隊で纏まったり、仲良し同士で連れ立ったり、あるいは独りで気の向くままに動く。

 

「突撃小隊は散開。全兵装使用自由(オール・ウェポンズ・フリー)ね」

 

 ハレが陽気に指令を下す。突撃小隊は各自で好きに動く方針だった。

 

「アナスタシアが来てくれましたよ」

 

「お待たせいたしました」

「お世話になります」「なります!」

 

 ククリスに連れられ、縦ロールヘアの幼い少女がやってきた。嫋やかな雰囲気を纏う試作小隊のアナスタシアだ。

 幼い少女にお辞儀をするのは、銀髪赤眼の双子。ベルカとチェルシーも式典に参加している。

 強引に《袰月》で接収したタナトスのコアから救出した双子の事は隠すより、公の場に出したほうが良いとの判断だ。

 

 お嬢様的な雰囲気や趣味嗜好を持つ双子は、パーティーに興味津々。

 指導役兼ガードとして、アナスタシアが同行を買って出てくれた。ちなみにメイド少女のノエッタには、このパーティーの暇を出している。

 

「というわけで二人のことは、私とアナスタシアで面倒を見る。ミエリは遠慮せずパーティーを楽しめ」

 

 灰音は無表情でサムズアップしてミエリを送り出す。

 

 虚来三姉妹はお揃いのコンセプトで着飾っていた。レースをふんだんにあしらった黒のドレスで、儚げな雰囲気を醸し出している。

 ちなみに灰音の髪はミエリがセットしており、普段はストレートの銀髪が丁寧に編み上げられている。

 

「後で様子見に行くからな」

 

 金髪のオレ娘は灰音に告げ、ポニーテールを揺らしながら去っていく。

 

 ミエリはシンプルな衣装を選んでいた。無垢さを引き立てる純白のドレスだ。

 引き締まったボディラインがくっきり出ており、少女の清楚さと色気を両立している。

 肉感的な曲線を描く、キュートなお尻のラインが浮き彫りだった。

 

 スリットは控え目、だが背中は肌を魅せるよう開いている。

 

 ミエリはすっかり女性らしい歩み方をしており、我知らず誘惑するようにお尻を揺らしていた。会場の雰囲気と身に纏うドレスの軽さが相まって、気分が高揚しており、その足取りは軽い。

 

 とはいえ、ハメを外し過ぎるほどには浮ついていない。

 パーティーホールを見て回ってから、それとなく灰音たちと合流する気でいた。

 

 だが、その計画は「少佐! ミエリ・ライオネル少佐!」と背後から呼び掛ける連合の軍人――礼装軍服で参加しているので一目でわかる――の声で脆くも崩れ去れるのだった。

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