この作品のスネークはネイキッド・スネーク。1からクロス作品を書くなら、ここが一番楽、かも。
〜3秒でわかるあらすじ〜
ブルーアーカイブの設定を借りた
ネイキッド・スネークのお話である。
※好評なら続く
設定ミリしら
申し訳ない
というか殆ど
無線が本編
──20××年 某日
キヴォトス D.U.地区外郭の、下水道にて。左右の壁から伸びるコンクリートの足場には、不法に投棄されたと見られる粗大ゴミが所々に見られる。流れる水の色は汚らしく、とても一般の人が立ち入るような環境ではない。
そんな環境の中で、ヘイローを持たない1人の大人が、水面から静かに顔を出す。その体には、水中での活動を想定したウエットスーツと酸素マスクが付けられている。
そして彼は周りに誰もいないことを確認した後、物陰へ滑り込み、これまでのブリーフィングの内容を思い出していた...。
──2週間前、どこかのオフィスの映像。薄暗い部屋の中、タブレットに向き合い、大人が座っている。
『それでは
『"? 要領が掴めないな...。つまり、どういう事なんだ? "』
『そ、そうですね。では最初から説明しますね...』
タブレットの画面の中。白衣を着て、眼鏡をかけたロボットの姿が映し出される。
『数週間前、私たちの所属する「連邦捜査部・シャーレ」に一通のメールが届きました。送り主はこの方です』
『"名前は?"』
『この方のお名前は「ADAM」、恐らくコードネームでしょう。メールでは、ADAMさんの他にもう1人、「EVA」という名前の協力者さんを確保したとのことでした』
『"なるほどな...。それで、俺は何をすれば?"』
『はい。メールによると、現在2人の協力者さん達が所属する「カイザーコーポレーション」という企業の軍事開発部門において、何やら不穏なお金の流れが発生しているそうです。そこでお2人が独自の調査を行った結果、「メタルギア」という兵器の名前だけしか分からなかった、と。そこでこのシャーレに、メタルギアという兵器が一体何なのかという調査を依頼してきた、ということです』
『"大体分かった。だが一体どうしてシャーレなんだ? 確かに
『先生のご指摘の通り、彼らも1度はそうした機関に頼ろうとしたそうですが、どうやったのか、上手く所在を隠してやり過ごしているようです。更に、その事で社内にスパイがいるかもしれない、という話になったため、彼ら自身が動いて調査することが難しくなってしまったとのことでした。そこで、まだ設立して日も浅く実績も無いために、、カイザーコーポレーションの上層部からの認知が薄いここ、シャーレへと依頼をしてきた、という訳なんです』
『"そうか、分かった。では、作戦の内容を説明してくれ"』
『はい、先生』
──タブレットの画面の中、ロボットの写真に重ねるようにして、キヴォトスの1地区、シャーレがあるD.U.地区のマップが表示される。
『作戦開始の場所はここ、サンクトゥムタワーを挟んだ、シャーレの反対側の下水道の入口です。
『そこから下水道を道なりに進み、1度ブラックマーケット付近のこのマンホールから出ます。
『その付近の建物にADAMさんとEVAさんのお2人がいらっしゃるので、合流し情報と物資を頂いてください。
『そこから地上を通り、カイザーコーポレーションの兵器開発局の建物へと潜入、そしてメタルギアの調査をお願いします』
──そこで大人はタブレットの画面から目を離す。
『"大枠は理解した。それで、作戦終了後、帰還の方法はどうするんだ? まさか、敵地から車両を盗んでこい、という訳ではないだろう?"』
『はい、帰還については既に目処が立っています。今回の作戦中、私を始めとした人員が無線を通じてサポートするのですが、ミレニアムサイエンススクールの生徒さんからの助力を頂けることになったので、その生徒さんに方法は任せてあります。
『先生は目的を達成したら、カイザーコーポレーションの領地から徒歩で抜けた後、そのミレニアムサイエンススクールの生徒さんの用意した車両に乗り、ミレニアムサイエンススクールの校内を1度経由して、再び作戦開始地点の下水道入口へと戻って下さい
『それが本作戦終了の合図となります』
──大人が再びタブレットの画面に目を戻すと、画面の中の
『ですが先生、気を付けてください。この先、先生が相手取るのは、先生の攻撃が効きにくい生徒さん達やロボットさん達です。確かに、先生ならある程度太刀打ちできるとは思いますが.』
『"あぁ、俺にはCQCがあるからな。気絶することが出来る奴らなら問題は無い"』
『CQC...先生がかつて考案された、近接格闘術のことですね。ですが、いくら先生が格闘術に長けていても、万一敵地で囲まれてしまうことが有り得ます...。そこでこちらをどうぞ』
──そこで初めて、大人は机の上にある一丁の拳銃と、マガジンに気付く。外の世界の軍隊で採用されるイタリア製の物に似ているが、よく見ると所々に独自のカスタムが施されている。
『"コイツは..."』
『そちらは麻酔銃の「M9」てすね。狐坂ワカモさんに用意して頂きました。レーザーサイト、サプレッサーが標準装備、かつ、麻酔薬を打ち出すことの出来る特製の銃弾に対応したものです。詳しくは作戦時、狐坂ワカモさんに無線で訊いてくださいね』
『"通常の弾では効果が薄いから、コイツを使うってことか..."』
──一通りカスタムされた銃を弄り倒し、満足している所に、声を掛けられる。
『先生』
『"? なんだ"』
『今回の作戦は先生独りで行われますが、そこにはしっかりとした意図があります。
『単独で行うのは、シャーレの介入を悟らせない、というのもそうなんですが...同時に、他の組織へもこの作戦の存在自体を悟らせない、という目的もあるんです』
──タブレットの画面に、キヴォトス全域のマップを表示。そこに、シャーレと各学校のロゴを重ねる。
『現在、このキヴォトスには数多くの学校が存在していて、その殆どが生徒による自治で成り立っています。
『そのような自治組織の多くが、設立されたばかりの超法規的組織であるシャーレへと関心を寄せています。
『今回の作戦に関しては、表向きには「出張」という形で先生の長期間の不在をごまかし、事情をご存知の生徒さん達には「当番生徒」という制度を利用して、作戦の情報が漏れないように工夫してはいます。
『ですが、こうした状況の下で各学校、特にトリニティ総合学園などの大きな学校の目にこの作戦が触れてしまえば、シャーレへの不信感は高まってしまいます。すると──』
『"──今後のシャーレの活動に支障が出る、か"』
『...はい。それを避けるためにも、先生には単独で行動して頂きます』
『"分かった。それで、作戦名はどうするんだ?"』
『そうですね...。シャーレの初活動、という意味も込めて...「
──現在。
彼は物陰でしゃがみこむと、胸元にある無線機の電源を入れる。これは耳の裏側にインカムを装着し、受信時に直接耳小骨を振動させることで、その音を一切外に漏らさない特別な物だ。
「"...
「《はい、聞こえますよ、先生!》
《...通信強度には問題なし、と...。あっ、そうだった!》」
「"...? 何かあるのか"」
「《はい。今後、先生にはその正体を見破られない為に、そして万一の傍聴を警戒して、コードネームを使用して頂きたいんです!》」
「"ほう、それは良いな。で、俺のコードネームは一体何にするんだ? 決めてあるのか?"」
「《はい! 以降は、先生のことを『ネイキッド・スネーク』、私のことは『パラメディック』と呼称しますね》」
「"スネーク? パラメディック? ...どうして?"」
「《はい! 「ネイキッド」というのは、私たちの渡した望遠鏡や銃などの装備以外は現地調達をするため、その意味を込めて...、じゃなくて!》
《...もう時間が無いんですから、後で説明しますね!》
《それから、次に私たちの用意した協力者を何人か紹介しますね!》
《まずは、ミレニアムサイエンススクール所属の、「早瀬ユウカ」さんです! 本作戦では、コードネーム・「シギント」と呼称してください》
《周波数は148.41で、主に電気機械や武器・兵装などへのアドバイス、解説を行うのが役割です》」
──無線に、パラメディックとスネーク以外の声が割り込んでくる。スネークにとっては、キヴォトスに来たその日に聞いた覚えのある声だ。
「《こんにちは、先生...いえ、スネーク! こちらはシギントです。よろしくお願いしますね?》」
「"あぁ、よろしく頼む。それにしても..."」
「《? 何ですか、スネーク?》」
「"いや、お前はミレニアムサイエンススクールの中でも、セミナーの所属で、かなり偉い立場なんだろう? 良くこの作戦に参加出来たなと思ってな"」
「《あぁ、その事ですか。良いんですよ。最近はノア...同じセミナー所属の友達なんですけど、その子からも『お願いですから休んでください』なんて言われていたところでしたから。丁度いいタイミングでした》」
「"...そ、そうか。まぁ何にせよ、よろしく頼むぞ、シギント"」
「《はい!》」
──シギントが1度無線を切り、再びパラメディックとスネークのみに戻る。
「《次に、百鬼夜行連合学院所属、狐坂ワカモさんです! コードネームは「ゼロ」で、彼女の役割は主に、キヴォトスの地理を教えていただいたり、次の目的地へのサポートをしていただくことなどになります!》」
──スネーク、シャーレの地下で彼女と会ったことを咄嗟に思い出せない(その時は彼女から名乗られなかったため)。そこに、狐坂ワカモからの無線がSENDされる。
「"狐坂、ワカモ...? あぁ! あの時の...!"」
「《は、はい。お久しぶりですね、あなた様。こちらはゼロ──―狐坂ワカモでございます》
《あなた様がこの様な作戦を行われると聞き、居ても立ってもいられず、そちらのパラメディックに連絡申し上げた次第です》
《無線でのサポートという、些か慣れない形ではありますが、今回は、そして今後も精一杯、あなた様をお支え申し上げたいと思っております...!》」
「"そうか、何にせよ心強い。よろしくな、ゼロ"」
「《はい...! あなた様のご期待に添えられるよう、努力致します》」
──ゼロ、無線から退出。3度、パラメディックとスネークの二人きりに。
「《そして私、シッテムの箱のメインOSのアロナちゃんです!》
《コードネームは「パラメディック」で、私は主にスネークの任務の
「"なるほど、衛生兵か。確かに、戦場において、兵士たちの近くで活動し直ぐに医療行為を行える医師というのは、非常にありがたいからな"」
「《はい! スネークも是非、沢山
「《それと最後にもう1人、協力者がいらっしゃるのですが...。なんと、スネークと同じく、外の世界からいらっしゃった方なんですよ!》
《えっと、そろそろ繋がるはずで──》」
──と、新しく女性の声が入ってくる。鋭い声で、スネークにとって、忘れることの出来ない声。一瞬で、スネークのかつての記憶が掘り起こされる。
「《──久しぶりね、ジャック。何年ぶりかしら》」
「"...あぁ、5年と72日ぶりだ"」
「《その方は、ゼロさんと同様に、私に直接連絡をしてきたんですが...。スネーク、お知り合いでしたか?》」
「"知り合いも何も...。俺の育ての親、そして師匠だ」
「《少し痩せたようね》」
「"声だけで分かるのか?"」
「《えぇ、分かるわ。あなたのことだから》」
「"そうか、俺にはあんたのことが分からない"」
「《──?》」
「"どうして俺を置いていった? どうして突然、俺の前から消えたんだ?"」
「《...あなたはもう、一人前だった》」
「"いや、まだ教えてもらいたいことがあった"」
「《いいえ、戦闘の技術は全て教えた。何もかも、あなたに教えた》
《後は自ら、あなたが学ぶことよ》」
「"確かに技術は教えてもらった。だが、兵士としての精神は──"」
「《──兵士としての精神? それは教えられないわ》
《心・技・体、この中で他人から教わることが出来るのは技術だけ》
《むしろ、技術はどうでもいいの。大切なものは心よ。心と体は対をなす、同じモノ。精神を教えることは出来ない。自分で習得するしかないわ》
《いい? 兵士はいつも同じ側とは限らない。戦闘相手は政治によって決まる、それを決める時代は常に移り変わる。──昨日の正義は、今日の悪かもしれない》」
「"それが、俺を捨てた理由?"」
「《いいえ、あなたには関係ないわ。でもね、ジャック》
《軍人はどんな命令でも従わなくてはならない。理由や精査は必要ない。だけどあなたは闘う理由を求める。あなたは兵士としては優れているけれど、軍人になりきれないところがあるのよ》
《軍人は上のものの道具に過ぎない。ましてや職業軍人なら尚更ね》
《敵も味方もない、ただ任務でしかない。どんな命令でも従う。それが軍人よ》」
「"俺は..."」
「《いずれ、悩む時が来るわ》
《軍人として生きるか、兵士として生きるか.》
《東洋には、『
「"主君への...
「《ええ、今のあなたは国に仕える存在ではないけれど...そうね》」
「"俺だって元軍人だ。大統領や軍のトップに従う。その為に死ぬ覚悟だってある"」
「《大統領や軍のトップだって普遍ではない。任期が終われば変わる》」
「"上が変わっても、俺はトップの意向に従う"」
「《任務は人が下すものでは無い》」
「"──では誰が? "」
「《『時代』よ。時の流れは人の価値観を変え、その中で国の指導者をも変える。だから絶対敵なんてものは無いの。私たちは時代の中で絶えず変化する、相対的と戦っているの》
《『忠を尽くしている』限り、私たちに信じていいものはない》
《...たとえそれが、愛したものでも》」
「"...それが、軍人としての精神?"」
「《──ただ一つ、絶対に信じられるのは.》
《『任務』だけよ、ジャック》」
「"そうか、だがひとつ言わせてくれ。俺はスネークだ"」
──無線の向こう、一瞬声が詰まる。
「《──
──パラメディック、割って入る。
「《あっ、言い忘れてました! 『スネーク』というコードネームは、ザ・ボスから提案していただいたものなんです。彼女がかつて組んだという部隊、コブラ部隊...そこから名前を借りて、スネークとしたんです》
《ザ・ボスにサポートしていただけるなら、もう怖いものなしですね!》」
「"...あぁ、そうだな。それとボス..."」
「《ええ?》」
「"また声が聞けて嬉しい"」
「《──そうね。お互い、いつ死んでもおかしくない身だもの》
《...ところでスネーク。あなた、市街戦や建造物への潜入ミッションは得意だったわよね?》」
「"あぁ。だがこういった任務も久しぶりだからな。CQCを使おうにも、体が鈍っているかもしれない"」
「《大丈夫よ、私が思い出させてあげる。その為の無線機よ》」
「"ボスは何処に? キヴォトスの中にいるのか?"」
「《ザ・ボスは、シッテムの箱を経由地点として、キヴォトスの外から参加してくださっていますよ!》」
「《私の周波数は141.80よ。戦闘技術についてのアドバイスが欲しければ
「"了解"」
──ザ・ボス、退出。スネークもそろそろ出発しようと、立ち上がる。
「《スネーク、あなたの任務はメタルギアの調査、そして破壊です》
《ですが、気を付けてください。ブリーフィングでも言ったように、生徒さん達やロボットさん達に顔を見られず、存在も認識されないように気を付けて進んでくださいね》」
「"分かっている"」
──スネーク、身体をおおっていたウエットスーツと酸素マスクを取り、装備を検める。バックパックも問題なし。
それから胸のサバイバルナイフを抜き、麻酔銃を構える。
──CQCの構えだ。
──スネークは、ブラックマーケットへと向かって進み出した。
この後バーチャスミッション途中でザ・ボスが裏切り
ミッションもスネークイーター作戦に変わり
オセロット周りの設定を変更し(便利屋が良いかなとか考えてはいる)
なんやかんやで任務終了した
\ジ・エンド!/