聖焔の軌跡 〜Miracle Lucas〜   作:ムササ

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更新が遅いとの声が聞こえてきそうです、本当にすみません。私みたいな凡人には二作品投稿とか無理があるそうです。

感想とかくれたら更新スピードか上がるかもしれんよ?


#115 アテナ救出戦

 

リラとアキトがラル・イーガの光に包まれてから一時間。

一向に目を覚ます気配は無いが、少し前にアキトが人型に戻ったので、アキトをジントさんが、リラをオルガさんがそれぞれおぶって行く形で俺たちはアルビレオに戻って来ていた。

 

「アキト、大丈夫ですかね……」

 

俺はその言葉を発した後直ぐさま俺の犯した失態に気付くももう遅い。俺の前には今にも泣き出しそうなアキトの妹。コトハが今もずっとアキトの手を握り締めているのだから。

 

「大丈夫……お兄ちゃんはコトハを置いて何処にも行かないって約束したもん。だから……大丈夫……」

 

コトハが手に込める力を強めた時だった。

 

「んんっ。此処は……アルビレオ?」

「リラお姉ちゃん!!」

 

アキトの横のベッドで寝かせていたリラが目を覚ました。

 

「アキトお兄ちゃんはどうなったの!?無事なんだよね!?」

「ええ、大丈夫ですよコトハ。アキトは無事です。どこも心配ありません」

 

その言葉を聞き、病室内に安堵の声が漏れる。

 

「だけどアキトはもう少し目覚めないと思う」

「……どういう……事?」

 

コトハの心配そうな声に対してリラは、

 

「大丈夫。アキトの中にある()との折り合いをつけるんだって」

 

そう言って笑った。

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

私はラル・イーガの魔法の能力でアキトの精神の中で起きた事を掻い摘んでみんなに話した。

色々あった為全部話すには時間がかかったしそれに、アキトの中の魔獣の魔力。ヴィルフリートの事はアキトがヴィルフリートとの折り合いを付けることが出来るまで絶対に話してはいけないと言われたのだ。

曰く、その事を話してしまえばアキトはみんなに大きな心配をかける事になる。その事でヴィルフリートを悪者扱いしたくないとの事だ。

それをヴィルフリートもブリューナクも承知をし、その事はアキトがヴィルフリートの力を完全に使えるようになるまで私達の心のうちに秘めておくこととなった。

 

それにブリューナクとヴィルフリートから話してはいけないと言われた事はもう一つある。王の器の中でも最大の力を持つ最高の武器。神の器と呼ばれる六つの武器の中でもその頂点に立つNo.1とナンバリングされる武器の事だ。

ブリューナクがNo.1では無いとの事だが、それ以上の事は私には殆ど理解出来なかった。恐らくアキトとブリューナク、それにヴィルフリートの間でしか分からない事柄があるのだろう。

それにその事は私の神の器、No.2にナンバリングされる光弓、ヴァルキュリアの話とも合致する。

あの日、私とアキトがオル・グランクとの最終決戦に挑んだ時の事だ。

あの時私のヴァルキュリアは確かに言った。

 

ブリューナクを『偽りのNo.1』と。

 

しかしその声色は軽蔑や怒りと言ったものの類では無く、何処か慈しみと尊敬の念に塗れていた。と思う。

とまあそんな感じでいろいろ話せない事もあるため掻い摘んで話さざるを得なかったのだ。

 

「えっと……」

「頭が痛いわね」

 

その話を聞いて反応出来たのはオルガさんとミサトさんの二人だけだった。それも反応に困っている。

 

「うぅーん。頭があぁ……」

 

男性陣は既に頭から煙が出ている。

それとは別に……

 

「アキト……お兄ちゃんが……そんな事を……」

 

コトハは一人沈痛な面持ちでいたかと思うと、

 

「この、馬鹿お兄ちゃん!!」

 

ベッドでまだ意識を取り戻していないアキトのお腹に思いっきりパンチを食らわせた。

 

「ちょっ!?コトハ!?流石にそれは……」

「良いの!リラお姉ちゃん!そんな事で悩んでる馬鹿なお兄ちゃんにはお仕置きなんだから!」

 

コトハは思いっきり怒っていた。

 

「そんな何年もむかしの事をクドクドクドクド、女々しいったらありゃしない!そんなのとっくに私もシュウヤお兄ちゃんも許してるのに、っていうか怒ってすら無かったのに。そんな事でずっと罪悪感を抱えてたの!?バッカみたい、お兄ちゃんは笑って人類の平和でも守ってれば良いのよ!!」

 

止めにもう一発殴ってから、コトハは病室を出て行った。

心なしかアキトの顔が緩んでいたのは私の見間違いであろうか。

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

それから一週間して。

未だアキトは目を覚まさない。

だが、それでも魔獣の襲撃は続くしそれに私達はユイの動向にも目を光らせ無いといけないのだ。

そしてそれは遂に来た。

 

『シリウスアルビレオ支部第一部隊アマリリス、並びにコルノスティ王国国王直属特別遊撃部隊グラジオラスのメンバーは至急支部長室まで来て下さい、もう一度繰り返します。シリウス……』

 

その放送を聞き、私は急いで傍にいたコトハとエレムと共に支部長室へと向かった。

 

「やあやあよく来たね諸君」

 

そう言う支部長の顔は何時ものようなポーカーフェイスの様な笑みは浮かべていない。

それは苦渋に塗れた顔だ。

 

「君達を呼んだのは他でもない、再び交戦禁忌種アテナ。いや、ユイ・コールレア・ミディアス君の魔力反応が確認された。アルビレオの東、大森林のすぐそばでね」

 

遂にきた。ユイの接近が確認されたのだ。

だが、しかし何とタイミングの悪い。もう少し後でならアキトもきっと目覚めていたと言うのに。

 

「それで君達に討伐、いや、ユイ・コールレア・ミディアス君の奪還をして欲しいんだ。アキト君でのデータ通りならばリラ君の古代魔法、ラル・イーガとコトハ君の固有魔法、セレスティアル・レインのコンボならば魔獣の魔力に包まれた人間は強い魔力をうちに秘めていれば人間に戻れる事が分かった。それならばユイ君も救えるはずだ」

「作戦概要を説明します。アルビレオの東に突如出現したユイさんは真っ直ぐに更に東、大森林の方角へと向かっています。大森林は魔獣の巣窟。いくら大量の王の器使いが居るとはいえその中に突貫するのは上策とは言えません。

なのでヘリコプターを使いユイさんの進路上に先回りをし、アマリリス、グラジオラス両班での大規模戦闘を行います。幸い近くに魔獣の魔力反応は確認されていません。

ですが、我々には神凪アキトが居ませんが、大丈夫ですか?」

「ええ、大丈夫です。アキトが居なくても今度はみんなが居る。絶対にユイを連れ帰ってアキトにサプライズさせてあげるんだから」

 

その言葉を聞いてミラさんは微笑む。

 

「おうとも、俺だってアマリリス隊長としてアキトに認め直して欲しいしな」

「ではアマリリス隊長、椿ケイ、グラジオラス副隊長リラ・カーネリア・プレシア両名に命令を言い渡す。

すぐさま班員を率い、ユイ・コールレア・ミディアスを奪還せよ。以上解散!」

 

こうしてユイを救う私達の最後の戦いは始まった。

その場にアキトが居ない事だけは心残りだったが。

 

 




あくまでユイを巡る戦いの終わりですから、まだまだミラルカは終わりませんよ!
更新は遅くなるかもしれませんが……ご容赦下さい。
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