『居たぞ、あれがマラゾルだ』
ジントが見ている方向には大きな犬の様な外見をした魔獣が立っていた。ただ犬と違うのはマラゾルは魔法を使い、人を食うということだ。
今アキト達はマラゾルから少し離れた木の裏にいる。
[目標まで約250mです]
そんなミラのオペレーターとしての声が聞こえると同時に、
『よし、じゃあブリーディングどうりに俺とミサトは後衛にまわる、ケイとアキトは前衛だ、敵は一匹、練習だと思って思う存分叩いてこい!』
〜初陣〜 マラゾル一体の討伐
『よしじゃあ行くぞ!俺が右から回って後ろから攻めるからケイは少し待ってから正面から行ってくれ』
『わかった、気をつけろよ』
(よし、行くぞ!)
もう一回自分に喝を入れてからアキトは全速力で駆け出した。マラゾルに見つからない様に大きく旋回しながら。
『よっしゃ、俺もそろそろ行くかな』
アキトがマラゾルの後ろにまわった事を確認してからケイも走り始めた。
〜akito〜
『よし、まずは奇襲だくらえ!』
そう叫ぶとアキトは右足に魔力を込め自身の魔法サファイアを発動、目にも止まらぬ速さでマラゾルに向かって走った。
そしてそのままの速さでマラゾルを蹴り飛ばした!
(やっぱ、かてーな)
(まあ、ぶっ飛ばせたしそれでいいか)
〜kei〜
アキトが消えたと思ったらマラゾルがこちらに飛んで来た。
『うおっ!あぶねえ』
『すまん、大丈夫だったかー?』
(大丈夫だったかーじゃねえよちょっと走り出すのが早かったら直撃だっつーの)
内心そう思いながらもマラゾルに視線を向けると、まだ寝ていたものの、どうやら怒っている様だ。
『おーいなんかこいつ怒ってるぞー』
(ついでに俺もな)
『よしわかった、俺がやってやる。こい!』
まるで人の言葉が、わかっているかの様にマラゾルはアキトの方に走り出した。
〜jinto〜
(うお、やっぱこいつすげーな)
そう思いながら、アキトを見ていたジントはミサトの方をみてみた。
(こいつはアキトの訓練見てないからなー)
『ねえ、ジントあの子本当に新人?』
(やっぱな)
『ああ、ありゃあとんでもない逸材だぞ』
『1年目の私よりも強いわよ、彼』
そういうミサトはシリウスに入ってから2年経っているのでアキトの力は、もうベテランの域に達している。
『やっぱこいつは、新人じゃねーんじゃねえか?』
『そうでしょうね、記憶がなくなっててこれなら元はどれだけ強かったのか想像もつかないわね』
『案外、すごいところに居たかもな』
と、思いつつジントは本当にそうかもしれないと思っていた。
〜akito〜
その頃アキトは、マラゾルとの距離を縮めていた。
『くらえ!』
走ってきたマラゾルにアキトは拳を突き出し開いた手のひらから爆発を起こした。
『ブラストインパクト!』
爆発をもろにくらったマラゾルはまたも吹き飛ばされた。
さらにアキトはサファイアを使い距離を縮めると、今度は手から熱線を撃った。
『アトミックゲイザー!』
熱線はマラゾルの体に直撃し、そのままマラゾルの体を真っ二つに焼き切った。
『ギギャーーオ⁉︎!』
そんな断末魔をあげながらマラゾルは絶命した。
『よしっ、ミッション完了!』
[対象の死亡を確認、ミッションお疲れ様でした]
『やったなアキト、初陣、生き残ったな?』
『ああ、これで俺らはアマリリスに入隊出来たな!』
『よし、よくやったな、俺らが手出さなくても平気だったし100点満点だ』
『ええ、初陣を無傷で乗り切っただけでも及第点よ』
そんなときだった。
[なに、これ、………交戦外の魔力の反応を確認!まだそちらには気づいていないようですがそちらへ向かっています!距離約500!]
オペレーターのミラの緊迫した声が聞こえてきた。
『こちらジント、こちらも肉眼で確認した直ぐに撤退する!』
ジントの見ていた方向にはライオンのような外見をした、けれどもライオンよりも数倍でかい魔獣が見えた。
『総員、撤退!シリウスのヘリの合流地点まではしれ!』
『了解!』
幸いにも相手は気づいていなかったので難なくヘリに乗る事が出来た。
『ジントさんあれは?』
『あれは、ギルオス、あれを倒せる様になったら強いと胸を張って言える様になるな』
『ちょっと、新人2人を連れてあれを討伐するのは、至難の技と、思ってくれればいいわ』
ヘリの中から見たギルオスが遠吠えをしているのを見て悪い冗談だと思いたかった。
その後シリウスに帰ってきたアキトを待っていたミラに今日の戦闘の時の傷をいくらなんでも過保護すぎるだろ!と、言うくらいチェックされたのはまた別の話。
ミラさん心配性ですね〜
えっ?ケイが戦って無いって?いやいやアキトが強かっただけであって。ケイの魔法が決まって無いだけとかじゃ有りませんからね(震え声)