聖焔の軌跡 〜Miracle Lucas〜   作:ムササ

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終わったー!!
次で第三章終わると思います!



#68 無慈悲の閃光

 

 

(このままじゃ持久戦か……それはちょっと厳しいな…)

 

ソルドギルワーカは弱点である関節にまで装甲を固め、それを破壊しつつ致命傷を与えるのはどうしても持久戦にならざるを得ないが、それはアキト達にとって不利になる。

理由は、魔力切れである。

 

そもそもアキト達の使う魔法は自身の体の魔力を変換して使うものである、勿論神器などを使えばその分魔力も減る、だが今アキト達が神器を解けばソルドギルワーカの動きについていけず直ぐさま殺されてしまうだろう。よってアキト達は神器を戦闘中解くことは無理であり、それは魔力の消耗が激しい事を意味する。

 

魔力を回復させるには空気中の[エレ]と呼ばれる魔力の粒というものを呼吸と同時に体内に取り込む事で回復するが、時間がかかり戦闘中は生産よりも消費の方が圧倒的に多い。

 

以上の事からソルドギルワーカに対し持久戦に持ち込む事は愚策であり、アキト達は短期決戦に持ち込むしか方法が無いのだ。

 

『取り敢えず今あいつは動けないだろうしリラと合流して今後の展開を決めますか』

 

アキトがリラの元へと駆け寄る。

 

『リラのヴァルキュリアは今のあいつには通らなそう?』

『うーん、ちょっと難しいな、アキトのブリューナクで傷を付けた所なら大丈夫だけど…』

『最後は”あれ”で止めを刺そうと思うんだけどね』

『ああ!”あれ”ね!じゃあ甲羅かな?』

『うん、取り敢えず甲羅に集中攻撃かな』

『私はどうしよう』

『もう少しして甲羅にダメージが蓄積されたら”あれ”頼むよ』

『うん!わかった!』

 

 

アキトはブリューナクを構えソルドギルワーカの頭上へ跳んだ。

 

『煉獄の火球よ、我が障害を焼き尽くせ、プロミネンスナパーム!!』

 

アキトのブリューナクを持っていない左手に大きな火球が出現し、アキトが左手を振り下ろすと同時に火球がソルドギルワーカの甲羅を襲った。

 

『もう一発!!』

 

今度はブリューナクの先から火球が出現し、ブリューナクを振り下ろすと火球が前と同じ所に着弾した。

ソルドギルワーカの甲羅や甲殻は一発で大地を抉る程の威力を持った獄炎に二回も晒され所々赤熱し、甲殻が焼きただれているところも見て取れる。

尚もアキトは五月雨や、アトミックブレイザーなどで執拗に甲羅に集中攻撃を与えている。

 

〜アンタレス支部〜

 

『何やってんだ?アキトのやつ』

『さあ?』

 

アンタレスではいきなりソルドギルワーカの最も防御力が高い部分である甲羅に攻撃を仕掛け始めたアキトに疑問の声が上がっていた。

 

『いや、所々赤熱し始めたぞ、あれは……成る程』

『ん?どうしたんだ?カルマ』

『アキトのやつ、”あれ”を使うつもりか』

『”あれ”?』

『まあ見てろって、昨日の振動の原因だよ』

 

 

 

 

〜akito〜

 

ソルドギルワーカの背中は所々とはいかず殆どが赤熱で赤くなっていて、かなりのダメージを負っている事は明白である。

 

『今だよリラ!』

 

アキトが叫ぶと、リラがヴァルキュリアを構え空高く矢を放った。

 

『スプレッドノヴァ!!』

 

アキトはリラの元まで下がる、だがソルドギルワーカは移動が出来ないためなす術なくそれを受けるしか無い。

それは、数千本もの矢の雨、当たらない場所など無く無慈悲の閃光が空から降り注ぐ。

ソルドギルワーカの背中の甲殻はアキトの焔によって脆くなっており、ヴァルキュリアの矢を防ぐ事は出来なかった。

耳障りな咆哮がアキト達の鼓膜を揺らす。

リラのスプレッドノヴァによってソルドギルワーカの周りには土煙が上がり、その中から現れたソルドギルワーカは既に満身創痍であった。

それでもまだ戦闘が続けられるのはまさに最強の耐久力を持つという事の裏付けであった。

 

『だけどもう限界みたいだな、そろそろ終わりだ』

 

ソルドギルワーカは最後の足掻きと言わんばかりに、魔力を貯め始める、アキト達のいる方向はアンタレスの真逆、ブレスを食い止める必要は無い。

ソルドギルワーカのブレスは今までで一番大きく、風の大蛇がアキト達を襲う。

二人はそれを回避し、ソルドギルワーカに止めを刺すべく行動に移る。

 

勿論”あれ”とはスプレッドノヴァの事では無い、アキトとリラの新たな魔法、古代魔法の事である。

古代より伝わりし、神々の祝福を受けた者に贈られる一つの魔法を変化させ強大過ぎて古代にその教えが断たれた魔法。その力は光を使い、神器の所有者を護る。

 

『ラル・イーガ!!』

 

ラル・イーガ、リラがアポートと引き換えに手に入れた古代魔法。

まずリラの体を光が包む、その光がアキトまで一直線に伸びる。

ラル・イーガは光で包まれた者の体力、魔力、感覚、心境、思考など全て共有する魔法である。

その力は使用者の最も信頼する人物のみ恩恵を受け、共有ができる。

 

アキトはリラの思考を読み取り、ソルドギルワーカに近づいていく、全てを共有する事で二人の間には何の壁も無く会話や感覚が伝わってくる、ソルドギルワーカの攻撃はリラが目視し、アキトにそれが伝わるまでの時間、約0.2秒。アキトは何の苦もなくソルドギルワーカの正面までたどり着いた。

 

『これで終わりだ、魔獣とはいえその耐久力、賞賛できるな。だがお前を放置すると他の人に被害がでる、見過ごす訳にはいかない』

 

アキトが右手をブリューナクと共に前へ突き出す、リラのラル・イーガは役目を終えており、既に解かれている。

 

『ラ・クラマーレ!!』

 

ソルドギルワーカの真上に巨大な魔法陣が現れる。

その魔法陣は光を放ち、その光が最大まで放たれた時、眩い光の柱がソルドギルワーカを貫く。

 

ラ・クラマーレ、アキトがシルガと引き換えに手に入れた古代魔法。

孤高なる光の一撃と称される一撃である。

その光は柱の如く、相手の真上から放たれる閃光の裁きである。

 

ソルドギルワーカは体をラ・クラマーレに貫通され絶命した、その巨体は倒れる事は無く立ったままのその姿はまさに陸の皇帝の名に相応しいものであった。

 




ラ・クラマーレとラル・イーガに特に意味的なものは無いです、だから調べても出てきません。
赤熱の使い方合ってますよね?
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