『古の王に仕えし勇敢なる大鎚の魂よ、我が意思に応え、大いなる力を我が身に宿せ、いでよNo.4 雷鎚トール!!』
『古の王に仕えし冷徹なる大鎌の魂よ、我が意思に応え、大いなる力を我が身に宿せ、いでよNo.5 死鎌プルート!!』
アルドがトールを、キリコがプルートを構える。
『嘘……でしょう……流石にこれは……』
『さあ、人間よ。絶望の内に死ね』
『我々は正規の適格者では無いのでな、流石に神器の解放は出来んが、それでもお前たちをひねりつぶす事ごとき、赤子の手わ捻るよりも簡単だ』
アルビレオのシリウス達に諦めと絶望の空気が流れ始める。
だが、その中でただ一人ジントだけが口を開く。
『おいお前ら、なーに俯いてんだ、それでも誇り高きアルビレオのシリウスか?』
『ジント……』
『おいミサト、誰があいつらに勝てなんて言った?確かに悔しいが俺たちじゃああいつらには勝てないだろう』
『ふん、身の程くらいはわきまえているようだな』
『だがなあ、これだけは言っておく』
ジントはアルビレオのシリウスと二人の悪魔を交互に見てから付け加える。
『たとえ勝てなくても、死ななきゃ良いんだ。死ななければ俺たちはまた強くなれる。そうしたら今度は勝てるかもしれない。今回は時間稼ぎくらいしか出来ないけど、今度は俺たちが勝つぞ?悪魔共』
『戯言を』
『試してみるかい?』
その言葉を合図にジントとミサトはアルドに、ガーベラはキリコに突撃を開始した。
その目にはもう絶望は宿っていない。
最初に動きを見せたのはジントとアルドである。
ジントはグラビデウスを自身に掛け、アルドの上空高く跳躍する。
そのまま今度は重力を過剰に掛け、落下の速度を増しながら斧の狙いを定める。
流石にアルドと言えどこの一撃を食らってはただでは済まない。回避をしようとして、初めて自分の異変に気付く。
ミサトがフリーズワールドで空気中の水分を氷結させ、アルドの足を氷で地面に縫い付けたのだ。
『くそっ!!』
『残念だったわね』
ジントは落下の間、氷を破壊しようとするアルドに重力場を掛け、自分の一撃を確実なものとする。
『喰らえ!メテオグラビトン!!』
凄まじい衝撃音と共にジントの体が長い空中散歩を終える。
地面には大きなクレーターが出来ておりその衝撃の大きさを物語っている。
『そんなものか』
だが、そのクレーターの中央にアルドは傷一つなく立っていた。
『馬鹿な…確かにお前の体を捉えた筈……』
『ああ、痛かったぜお前の一撃。それでも俺は倒せん』
『化け物め……』
一方ガーベラも苦戦を強いられていた。
『5人もいてそんな物?やっぱり人間は脆いわね』
キリコの操るプルートに阻まれ一撃もキリコまで通らない。
それどころか対するこちらは既に傷だらけである。
『やっぱり嬲るのは楽しいわね、もっと悲鳴をあげて頂戴!!』
キリコは倒れていたラクドに狙いを定める。
誰も助けに入れる者はいない、ラクドが自分の死を直感したその時。
同時にアルドとキリコの動きが止まる。
『魔力が消えた……』
『まさかお父様が……』
アルドとキリコが動きを止め、天井を見つめる。
天井が崩壊し、そこから瓦礫が降ってきたのは同時だった。
〜akito〜
時はジント達が戦いを始めた直後に遡る。
爆煙で目くらましをして、何とかアルドとキリコの追撃を逃れたアキトとリラは最上階へと続く螺旋階段を上っていた。
『アキト、グラツはどうするの?』
『どうするも何もあいつを許す訳にはいかない、全てはあいつが元凶だからな』
『その……殺すの?』
アキトが一瞬足を止め、考える素振りを見せる。
『殺したいけど……殺すわけにはいかない、あいつには聞かなきゃいけない事がある』
それを聞いてリラはほっとした、リラ自身もグラツの事は許す訳にはいかない、でもそれよりもアキトが人殺しをするのはどうしても耐えきれなかった。
『本当にグラツが元凶ならばな……』
それゆえアキトが言った次の言葉は耳に届かなかった。
『さあ、もうすぐだ。行こうリラ』
二人は扉の前で立ち止まる、此処を開ければ本部長室である。
二人は少し呼吸を整え、二人で一斉に扉を勢いよく開け放つ。
『『グラツーーー!!!!』』
『ふん、そんな大声を出さなくとも聞こえているよ、二人共』
ついに二年に渡る宿命の戦いが始まる。
誤字脱字があったら言ってください、どんな昔の話でもミスはあると思うので。
違うかな?と思っただけでもお願いします