元神王連メンバー「A」李堂 〜Anotherstory〜(リメイク)   作:ただの青い山羊

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新六冥王選挙 side李堂

 

 

 

 

 俺は死んだ……

 自分の命欲しさに仲間を裏切り、殺そうとして返り討ちにあい、死んだ

 

 宝玉の大会が終わってからというもの、任務の失敗に苛立ち、最後に脱落した凍除へと八つ当たりしてしまった。本当に謝るべきだったのは俺の方で、一番役に立てず、最初に脱落してしまったのは俺だったのに。あの時話を聞いてやればよかった、謝ればよかったのに。だが、俺はそれを選ばなかった。

 

 新世界プロジェクトについての話があると言われ俺と雅流は俺達の直属の上司、「炎忌」と「水楼」に呼び出され、言われた事が

 

次の任務で「凍除」「夜叉丸」「豪鬼」を抹殺しろ、失敗すれば殺す

 

 馬鹿な話だ。だが俺は死にたくなかった、まだ生きていたかった。だからこそ俺はその馬鹿げた命令に従った。

 

仲間のために命を差し出すこともできず、ただ己の延命のために選んだ末路、それが今の俺だった。

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 十月。俺が死んでから二ヶ月が経った。

今、俺は天国か地獄か、行き先の判決を待っている。

 

なぜこんなにも順番が遅いのかと問えば、俺達が起こした「新世界プロジェクト」の計画の影響で犠牲者が大量に出たため、列が長くなっているのだという。

 

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 ようやく俺の番になった、まあおそらく俺は地獄行きだろうが

 

 なぜか、俺は今すごく落ち着いている、先が分かるからか、少なくとも同じ行き先の奴らがいるからかは、俺にもわからない

 

 俺は、地獄の女王「四季映姫」の前に立った、

冷たく澄んだ瞳が俺を見据えていた。

 

「安堂李。貴方は多くの命を殺め、多くの人の幸せを奪いました。これらは許されざることです」

 

判決が下される。

 

「安堂李。貴方に地獄行きを命じます」

 

……分かっていた。分かりきっていたことだ。

けれど、ようやく気づけたのに。やり直したいと心から思えたのに。

 

映姫はしばし沈黙し、俺を観察するように目を細めた。

 

「……成程。まだ更生の余地はあるようですね。謝罪の意、過ちを悔いる心。その思いには同情します」

 

俺は苦笑する。

 

「だからなんだ? 俺は多くの人に迷惑をかけ、殺し、裏切った。ただそれだけだ。反省も後悔も、自覚もしてる。だからもういいだろ、さっさと地獄に送ってくれよ」

 

「……そう。その心意気は立派です」

 

(……まぁ、こうして人に認めてもらえるなら、それで御の字かもしれねぇな)

 

 

 

 

映姫は静かに口を開いた。

 

 

 

「……貴方にチャンスを与えましょう」

 

「……は?」

 

「八月に“絶”が消滅しました。そのため、六冥王の枠が一つ空いているの」

 

「絶が……消滅だと!?」

(馬鹿な…………水楼や炎忌の何倍も強かったはずのあの絶が!?)

 

 

 

映姫は淡々と続ける。

 

 

「本来なら、私たちで新たに候補を選定し新六冥王を決めるところです。しかし今回は、例年よりもさらに強く賢い魂を見極めるため、一般採用枠を設けました」

 

そして俺を射抜くような視線を向けた。

 

「それに参加しなさい」

 

「……俺は罪人だぜ?」

 

「悪人に負ける善人など言語道断、ならば私たちは悪人だろうと構わず強い者を上に置くわ。冥界は社会ではない、魂の管理さえできればいいのよ」

 

「……もし断ったら?」

 

「宣告通り即刻地獄行きよ、もちろん選挙に落ちても同じこと」

 

「なら受けよう。せっかくのチャンスを無駄にするほど、俺は馬鹿じゃない」

 

「分かりました。では試験開始まで冥界に留まりなさい。判決は一旦お預けです」

 

「あぁ、分かった」

 

俺は裁判場を後にした。

 

 

 

 

 ──────────────────

 

 

 

 俺は、冥界の使用人に連れられ、選挙の間泊まる宿泊施設に到着した、2人組の相部屋で過ごすらしい、とりあえず俺の部屋のペアが来るまでの間、一般試験の対策と、本戦で行うらしいトーナメントの戦略を考えることにした

 

 数分後、呼び鈴が鳴り、俺のルームメイトが現れた。

 

 その顔を見た瞬間、俺は息を呑んだ。

 

「何だ、ルームメイトってお前の事だったのかよ、落ちこぼれ」

 

「そういうお前こそ下の方のナンバーじゃねえかよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヘリム」

 

 俺の部屋に入ってきたのは、毒蟲No.8「蚊」ヘリム・シエだった

 

「お前も死んだんだな、一体誰に殺されたんだよ」

「テメェ等のところの凍除にな、そういうお前こそ、どうやって死んだ?」

「新世界プロジェクトの一件で色々あって夜叉丸に返り討ちされてな、細かいことは聞くなよ」

 

 

 俺とヘリムは昔、かつて同じ大学で学び、何度も競い合った因縁の相手だった

 

 

「それにしても、おまえみたいな雑魚が試験を受けるなんて驚いたぜ、これは俺が六冥王になるのも楽勝かもな?」

「っは!物投げるしか脳が無いやつに負ける気なんかねえよ」

「はいはい、勉強しか取り柄の無いガリ勉くんは机にでも向かっとけよ」

 

「「……………………」」

 

「あぁ?」「んだと?」

 

「殺んのか?」

「上等だよ!!!」

 

 

その後、結局俺は完膚なきまでに叩きのめされた。

 

地に伏し、息を荒げながら、俺は現実を思い知った。

 

(このままじゃ……夜叉丸にも、あの豪鬼にすら勝てねぇ……! 何も変われねぇまま、また負けるだけだ……!)

 

 

 

 ──────────────────

 

 

 

 

その夜、俺は生前微かに接点があった鮮血のもとに出向いた。

 

霊体のみが習得可能であり、体内に自然の生命エネルギーを蓄積させて、それをエネルギーとして使う技術、霊波動について教えを請いに来たのだ

 

「……鮮血!」

 

鮮血の前に、俺は膝を折り、地面に額を押しつけた。

 

「頼む……!俺に霊波動を教えてくれ!俺は……勝ちたい!豪鬼たちにに返り討ちにされて、何もできずに死んだままじゃ終われねぇ!あいつらの鼻を明かしてやりたい!!だから……頼む」

 

必死の叫びだった。惨めでも卑屈でもいい。今度こそ、本気で勝ちたいと願っていた。

 

鮮血はしばし黙し、やがて息を吐いて笑った。

 

「まさか、お前がそんな顔で俺に頼むとは………………ただの屑だと思っていたんだが、どうやら今は違うらしいな…………いいぜ、俺がお前に霊波動の技術を叩き込んでやる、時間は少々厳しいが、なんとか間に合わせてやる」

 

俺が顔を上げると、心底面白いといった顔で俺を見下ろしていた

 

「ついて来い、お前がどこまでやれるか俺に見せてみろ。俺がお前を六冥王にしてやる」 

 

 

 

──────────────────

 

 

 

 あっという間に時間が経過し、2日後、一般枠テストの日、俺とヘリムは試験会場に向かった、どうやら試験は罪人、善人等で複数のクラスに別れて学力・実力試験を行うらしい、俺たちは一級罪人者の会場になった

 

「あら?誰かと思えば、そこに居るのは李堂ちゃんじゃない?」

 

 

 懐かしい声を聞き、振り向いた先には

 

 

「久しぶりね〜李堂ちゃん♪貴方も死んじゃったの?」

「ふん、李堂の事だ、どうせまた何かやらかして死んだのだろう?」

 

 俺より先に死んだ元メンバー

「ファムタール・エリシェット」と「ディアン・ジーヴァ」が居た

この二人とは任務で同じ都市に共に滞在したりと関わりが深い人物だった印象がある

 

 

「久しぶりだな、まさかお前等も試験を受けるとは」

 

「あぁ、丁度俺たちの判決の時に六冥王選挙の事を伝えられてな、地獄行きの前の娯楽として参加しようと思った訳だ」

「だからって負ける気なんてないけどね?」

「ああ、ここにいる連中よりも俺達は長く滞在した、もうお前達を倒す算段は整っているぞ」

 

 

 

言われて見れば、2人のオーラを見てみると生前よりも無駄がなくなっており、強くなっている気がする

俺よりも早く死んでいた分特訓を続けていたって事か、能力者同士の相性を考えればこの2人が勝ち残る可能性も十分ありえるかもしれない

 

 

「それは楽しみだ、それにしてもお前等がいつも通りで良かったよ……………例の街の件は悪かったな」

 

 

 

 生前、同じ街で活動していた俺達だが、魔法陣を使ってディアンの能力を使う計画がぶち壊され、俺がその首謀者たちの始末に失敗したその結果二人は殺されてしまった

 

 

 その際の二人の死因は

ファムタールはターゲットに返り討ちされた後、「C」に降格した豪鬼に叩っ斬られた挙句燃やされた

 ディアンはターゲットに能力を使った際、術を喰らった奴が発狂して、身体全体を無惨な状態にされ、絶命していた

 

 いくら俺たちが闇の世界にいるからって、あの件は俺が間接的に二人を殺したような物だから、少なからずとも俺は罪悪感を抱いていた

 

「ふん、例の街での件は俺の実力不足と、少々能力を過信しすぎた俺の落ち度だ、今回はそんな失態はしない」

 

 

 そう言われた俺は少し気が楽になったような気がした

 

 

「そうか、その潔さはウチの雅流にも見習ってほしいよ」

「その言い方だと、雅流も死んだのか?」

「あぁ、新世界プロジェクトの計画の内で凍除、夜叉丸、豪鬼の抹殺命令が出されてさ、俺は夜叉丸、雅流は豪鬼に返り討ちにされてな」

 

 ディアンとファムタールは話を聞いて少し驚いた表情をしていたが、口には出していなかった

 特にファムタールは豪鬼の名前を聞いて苦虫を噛み潰したような顔をしていたが、まぁ死因がアレだったからしょうがない

 

暫く3人で軽く話した後、雅や水楼、豪鬼など見知った連中も混ぜてまた軽く話し、俺はその場を立ち去った

 

 楽しく話していたとしても結局俺たちは敵同士、だが少なくともアイツらとは戦いたくないな……そう思いながら俺はその場を後にした

 

 

 

 ──────────────────

 

 その後暫くどんな顔ぶれがいるか確認した後、俺はヘリムと合流し冥界歴の復習をする事にした、他の教科は自信があるが、冥界歴だけは長すぎて覚えきれなかった

 

 数十分後、俺たち一般参加者にアナウンスがかかり、幻想郷の管理人の能力を利用した異空間を使って試験が始まった

 

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 俺の試験監督は、先日宿に案内してもらい、訓練を受けた鮮血だった

 

「よぉ、改めて俺がお前の試験監督、鮮血だ。よろしくな」

 

「あんたが監督なのか、よろしく」

 

 

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 〜第一教科数学〜

 

(何だよ、どんな難問が出るかと思ったら高校の範囲じゃねえか、こんなの楽勝だな)

 

 〜第二教科冥界史〜

 

(範囲が広すぎだ……たった2日で覚えきれるか)

 

 〜第三教科現代用語〜

 

(まじまんじ、ちょべりぐ、ぴえん、ぱおん、へいようむごきげんいかが)

 

「字が汚すぎて読めない(੭ुᐛ)੭ु⁾!!」

 

 〜第四教科能力研究〜

 

(日本または幻想郷内での基本的な第二オーラ六属性か、「神・星・霊・妖・鬼・魔」だよな、まぁこれくらい知らねえと神王連やってられねぇな)

 

 〜第五教科世界史〜

 

(…常識だな、ノーコメント)

 

 〜実技試験〜

 

「っし、おつかれ、どうだった?」

 

 そう言うと鮮血は全ての用紙を確認して回収した

 

「色々とツッコミどころがあったが、まぁ冥界歴以外は自信ありだな」

 

「そうか、じゃあ今からお前の戦闘力を霊視眼で測定する、最大戦闘力だからな、気張れよ」

 

「あぁ、任せろ」

 

 

 

 

 

 

 

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「まだ粗削りだが、短期間でよく仕上げたな、これならいいところまでいくんじゃないか?」

 

「ぜぇ…ぜぇ…………あぁ…そうだろ?」

 

「あぁ、帰ってよく休め」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 安堂李

 筆記試験  2位

 

 数学 100 冥界史 75 現代用語 96 能力研究 100 世界史 100

 

 

 

 

 

 

 実技試験  4位

 

 戦闘力

 

 

 

 

 

 

110000

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






はい、初っ端から李堂くん強化入りました、しかしここまで強化しても全く追いつけないパトパト世界、どうなってしまうのでしょうか
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