この回は慣らしも兼ねて原作と”だいたい”一緒です
死ぬのが怖かった。
"死"を遠ざける為に、彼女は戦っていた。
―ステラもこれでまた戦わないとな。でないと怖いものが来て、私達を殺す―
死にたくない…死にたくない…
―ステラなら出来るだろう?怖いものはみ~んななくしてしまわなくちゃ―
ネオが言ってくれた言葉が頭の中で響く。
ネオにも、スティングにも死んでほしくない。
だから、自分たちに"死"をもたらすものを全て排除する。
その為に、戦っていた。
「はああぁぁぁぁ!!」
―――
「くッ!なんて大きさだ!こんなッ!」
キラは目の前の地を揺らす巨体を見て歯噛みした。
全身に火器を装備したそのMSは、蹂躙と言ってもいい様相で、ベルリンを攻め込んでいた。
それは、辺りに"死"をまき散らす存在であった。
しかし、これ程までの火器、躱して攻撃するなど容易いことではない。
しかも、遠距離からの攻撃は光波帯によって遮られてしまう。
緑のザフトの鹵獲機はカガリやムラサメ隊が引き受けてくれている。
自分はこれをなんとかしないといけないのだが…
―その時、インパルスがやって来たのだった。
「どうしてこんなことを…何でそんなに殺したいんだ!!」
怒りの咆哮を上げながら、シンは高速でデストロイに肉薄し、一太刀を浴びせる。
そこに、ネオのウィンダムが飛び掛かり動きを止める。
「やめろボウズ!……あれに乗っているのは!ステラだぞ!」
ネオの言っていることが理解できなかった。
―この無差別破壊をするバケモノに乗っているのがステラだって?―
しかし、"答え"は先程自身が破壊したハッチ部分の奥から見えていた。
そこにいたのは、確かに自分が"守る"と言った、あの少女だった。
情況が理解できずに、動きが止まるシン。
「何をやっている!的になりたいのか!」
キラは動かないインパルスを庇うように動いた。
「うぅ…駄目よ…死ぬのはい嫌…怖い…」
しかし、デストロイの動きも鈍った。その隙をキラは逃さなかった。
「マリューさん!こちらを頼みます!」
と言うと同時に、ネオのウィンダムの死角に回り、ライフルの連射でコクピット以外の適当な箇所を撃ち抜く。
「なにッ!?ぐわぁぁ!」
ウィンダムは操作を失い市街地に墜落する。
「ネオ!?…ぁぁ…ネオーー!!嫌…駄目…いやぁぁぁ!!!」
その"死"をまき散らす巨体は、さらに攻撃を激化させ、無差別に周囲を攻撃していく。
「くっそー!もうやめろーー!!」
フリーダムはデストロイに攻撃を仕掛けるも、不意にインパルスから妨害を受ける。
インパルスがフリーダムに刃を向けたのだ。
「やめろッ!…何も知らないくせに…あれは…あれは!」
シンはフリーダムを追い払うと、デストロイに向かい無防備に近づいた。
「ステラ!ステラ!俺だ!シンだよ!」
しかし、デストロイは攻撃をやめず、無差別に銃弾をまき散らす。
「うわぁッ!いやー!!死ぬのは駄目…嫌…怖い…」
「ステラ!大丈夫だステラ!」
「君は死なない!君は俺が!!俺が守るからァッ!!!!!」
―――
攻撃が止んだ。
キラにもどうして攻撃が止んだのかは理解できなかったが、インパルスに原因があることは理解できた。
説得できたのか?あの破壊兵器を
しかし、攻撃が止んだなら、これ以上ここに留まる理由はない。ミネルバも来ている。
早めにここから離脱しな―
しかし、そこで異変に気付いた。
攻撃を停止した筈のデストロイ。しかし、戦いは終わっていなかったのか。
デストロイがビーム砲をこちらに、明確に向けた。
「…ステラ?ステラ!ステラッ!!!やめるんだステラ!!!」
デストロイの異変に気付いたシンは説得を続けるが…
その照準は、インパルスにも向けられていた。
「やめろ、死にたいのか!?」
フリーダムは動かないインパルスに近づき、タックルで突き飛ばす。
「うわぁぁッ!!!!」
インパルスは大きく吹き飛ばされ、地面に激突するも、その動きでフリーダム共々攻撃を紙一重で躱す。
「…くっ、ステ…ラ…やめ…」
シンはその衝撃で気を失う。
しかし、その言葉も、ステラには届かなかった。
「壊す…怖いもの…全部…!!」その照準を、動かなくなったインパルスに向ける。
「クソッ、やめろォォッ!!!!」
フリーダムがサーベルを抜き、発射前、チャージが始まる前のビーム主砲に突き刺した。
「きゃあッ!!」
小さく爆発を起こし、その巨体は動きを止める。
フリーダムは続けざまにもう一つのサーベルを突き刺し、距離を取る。
「…もう、終わりにしてくれ!!!」
肩のバラエーナ、腰のスフィアを展開し、全弾を叩き込む。
「きゃああッ!!!!」
さしもの重装甲でも、フリーダムの総火力の前に、遂に膝をつく。
そこにさらにフリーダムはパワーを振り絞って蹴りを放ち、その巨体を押し倒した。
「ハァ…ハァ……終わっ…た…?」
そこに残っていたのは、動かないインパルスと、死をまき散らした黒い巨体と、廃墟と化した街並みだけだった。
その巨体は、火に包まれている。各部が破損しており、もう兵器としては使えないだろう。
その倒れた残骸に目を向けると、コクピットかと思われる部分に、大きな傷がついていることに気付いた。
インパルスが初手の太刀で入れた傷だ。
機体を覆う炎は、もうすぐその穴にせまる所まで近づいていた。
ふと気になり、何気なしにその中をズームすると
「…女の…子…?」
そこには、先程の破壊をまき散らす戦闘と、全く似通わない女の子が、気を失い横たわっていた。
原作だとビーム発射前に突き刺したから大爆発だけど、今回は発射後に爆発したから被害少なめ…
ってことにしといてください