魔法少女にあこがれてたよね!?   作:スカイ・■

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プロローグ

私は小さい頃から魔法少女物のアニメ、とりわけプリキュアという日朝アニメに出てくるヒロイン達に憧れていた。

 

 

ブラックとホワイト

 

レッドとホワイト

 

ピンクにレッド、イエロー、グリーン、ブルー、バイオレット等々

 

 

強大な敵幹部を相手に女の子達が派手に殴って蹴って暴れまわる。

女の子だって暴れたいをモチーフにしたというそれは身体の弱かった私には羨ましくあり、単に力だけが全てではないと教えてくれる作り込まれたストーリーには強く引き込まれた。

 

『ヒーローの出番です!』

 

特に『ひろがるスカイ!プリキュア』に出てくるキュアスカイは私の理想系であると言っていい。

 

 

「はぁ……私もこんな風になれたらなぁ」

「お、お姉ちゃんならきっとなれるよ!可愛いし、とっても優しいもん!」

「ふふ、ありがとう」

 

女の子なら一度は憧れた筈だ。そしてどうせフィクションだからといつしか諦めてしまうのだろうが、この世界には魔法少女と世界の平和を脅かす悪の組織が本当に存在している。

 

プリキュアはフィクションだが、ある日可愛らしい魔法動物系マスコットが現れて助けを求められる。

すると現れる巨大なモンスター。女の子は魔法の力を手入れて、魔法少女に変身するのだと、そんな空想が現実になってからもうどれだけ経ったのかは覚えていない。

 

ただ自分にもチャンスが回ってくるのではと私は期待した。

 

そして鏡を見て絶望した。

 

「でも無理よ。お姉ちゃんこんなだもん」

 

元の素材ははまぁ悪くはないのだろう。中よりの上、アイドルのスカウトや告白されたこともある。だが枕横に置いている大きなガスボンベ、それに繋がれたヘンテコな機械と鼻から足らしたチューブが全部台無しにしてしまっていた。

 

私、柊うつみは小さい頃から呼吸器系の疾患を抱えており、自力では十分な酸素を全身に行き渡させることが出来ない為、酸素ボンベが手放せない女の子だ。

 

よほど調子が悪くない時以外は学校に行けるが、当然体育なんて一度も参加したことがないわけで、走るなんてもっての他。

 

体力をつける為に散歩はよくしているけど、鼻からチューブを伸ばして酸素ボンベのカートを引く私が周囲からどのような目で見られているかは知っている。

 

最近のプリキュアでは男の子がメインでプリキュアをやったり、犬がプリキュアになったりと文字通り人を選ばない多様性に満ちた作品になっているが、こんな姿では相対するモンスターや助けられる人たちが困ってしまうに違いない。

 

「お姉ちゃん、魔法少女はうてなになって欲しいなぁ~。それで魔法少女になったうてなと一緒にお空を飛んでみたい」

 

だから私は夢を諦めることにした。

そして年子の妹である柊うてなにその夢を託すことにしたのだ。

 

うてなは私とは違い、健康女児であり引っ込み思案な性格こそ難点だが顔は良く、声もいい。そしてこんな私がいつ死んでしまうかもしれないと不安になって泣いてしまうような優しい心の持ち主だ。

 

何も無理やり押し付けるつもりはないが、うてなは私に負けず劣らずのプリキュアと魔法少女全般が大好きな女の子であり、七夕には毎年魔法少女になりたいと書いている。だからもし魔法少女になれるチャンスがあるならそれはうてなへと私は願った。

 

うてなが魔法少女になるために、各街にいる魔法少女達とコンタクトをとったり、魔法少女になった時の為に正義の心構えを説いたり、具体的に何かしてきたわけではないが自分がプリキュア(魔法少女)になる夢は綺麗さっぱり諦めた。

 

 

「なら!私が魔法少女になったら魔法でお姉ちゃんの病気を治してあげるよ!それで二人で魔法少女やろ!ね!?」

 

「~~!!!うてなちゃんはどうしてこんなに可愛いでちゅかねー!!!!」

 

 

こんな優しくて可愛い子が魔法少女にならないなんて世界はあり得ない。

おい!マスコット!さっさとうちのうてなちゃんを魔法少女にしろ!するんだ!するんだよぉ!

 

「ゴホゴホ!……ハァ……ハァ……ハァ。やばいやばい酸素ちゅーにゅー……」

 

 

この時は思いもしなかった。

まさかうてなが悪の組織の女幹部になるなんて。

 

 

 

──おや?おかしいな。ロード達が魔法少女から奪った魔法少女の『変身アイテム』処分するように言われてたんだけど、どこにもないや。

 

「これは?」

 

 

そして私が魔法少女になるなんて。

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